表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拒絶された世界の中で  作者: ヒグラシ
46/55

四十一話 侮蔑

 

「降りてこい!!」

 隊員隊は上空にある今までで見た中で一番大きい鉄の物体を見て、怯えながらも叫んでいた。

「そう焦るなよ!あいつは時間を稼いでいるだけで、確実に下に降りてくる。そこを狙え!」

「り、了解!!」

 ブイングも一度、隊員達を冷静にさせていた。

 さぁ……どこから来る。どこから来ようと「這蛇」で食らうだけだ。そしてはやくあいつを捕らえなければ。この絶え間なく続く剣の雨を止めなければ死ぬ。

「『這蛇』、あいつが着地した瞬間を狙え」

 そしてブイング自身も剣を鞘から引き抜いた。

 しかしその冷静は保ち続ける事は出来ず、怒りに震え始めた。破宮が一向にブイング隊の元へ向かっってくる姿勢を見せなかったからだ。

 はぅ??どういう事だ?!勝ち逃げか??

 そして破宮は鉄の盾を蹴り飛ばして向かった。ブイング隊の元ではなく、増援として向かってくる二隊の内の自身に矢を放ってきた隊に。

 冷静を保とうと必死になっていたブイングもそれを見た瞬間に怒りが沸点に達した。

「逃げるなぁ!!」

 ブイングの叫び声が戦場に響き渡り、その声を聞いた破宮はブイングの方へ振り返り、その哀れな顔を見た。冷めた目で。

「哀れな奴だな。そうだ…」

 そして破宮はもう見ずに呟いた。

 な、なんだ……あの目は。俺を見下している。侮蔑している!この俺をか?あのクソがッ!!

 そしてもう一度だけ振り向いた。

 そして最悪の置き土産とも言える、三十本の剣を造り出して、ブイングの元へ飛ばした。

「『這蛇』!俺を庇え!」

「はっ?たいち…ょうううあば」

「うだばじゃふぁ!!」

「じゃふさ!!」

 そしてその後はブイング隊などには関心を示さないかのように無視を貫き、その場を離れていった。

 ブイングの周りに残ったのはただの地獄絵図。何度も見た隊員達が死に、喚き、苦しむだけの光景。

 それはお前は無能な隊長だ、と自身に告げるようなものだった。

「フザケンナぁぁぁぁぁ!」

 そしてそれは見事にブイング自身のプライドに泥を塗りたくり、忘れられない敗北とした。

 一番と言い…あいつといい!!あぁあああああ!!!

「死ねぇえぇぇぇえ!!死んでしまえ!このクソ共がぁぁあっぁあ!」

 そして再度、悲痛な叫び声が戦場に響き渡った。


 降りてこいって言われて素直に降りる馬鹿がいるかよ…お前らはそこで死んでおけ…殺しを楽しんだ快楽者達よ。

 この時破宮が殺したのは、綾波を殺した隊員達だった。

 綾波、お前の仇は一応だが取っといた。お前の事は嫌いだ。天国で自分の行動と発言を詫びていろ…

 “良いのか、もう?”

 あぁ、あそこまで崩せればもういい。剣の雨を今から止めて、後は五月雨さん達に任せる。それよりも今はブイング隊より、俺に矢を射って来た隊を削る方が、あっちを全滅させるよりも優先事項だ。あの距離…およそ一キロ離れた距離から当ててくるあたり、危険すぎる。それにあの哀れな隊長がどうにかできる状況じゃない。まぁ、一つ恐ろしいのはもう一隊の増援だ。

 “増援前に狩れるかが勝負の決め手だな。そしてお前、今から隊を削りに向かうって言ったが、今度はそう上手くいかないかもしれないぞ。奇襲という形でさっきのは失敗しているしな。”

 それを言われると…な。俺はあの矢を射ってきた奴を殺せなくても、その隊の隊員達を殺したい。

 “確かにそれは重要だが、空中戦をするには飛び道具との相性が悪い。そこに突っ込んでいくなんて動く的の訓練と同じだ。そんな事は無謀だ”

 それは再生があるから大丈夫だろ。それにさっき殺しまくった分と風に乗ってきた分で、ここにまで血は充満している。まだまだ剣は造れる!戦える!!殺せる!!!

 “やめろ。お前は水無月隊と柊隊の戦闘援護や希との戦闘なども残っているんだぞ!!ここで無駄に傷付く行為はお前の命に関わる…いい加減その甘ったれた思想は…”

 別に俺が傷付くだけだ。前に言われた際は死ねないと思ったが、何回死んでも再生できたじゃないか。ならばいくら傷付いても問題ないだろ?

 “そういう事じゃない!!”

 破宮は獄の忠告を聞かずに鉄の盾を造り、蹴り飛ばした。

 “お前なぁ……”

 すまないな、許してくれ。

 “もうこうなったら仕方無いだろ。だが能力の限界をしっかりと考えながら使えよ”

 あの時みたいにはしないよ…

「行くぞ!!」

 決意を固めるかのように破宮は叫んだ。


現状報告

柊隊 死者数 約八百六十人 備考 綾波千人将死亡

クラベス隊 死者数 約四千九百六十人 投降者 約六百人


読んで頂きありがとうございます!


今回の話では、ただコケにされるブイングと形的にですが綾波の敵討ちに成功した破宮が書かれています。

そして一番重要なことですが、これより前の話でもこれから先の話でも死ぬ際に叫ぶモブキャラの声は適当です。


感想、質問、誤字脱字などの指摘をお待ちしています!!


twitterにて、この作品の新規設定(とてもくだらないような情報からこの後の話に関わってくる情報までたくさんあります)を公開しています!

URL:twitter.com/higu_kaiを入力する。

もしくは@higu_kaiで検索して頂ければ多分出ます。

見て頂ければ幸いです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ