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ゲーセンの輩  作者: 達磨
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第六話・ある意味魔改造

「くの!待てえい!おりゃ!」


「………」


 いるよね、3D系のゲームで遊んでると、画面上の視界につられて身体が動いちゃう人。


 すみれ姉さんが今、フライト系の3Dシューティングをプレイ中なんだけど、後ろから観察していると、なかなかに愉快な光景である。

 自機の動きに合わせて、右や左に身体を傾けたり、前屈みになったりのけ反ったり。


 ゆるゆるタンクトップにぴちぴちのショートパンツという謎でラフな組み合わせの格好で、せわしなく動いているために、いろいろと大変なことになっているのだが、そこんとこどうなんですか、すみれ姉さん。


 なかなかの質量を誇るメロンがちらちら姿を見せたり、布地がよじれて真っ白な桃が半ばまで見えてたり。

 大学の連中は、僕の住環境を羨んだり妬んだりしてくれるが、日常茶飯事でこれだと、女性に対しての印象が少し変わると思うよ?全く色気を感じないチラリズムも存在するのだ。


 さて、レポートの続き、と。





 気まずい。


 非常に気まずい。


 プリクラのロール紙が切れたらしいとのことで、呼ばれて対応しているのですが。


 その。


 お客さまがコスプレ衣装に身を包んでいらっしゃいまして。

 バニーガールにナースですか。今時、下手なAVでもそのチョイスは避けるでしょうに。


 しかも。


 男性二人で。


「罰ゲームなんだ」


「はい?」


「だから、罰ゲームなんだよ!本意じゃない、断じて!」


「はあ」


 や、別にお客さまの事情は詮索したりしませんよ?


「ついてないよ。さっさと終わらせるつもりだったのにさ、なんでエラーになんだよ」


 そんなこと言われましてもねえ?


 平日とはいえ、駅そばの立地にあるこの店で、夕方以降のプリクラコーナーとくれば。

 まあ、彼らを、くすくす笑いながら、ちらちら見て、ひそひそと何かお話しされてるお客さんが、複数組いる程度には人がいるわけで。


「っと、終わりました。これで…」


 げぶふう!?


 補給後にマシンが復旧して、無事にプリントされて出てきた。

 で、なんでこの二人キスしてんの!?


「だから罰ゲームなんだ!」


「違うからな、そっちの趣味はねえよ?」


 僕からプリントをひったくるようにして奪うと、二人はそそくさとその場を後にした。


 ひどいめにあったなあ。





 気まずい。


 非常に気まずい。


「………見ちゃった?」


「不可抗力でして、その」


「忘れてくれると嬉しいかなあー?」


「鋭意努力しますです、はい」


 おうふ。


 またしてもですよ。


 ロール紙の補給を終えて、プリントが出てくる段になって、お客さんが妙に慌ててて。

 その訳はすぐにわかった。

 さっと取り上げられて見たのは一瞬だったけど。


 なんともあられもない姿でございました。


「プレイの一環でね」


「プレイ、ですか」


「いろいろあるのよ、男と女って」


「は、はあ。そんなもんですか」


「んじゃね」


 見られたこと自体はやっぱり恥ずかしかったらしく、少しばつがわるそうに苦笑いしながら、綺麗なおねえさんは去っていった。


「………」


 ふむう。


 世の中いろいろあるんですね。





「なんで一緒に入れとくかなあ?」


「馬鹿ですよねえ?」


 こころさんと、落とし物の財布の中身を確認した時に、プリクラのプリントが幾つか出てきた。

 免許証で判明した落とし主らしき男性が、仲良く女性と写っている。

 ただ、それぞれ別々の女性とであり、落書きメッセージによれば、それぞれの女性とラブラブらしい。キスとかしてるし。


「同時に付き合ってるんだとしたら、このプリクラだけで三股してることが判明してるよねえ?」


「ですね」


『こころさん、新人さんがさっき財布拾ってましたよね?』


「あ、うん」


『落とし主らしき方がいらしてます』


「お?そうかね。そこにいてもらってよ。持ってくから。それから、手間省きたいから、幾つか情報確認しといてくれるかな?」


『了解です』


 早速届けに行こう。


 で。


「………」


「………」


「あれ?どうしたんですか?二人とも」


「また別の女性ですかね?」


「なのかなあ?」


「え?え?なんですか?」


 みことさんに事情を説明する。


「うわ、事実ならさいてー」


「もしもそうだとすると、いったい何股してるんですかねえ?」


「さあ?」


 落とし主の男性と、しなだれかかるようにして腕を組んでいる、どのプリクラにも写ってない女性は、談笑しながらプリクラコーナーへ向かったっぽい。


「またあの財布の中に追加されるのか」


「どうなんでしょ?」


「ま、あたしらには関係のない話だね。さあさあ、仕事に戻ろう!」





「………」


 新機種のプリクラを設置し終えて、テストで正常に動作しているのか確認のため、こころさんとみことさんが何枚か試し撮りしてみたらしく、事務所の奥の休憩スペースに放り出されていたそれをなんとなく見てみた。


「この目を大きくしたりとか、肌を白くしたりとか、よくわからないんですよね、僕」


「はははー。ちょっとやってみたのですが、新人くんには受けなかったようだね!」


「えー?おもしろいじゃないですか!おめめぱっちりで可愛いでしょ?」


 そうかなあ。


「お二人とも素のままで十分可愛いんですから、必要ないでしょ」


「ほえ?」


「ふあ!?」


「?」


「………」


「………」


「…何か?」


「さらっと言いおったね」


「しかも、無意識、無自覚っぽいです」


 へ?



 ちょっと短め。

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