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第5話  春ちゃん

朝は、猛は素振り100回 してから食事をする。

私は、雷を作る訓練と正確に数メートル先の的に当てる練習

そして線路伝いに二人で...


んーと訂正、一人と一匹で

走り込で足腰を鍛える


目的地に向かいながら、それらの訓練を地道に行う

やれる事、考えられること全てやっていこう


強くなりたい! 

強くなる!

あんな敵と戦った後だ

一歩間違えば、一瞬の隙が、判断ミスが命を落とす。。。……


*  *  *  *  *  *  *


猛が何かを見つけた

女の人だ、呆然として座っていた。

彼女は山下春子 19歳 きりっとした理知的な顔立ち

髪は肩までのボブスタイル。けっこう美人だ

1年前 職場に近い このアパートに引越して来た

ばかりだと言う。

念願の一人暮らし、少しずつ買いそろえた

アンティーク家具は春ちゃんのお気に入りだった

職場で嫌なことがあってもゆったりした

ソファーに座り蕾が付き始めたサボテンを

眺めていると癒されるのだった。


職場からやっとの思いで帰ってきたら

アパートは潰れていて途方にくれていたところに出くわしたのだ

猛は、優しい、彼女の話を聞いて、うんうん大変だったねと肯き

髪についた埃をい払ってやり

擦りむいた手足をペットボトルの貴重な水で洗ってあげた

立つときには手を差し伸べ

もう大丈夫だからねと頭を撫でるのだった

落ち込んでいた彼女だが

次第に元気を取り戻していった。

近くの避難所まで送ることにした


安心した彼女は使えそうなものを探して持ってきた

少しへこんだ鍋とかき集めた食材、数枚の衣類

炊飯器は潰れていなかった。地震前に炊いた

ご飯が残っていたと、大喜び。

さっさとあるもので料理をした

さすがだ。自炊に慣れてるのだ

ご飯が食べれると猛は大喜びでうまい!うまい!と

ぱくついていた


でも、潰れかけた家に入るのは危険だから

だめだよと。春ちゃんの頭を撫でた

春ちゃんの顔が赤い



ちゃっかり猛の横に

ピッタリくっついてニマニマしている

まんざらではない猛

襟ぐりの大きなTシャツから豊かな谷間チラリ

猛の目がそこに釘ずけになっていた


やれやれ。男ってやつは。。

猫パンチしてやった。


================================================


その夜、夢をみた

白いドレスに長い黒髪

まだあどけない少女の様だ

なんだか懐かしいような。。

何か言ってるが聞こえない


目が覚めた

春ちゃんが来たので、あんな夢をみたのかなぁ。

ふう~。と一息。

猛と春ちゃんはもう起きていて

キャァキャァ言いながら

一緒に素振りしたりランニングしたりしていた

二人とも実に楽しそうだ。


残り少なくなった食材で朝食を取って出発。

途中、壊れたコンビニから食料と水を

調達する

「すみません、必ずお金払いに来ます。」

と書置きをして入り口で深くお辞儀をしてきた

誰もいない店から持ってくるのは気がひける

決して泥棒では無いとは猛の言い分である


この頃には、へりをよく見るようになった

支援物資を運んでいるんだろう

時折、バイクが通るので道路の開通も

近いかもしれない。

とにかく進もう。

途中、壊れた噴水があった

春ちゃんは、水浴びしたいと言ってきた

そう言えば、いつ風呂にはいったんだろう

シャワーするには充分な水量が流れ出ている

気候も暖かい

「よし!じゃぁ風呂にはいろう。」


そう言って、瓦礫を集めて囲いを作り

即席のシャワールームの完成

春ちゃんが、入った

でも隙間だらけ ナイスバディの、あらぬ姿が動く度に

チラホラ見える

猛はそわそわ。

流れる出る水を見ている。

何してんだか。。。



ほい!クルルも

ひょいと持上げられシャワー室に入れられた

ちょーちょい、待って、待ってよ、水嫌だよ、ジタバタして

逃げようとしたが、首を掴まれたまま、水を掛けられた


って事は、おい、おい、、おい、、、


均整のとれた筋肉

以外と分厚い胸板、割れた腹筋

水が弾いてキラキラしている。

わおー。。。。。眩しい~。。。


ーーーーーーーーーーーー



「石鹸はなかったが

皆、さっぱりしたね生き返ったみたい

やっぱり風呂はいい。」


はぁ。はぁ。はぁ。。。。ってか、私は良くない。。。




着替えは、春ちゃんのところから使えそうなものを

数枚もってきたものを着替てる、春ちゃんはしっかり者だ

猛は大きめのザックリしたTシャツをチョイス

でもやはり女子のサイズどう見ても小さい

ぶはははは。。笑いが止まらない

 


  殴られた。



少しの休憩ののち出発。

歩いていると車が通った、ヒッチハイクに成功

物資を届ける車だった。

避難所を探すことなく

春ちゃんを無事に送り届ける事が出来た

春ちゃんは一緒に行きたいと抱きついて泣いていたが

いつ妖魔が襲ってくるかわからない旅に

連れていくことは出来ない


またきっと会えるからと抱きしめていた

イケメンは辛いね。

猛と視線が合った。   ふん!



電車が通っている所まで乗せてもらえる事になった

所々道路のひび割れや瓦礫、石が転がっている所も

あるが、注意してよけながら進む

やっぱり、車は快適だわ。

ありがたい、これでぐっと時間が短縮できる。


駅には大勢の人が行きかっていた

本数は減ってはいるが運行していることが

うれしい、廃墟の街から帰艦したかのような

感覚すら覚えた。


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