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GOMA!GOMA! (ゴマ!ゴマ!)  作者: 作・カブトムシタロウ 画・ピロコン
第1章 びっくりどっきり!? 動くおサムライ人形
4/40

その4 思い出した!

 10分ほど坂道を上ると、そこは静かな住宅街が広がっている。その中に、リエコの家があった。こじんまりとした一軒家、『野々原』という表札が貼り付けられている。


「たっだいま」


 ドアを開けて家の中へと入るリエコ。靴を脱ぎ捨て、家へと上がろうとする。


 と、家の奥からすごい勢いで女の人がやって来た。リエコのママだ。夕食の準備の最中だったのだろう。手にはお玉を持っている。


「ああ、やっぱりそんな泥だらけになって」


 リエコの恰好を見て、ママはため息をついた。


「帰りが遅いから多分、そんなんじゃないかって思ってたわ。お風呂沸かしてあるからさっさと入っちゃいなさい。ほら、ランドセルはママが預かるから」


「は~い」


 リエコはランドセルを下ろすと、ママへと渡した。そのまま廊下を歩き、突き当りにあるお風呂へと向かう。


 洗面所と脱衣場が一緒になった場所で、リエコが髪留めを外そうとした時だった。


「リエコ、スカートのポケットの中身をちゃんと確認してね。あなたってばいっつも、消しゴムとか丸めたティッシュとか入れたままにしてるんだから」

「ママ、分かってる。言われなくてもちゃんとやるから!」


 リエコは、ドア越しにそう言った。もちろん嘘だった。ママに言われなかったらポケットの中なんて調べずポーンと洗濯物カゴの中にスカートを放り込んでいただろう。


「よいしょっと」

 リエコはまず、スカートの左のポケットに手を突っ込んだ。丸めた紙が発見される。朝、家を出る時に食べたキャンディーの包み紙だ。


 ――そーだ。後で捨てようと思ってポケットに入れたままだったんだ。かんっぺきに忘れてたよ。


 洗面台の脇にあるゴミ箱に、リエコはキャンディーの包み紙を勢いよく投げ込んだ。


 続いて、右のポケットの確認作業に入る。


 ポケットに手を突っ込んだ途端、何かが手に触れた。紙でもなければ消しゴムでもない不思議な感触だ。


「ん?」


 掴み引っ張り出す。姿を現したのは、おサムライの人形だ。


「あああああ!」


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