誕生
前に投稿していたプロローグ 誕生とは、リメイクした際に大きく話が変わっています。ご了承ください。
「こんな世界なら…創ったのが間違いだよ。もう終わりだ。今の私の限界まで出し切って壊してやる」
女は淡々と告げた。涙を流しながら
世界が壊れる理由なんて簡単よ。私が拒絶したっていうだけの単純なことなんだから。
西暦千二百十年四年に流星の異常観測が起こった。そしてそれは崩壊の前振りだった。
次の日に、世界は大きく変わってしまったからだ。
今まで起こったことのない大災害がありとあらゆる地域で起こったのだ。まるで生きている人間の命を全て刈り取るかのようにだ。
ある地域では巨大隕石が堕ち、集落一帯が衝撃と消え去った。またある地域では海が意思を持ったかのように暴れ、一つの島を飲み込み消してしまったなどの悲惨な報告が相次いだ。
そしてそれだけで終わらせてはくれなかった。
更に大災害の次の日には大きく地殻変動が起こった。これは三日三晩絶え間なく地形が動き、果てにこの世界で海によって隔てられていた南極大陸を除く五大陸は、繋がって一大陸になった。
でもそれ以降は、災害は起こらなかった。
災害が終わってから全手の国が総出で調査を行った。そしてその結果、人類の六割が大災害に巻き込まれて死に、この世界の四割以上が人々の暮らすことのできない環境にまで災害の傷跡が残ったということが判明した。
そしてそこからは唯々人間の怖さを知った。
十年間は、各国が支えあって一大陸で生きていた。しかし鉱物資源の豊富な西方面、食料が豊富な東方面で、利益関連で大きな争いになっていた。そして遂に戦争が起こった。どちらかを占領し、支配することですべての利を得ようとしたのだ。こんな戦争をしたら発展は止まり、最後には傷跡しか残らないというのにだ…
確かにこの戦争が起こる前には各々の地域で紛争は起こっていた。しかし遂に西陣営と東陣営が各々大規模な同盟を結び、分かれたのだ。
そして悲劇の始まりとなる最初の戦地……
「やはりこの本面白いな。俺が知らないことばかり載っている」
少年は、本の感想を独り言のように呟いている。
(年の感覚はよく分からないけどあの頃と流星の異常観測の年は一緒なのかな)
少年は過去を思い出していた。
「頼む…殺さないでくれ!!」
「え……?」
その言葉を聞き、少年は周りを見渡す。
そこにはただ一色、赤に染まっていた。鮮血の赤に。
「なんだ…」
「何言ってんだよ!!お前が…やったんだろ!!お前が!」
「どういうことだ…?」
「お前が俺達を殺したんだ!!それどころか死んだ奴も生きている奴も見境無しに喰いやがって!!この化物が!!!」
「嘘だ…」
(さっき俺は起こされてすぐに目の前が赤くなる感覚に襲われてもう一回目を閉じて、眠ろうとしたんだよな。そしたら…じゃあ目の前の奴が言っているように俺が本当に?)
「嫌だ!殺さないでくれ!!」
「あぁああああ!」
少年はその場から逃げ出した。
「あいつは人間じゃない!絶対にだ…あんなのが人間であっていいわけがない!!
男は一人虚空へ叫んでいた。逃げる少年からはその声が少しずつ聞こえなくなる。
「やっぱり血まみれだ!俺が殺したんだ…知らない人を罪のない人をだ…どうしよう。どうすればいいだ!しかも俺は喰った?どうなってんだよ」
少年は思考を放棄する。情報量は多いが、あまりにも不明な事が多すぎるから。
「でも分かったことは一つだ」
この中でも少年が一つだけ確信したことがあった。
「あの目の前が赤くなる感覚だけは押さえつけないといけない。これ以上誰かを傷つけないために!」
少年は無知故の誓いを立てた。しかしこの誓いはあまりの辛い誓いだった。
そしてこの誓いから行動を始めた少年を起点にして、この世界の欠落点は埋められていく。
読んでいただきありがとうございます!!
プロローグ 誕生は三月に投稿した作品でした。
二章を書き終えたときに再度読み直した際に自分でこの一章に納得できずリメイクすることに決めました。
その中でこの話は内容が完全に違います。そのため、削除し再度投稿するという選択を選びました。
前の方を読んでくださったは誠に申し訳ありません。
感想、質問、誤字脱字などの指摘をお待ちしています!!
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見て頂ければ幸いです。