第3話 猛 視点
俺は、ミュージシャンを目指してバンド活動していた。
ギターボーカリストで、最近は小さなイベントの参加や
公園でのライブとかで少しは名が売れてきて
それなりに応援してくれるフアンも出来た
イケメンとまではいかないが悪くはないと自負している。
歌には自信があって、いいメンバーにも恵まれている
さぁ今から、ビックになってやると意気揚々だった
曾祖母から電話があるまでは・・・・・
「大変な事態になってるから直ぐに来い!」というものだった
冗談じゃない! コンサート出演が決まるかどうかの瀬戸際
俺が抜けるわけにはいかない。
無理。 無理! と断った。
スマホにも、何回か曾祖母から入っていたが無視していた。
あるイベントに参加している時、事務員さんから「猛さんにお電話です」
出てみると、曾祖母だった!
どうして調べたのかただびっくりした
「用事が終わったらすぐ来なさい!」
そう言って電話は切れた。
よっぽどの事があったのだろうか。
んー。もう。。しかたないなー、2日あったら帰ってこれるか
仕事終わりに、仲間に謝罪してとりあえず曾祖母に
会いに向かってる途中にそれは起こった。
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突然叫び声とも、金属音とも解らない音?が聞こえた
辺りを見回す、誰も聞こえなかったのか?何も無かったかのようだ
その後の、あの大地震。。。。。
なんだったんだろう。。。。。。
それは、その後にクルルに会ってなんとなく解った。
この子が発していたんだと。
大きなくるくるした目の奥に何かを感じたが
何かは、わからない
にしてもだ、俺の頭の中に語りかけてきたり
子供を助けた時のクルルは、なんだ?
一瞬光って大木を破壊した
超音波か何かを使うのだろうか
敵に回ったら俺でも負けるかもしれない
何者なんだ?
猫と見せかけて、宇宙人か?
曾祖母が何か関係してるとか?
まさかな。。。。。
でも、何か知ってるのかもしれない
この一連の出来事。唯ごとじゃない気がする。
。 。 。 。 。 。 。 。
ふむ。。。。。。。
マンホールの妖魔の時はクルルはドジだったしな。
もしかしたら自分の能力を解って無くって
無意識に能力を使ったのだったとしたら
コントロール出来ていないかもだし
まぁしばらく様子をみるしかないか。
最初は俺のこと警戒していたようだが
まぁ敵ではないみたいだし
俺も動物好きだしなぁ
近頃はめちゃ、スリスリしてくる
なんだか。
猫なのに、妖艶で可愛いんだよな~
もふもふ、してしまう
。。。。猫に発情してしまうなんて。。。。
俺もどうかしてしまったか。
* * * * * * *
電話がなかなか通じなかったがバンドメンバーは
皆無事だったようだし
妹も無事だったので安堵した。
電話がつながった時、妹は
「兄ちゃんどこにいるの?無事でよかった誰と何してるの?
いつ帰るの?」と一気にまくし立てた。
しっかり者の妹はまるで姉のように俺にかまってくる
ちっとうざいが、なんとも可愛い妹だ
妹と言っても、俺は一時期、施設に預けられていた時があった
その時にいつも兄ちゃん、兄ちゃんと俺に着いて回っていた
2歳下の可愛い子、俺も妹の様に思いいつも一緒にいた
あの子がなぁ~。
嫁に行くまで守ってやらないとなぁ。
曾祖母は山口だから大丈夫、うん!大丈夫。
千葉から曾祖母のいる山口までの進路も
調べないとだ、被害がどの程度なのか遠回りして
被災地を迂回することも考えたほうがいい
急がば回れだ!
スマホは何回か余震の警報を発して鳴っている
そろそろ充電しないといけないがライフラインも
止まっている。
スマホが止まるのも時間の問題だ
しかたない。あとは 自分の感を信じて行動するしかないか。
まあ、明日考えよう。。。。。。