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ブラッドマン ~Blood man~  作者: 雷明たいたい
2/2

ブラッドマン 誕生の試練 その2

「い....」


脳内で何者かの声が誰かの声が響く。


「おい」

これは俺の事を呼んで...いそうだな。

俺は重い腰を上げて、立ち上がる


背丈は小さめだな、小学生だろうか。

いや、小学生にしては色々と不可解な点が多い。


「....えー...誰ですか?」


「次元の女神」


うっ!な、なんだ。

口元では喋っているように見えるのに、この声...脳内に響くッ!!

頭が痛い...もしかして、この女神とか言っている奴が何かしているのか?


「お前さんも気づいているだろうから、言葉数は増やさないぞ。」


「は、はい。」

立っているだけでやっとだ。

やはりこの女神が何かしているみたいだが、原因が判らない。



「今からお前に試練を与える。」


「し、試練?」

...そうだ、俺は確か注射器を自分にうって...酷い痛みを受けた。

そして気が付いたら、ここに居た。


察するにここは俺が居た世界とは違う世界、異世界という感じになるだろう。


「いや、違う。ここは異世界ではない。」


「...どういう事だ?」

周りを見回してみても、明らかに異質、元の世界と同じとは到底思えない。

真っ暗な世界なのに、自然と頭の中に何があるかが判る。


「別次元だ、この別次元で試練を与える。」


「別次元...同じ世界でありながらも三次元ではない次元にいるという事か俺は」


「そうだ、ここでやる事はただ一つ、他のものより先に次元の鍵を見つける事。」


次元の鍵...

俺の後ろには謎の扉が見える。


これが出口か。


「お前の体は、今仮死状態にある。制限時間はお前が仮死状態から完全に死亡するまでだ」

...時間はあまりないみたいだ。

最悪今すぐ死ぬのではないかと思うが、そこはどうなんだろうか。


「その点は安心しろ、お前はちゃんとした参加資格を持って次元の試練を受けているからな、最低三日は女神の力がお前を死なせない。」


...長い言葉を言うと頭が痛くなるからやめて頂きたいのだが、有力な情報だ。

最低三日...そこからは運との勝負だな。


俺は深呼吸をして、考えをまとめる。

頭をかき、少し悩んだ末、いくつかの疑問が浮かんだ。


一つ目はこの女神の言っている事が信用できるのかということ。


二つ目は試練を達成したとして、メリットはあるのかということ。


三つ目はその次元の鍵は一体どこにあるのかということ。


最後に四つ目は...この女神が一体何者かということだ。



「説明が欲しいか、時間が惜しいか、どっちだ。」


「えっ」


「今の疑問、答えてやる、でも時間を少々取るぞ。」


「..(いてて)...あなたを信用できる要素がありません」


女神は表情一つ変えずに会話をしている。

俺が苦しんでいても、何も変わらない、それが不気味で不気味で仕方がない。


「信用しなければお前は死ぬ」


...選択の余地はないということか。

どちらにせよ、試練を受けなければいけないということか。


だとしても、二つ目の疑問が気になる。


「メリットはお前に力を与えるということだ、復讐がしたいのだろう?」

....そうだな、母さんの願いのためにも、俺は復讐がしたい。

目覚める前の決意を俺は再び思い出す。


あの日の事は一度だって...一度だって忘れたことはないんだ。

母さんを捨てて逃げた親父、そして、母さんと俺の幸せを奪ったあの男...両方を俺は絶対に許さない。


「怒りは人を醜くする、その力を与えたとして、世界の崩壊が近づくのであれば、私はお前を殺しにお前の次元に向かうぞ。」


「俺が世界を崩壊させるとでもいうのか、俺はただ、あの男に、母さんを呪ったあの男に復讐をしたいだけだ。」


女神は俺の言葉を聞いて、少し疲れた表情をした。

少し、表情が硬かっただろうか。


女神は恐らくは忙しいのであろう、だが、女神にしてはこの部屋は...暗すぎる気もする。

とは言え、今気になるのはそこではない。


「次元の鍵の場所は教えられない、だが探し方は教えてやる。」


「闇よりいでし光は無情のものに、、、心を捨てることだな。」

...意味が判らない。

闇よりいでし光....この世界が闇とするのか?


いや、そういう意味ではないはずだ。

だとすればどこかに闇が潜んでいて、その中から次元の鍵を見つけることができるとか....いや、それも違う気がする。


....判らない、だが、無情の者に...感情は邪魔になるという事だろうか。

だがしかし、人間が感情を捨てることなど、不可能だ。


そんなの、死なないと感情なんて、なくならない。


「....これが最後の質問だ、あんた何者だ。」


「ギリシア神話の女神 アシアーとだけ教えておこう、その他の不可解な事は今は教えることができない。」

今は...か。


いずれ知る機会はあるはずだ。

その時に調べよう。


弥美は聞きたいことは全て聞いた、だがしかし、それでも、疑問に浮かんでこない違和感が。

その違和感の正体が気になってしかたないのだが、今はその内容が判らない。


だが...ともかく、何か嫌な予感がするのは確かだ。


「ここの扉にいるから、聞きたいことがあったら聞け」


...ともかく、次元の鍵を探さないと、話にならない。

俺は、こんな所で死ぬわけにはいかないんだ。




....あの少年は行ったな。


説明は不十分だ。

必要不十分な量だけ教えて、疑問を浮かばせる。



あの少年は、浮かべる疑問も少ないし色々な事を信じすぎる。

私が言ったことは真実だが、いづれ彼を騙し、利用する者が現れるのではないか。


...だが、あの少年には何か、硬い決意がある。

それが、良いものとなるか、はたまた......彼の人生を左右するのは彼自身だ。

母さん


身長168cm


好きなもの 本


趣味 散歩

危ないと判っていていたも、外に出歩かないと気が済まない。


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