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改めてのライズヴェル

 なんだかんだで馬車は無事にライズヴェル近くの発着所について、そこから3人で街向かうところまでは一緒に行った。そこからはみんな別。マリアはソフィアさんのところに向かって、カレンはどこかに行った。別に興味無い。カレンの事だしどうせなんか食べるんでしょ。ひくぐらい食べてるし。


 で、わたし。わたしはとりあえずギルドに行くよ。最初はエルザのことが気になるからソフィアさんのお店に行ってついでに聞こうかと思ったけど、マリアがいたらききにくいし、かと言って2人きりになるとなんかあの人変だからやめた。とりあえずはわたし自身の()()を変えるためにも、ギルドに行く。


「……………………と思ったけど」


 なんとなく普段とは違う道をあるいてギルドに向かっていると、色々と気になるものが目に付いちゃう。あれとかこれとかそれとか……普段ライズヴェルにいても全然気が付かなかったものが、何故かやたらと気になる。ほかの街に行ったから、改めて色々気がつく感じ?


「結構お店あるじゃん………」


 わたしが普段通っていた道はいわゆる表通りで、大きい建物とか、国とか街で管理してるようなちゃんとした(?)施設が多かった。それこそ、図書館とかね。でもいま歩いているとおりは少し狭いけど、人も少なくなくて、小さいながらも色んなお店や建物がある。こっちの方が個人的には好きかな。異世界なのに、どことなく懐かしさを感じなくもないような不思議な雰囲気。


「……あれ、あのこ……」


 沢山ある店の中のひとつ、武器や防具らしきものが並んでいるお店の入口あたりに、緑の髪ツーサイドアップにしている女の子がいた。見間違えじゃなければ、多分あの子は………


(この前平原で助けた子……)


 カレンと一緒にいた時、ライオンのようなモンスターに襲われていた子。あの時は武器を持っていて、まるでお姫様みたいな格好をしていたけど、今は違う。なんとも言えない地味な吹くとスカートで、武器も持ってない。


(あの時は………そうだ、消えちゃったんだ)


 何故かあの時、助けたと思ったらすぐに消えてしまった。転移の魔法……だとしても、そんなものあるのかな。だって、どこでもいつでも使える転移の魔法があるなんて、誰も言ってなかったし………。


 なんて、悩んでても意味ない! せっかくすぐそこにいるんだし声掛けてみればいいや。


「ねえ、ちょっといい……」


「あ、は、はい!なんでしょう!?」


(驚かせちゃったかな……)


 わたしが声をかけると、女の子は飛び上がりそうになりながら振り向いて、うわずった声を上げた。


「あ、えっと……ほら、わたし……覚えてない?」


「えっ……? ……あ、あっ!! その髪の色……助けていただいた……あ、あの時はその……しっかりとしたお礼もできなくて………」


(髪の色……ああそっか、わたしみたいなピンクはレアだった……)


 思い出してくれた……のはいいんだけど、女の子はそれはそれとしてまた慌てだして、なんかこれじゃまるでわたしが無理やり言わせたみたい……。


「あ、別にそういうつもりじゃなくて……」


(それにここじゃ邪魔だし目立つ……)


 お店の入口付近だし、一旦移動を


「……あ? ユイじゃん、なにしてんだ? ………うわ、こんな街中で女の子困らせてやがる。流石のボクでもそれはしねーよ」


「い、イブ………」


(狙ったかのような最悪なタイミング……)


 ていうかイブも女の子(わたし)困らせてるし。それはノーカン?


「………ユイ、行くぞ。それ以上困らせるんのはやめろよ。」


「は?」


 イブはいきなりわたしの腕を引っ張って、女の子から引きなはす。その様子を見ている女の子は少し頭を下げたあと、すぐにどこかに行ってしまった。


「ちょ、イブ……どうしたの? イブならもっとこう……『おいおいなにしてんだ?』って感じで突っ込んでくると思ったけど………」


 少し人の少ないところまで来て、イブにきく。


「たしかにそうしようと思ったけどさ、今回は無理。お前は……ま、知らないか。さっきのやつ、アレだぜ。この国の……ライズヴェルのお姫様だ。」


「へー……お姫様なんだ………姫!?」


「馬鹿みたいにわかりやすい反応するな。」


「いや、だってさ、だって!? なんでお姫様があんなところに!? それになんでお姫様のこと知ってるの!?」


(お姫様なら、なんで戦う格好なんてして平原にいたんだろ……)


 それこそ、最初にイブがいってた、『王族が前線で戦うとかありえない』だよね。


 するとイブは壁によりかかってめんどくさそうにいう。


「理由なんてボクが知るわけねーだろ。 ボクがあのお姫様を知ってるのはお城で見たことあるからに決まってんだろ。この国に呼ばれて、まずはお城に呼ばれた。ま、その時喋ったのは王だけだったから、お姫様のことは見たことあるだけで詳しくはしらない。」


「へぇ……」


「……お姫様があんな所にいるのも驚くけど、周りのヤツら、誰一人としてそれに気が付かないのはもっとやべーだろ。ボクの国なら絶対そんなことは有り得なかった。たとえ変装してようがなんだろうが、直ぐにバレてたぜ。……ライズヴェルの奴ら、王族に興味ないのかもしれないな。」


(たしかに、王族について話してる人見た事ない……)


 政治に興味ないのかな。


「で、お前どっか行くの? いくなら暇だしついてくけど。」


「ギル……じゃなくて、教会!オーリン教会いく! 一緒に来る?」


 本当はギルド行く気だったけど、なんかイブがいると行く気になれない。特に意味は無いけど教会に行く気になった。


「……教会、ね。ボクは神なんて興味無いけど、この国でどんな神が信じられてるか、それは興味ある。ほら、早く案内しろよ。」


「はいはい……」





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