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書き方がいまいちわかってません
2016/12/3 更新しました。
◇
まだ五月の中旬であるのにもかかわらず、じんわりと汗をかかせるくらいに暑かった。
じわじわ来る暑さを感じながら、水原真理亜は悩んでいた。毎日が詰まらないからだ。いや、正確に言うと変化が無い。
意外と何も起きないものだね〜。何かないかなぁ、新しい出会いとか。
「新しい出会…い…」
そしてふと前を見たとき、真理亜は目を疑った。目の前に何年も前にいなくなった筈の幼馴染の男の子が居たからだ。
夢じゃないよね⁉嘘じゃ無いよね⁉帰ってきたんだ!大好きなアルトが!!
な、何か俺の名が呼ばれてる気がするんだが…。いや、気のせいだろ。大体、俺はこの街にに8年居なかったんだ。名前なんか知られている筈が…。
ドガッ!!と背中に衝撃が奔る。
「うおっ!?」
衝撃に前のめりに倒れ、ぶつかってきたものの下敷きになる。
「イテテ…。大丈夫ですか────って、えぇっ⁉」
目を開けてまず最初に歩人は思った。「何故美少女が自分の上にいるのか」ということを。
「会いたかったよぉ、アルトォ〜!」
何故か美少女に頬ずりをされる歩人。
な、何がどうなってる?つーか、この子誰だ?
記憶を辿ってみる。
なんとなくだが、歩人はこの甘えた態度と言葉には記憶があった。
「お、お前まさか、真理亜なのか?」
「アルト大好き!」
真理亜が抱きついてくる。
水原真理亜、篠崎歩人の幼馴染の一人である。
歩人は昔の幼馴染に出会えたことは嬉しいと思う一方で、今の状況的に頭を悩ませていた。
朝っぱらから男子高校生の上に女子高校生が馬乗りになっている。
いわゆる騎乗────ゲフンゲフンという奴だ。
そんな光景を通勤途中の会社員やゴミ出しのために出て来た主婦らにジロジロ見られている。
まぁ、当然だが…。
「お、おい!いい加減はなれろって」
「ヤダ…」
何故ですか⁉てか、そんな上目遣いで俺を見るな!
「ずっとアルトと一緒が良い」
何言ってるのこの子は⁉
真理亜は何かと歩人に対して甘えてくる。これは昔からのことだ。
「離れろ」
「ヤダ」
「離れてください」
「嫌ですぅ~!」
そんなやり取りが暫く続き、漸く手を繋ぐことで落ち着いた。
木が生い茂る公園の中を通る。ここを抜ければ聖ヶ丘三界学園に着く。
「何か、カップルみたいだね…」
真理亜が何か言っているが無視する。
風が吹き真理亜の茶色い髪が靡いた。
……今こいつを可愛いと思ってしまったのは罪だな。
────ゾワッ……
「────っ⁉」
すると突如、背後に激しい悪寒を感じた。
「どうしたの?」
真理亜が尋ねてくる。どうやら気づいていないみたいだった。
悪寒のする方へ目をやると、遠くの廃ビルの屋上で誰かが戦っていた。片方は悪魔の少女、もう片方は暗黒の翼を持つ────
「堕天使か。しかもありゃトップクラスだな」
見る限り、悪魔の少女の方が押されているようだ
助太刀してやるか…、物騒だし。
「悪い、忘れ物した。先行ってて」
咄嗟に嘘をつき、真理亜と別れてその戦場へと向かった。