愚痴&想い出コラム「兄さん達、やってくれるねえ」
メダルゲームコーナーは、プライズゲームコーナーと並んで、ゲーセンの売り上げを支える柱であります。
ビデオゲームが見る影もなく衰えた昨今、この二つのコーナーをいかに盛り上げて稼げるかが、各店の命題といっていいと思います。
一時期、メダルゲームの担当補佐みたいな業務を割り振られてたんですが。
実は自分、メダルゲームの面白さが全く理解できません。
運営面は面白いと思いますが、プレイヤーとしては、今でもなんの興味も湧かないんですよ。
まあ、だからこそ、担当としては視線がシビアになって、それはそれでいいんじゃない?なんて言われてましたけど。
店の客層なんかも考慮しつつ、ソフト面での設定の調整、物理的な面での調整。
貸出機の売上、店全体の回収率、預け入れメダルの契約者数、契約者の利用率、保有枚数、店のメダルの総量、などなどのデータの分析と、そのフィードバックの繰り返し。
自分は数字を見ていると頭が痛くなる畑の人間なので、完全には把握も理解も出来なくて。
なんとなく手伝ってましたが、効果が実感出来た仕事は少なかったですねー。
後、メダルゲームでひどいのが、不正。
やりやすいってのもありますが、往生際の悪い方がまあ多いこと多いこと。
よその店からメダルを持ち込んで遊んだり、逆にメダルを持ち出されたり。
これ、一応犯罪なんですが、起訴とかまでされるケースは稀なんで、平気でやっちゃう方が結構いるんですよね。声かけとかすると逆ギレする方とかいるし。
メダルの受け渡しも、基本、遠慮していただきたい。ハウスルールで大概の店がお断りしてると思います。
対応がケースバイケースになって、重箱の隅をつつく系のお客さんと揉めることもありますが、判断基準としては、法で禁じられている金銭の授受の可能性の強弱ですとか、店の利益を損なう悪質なものであるか否か、その辺りの総合的な判断で臨機応変に対処しているんですよね。
自分のしでかしたことは棚にあげて、この辺りをねちねちとつついてくる方に当たると、同僚から「頑張れ」と苦笑いのインカムが入ります。とほり。
マシントラブルも多いですし、メンテナンスも面倒くさいのなんのって。
常連さんになればなるほど、微妙な変化にも敏感ですし、マシントラブルはゲームの進行上、プレイヤーに不利益をもたらす場合もあるので、頻繁に苦情に発展してしまいます。悪質な方だと、騒ぎたてて補償をふんだくろうとしたりとかね。
そんなこんなで、メダルゲームの運営は大変なんですが、上手くやりくりすれば、リターンがでかく、がっつり稼げるわけです。
各お店ごとに、創意工夫をこらしてしのぎを削っていたわけですが。
ただでさえそんな状況なのに、どこがとは言いませんが、やってくれたわけですよ。
質の悪いダンピングを。
そして始まるダンピング競争。
体力の細い小さな店にがりがり追い打ち。
言いすぎかもしれませんが、これは結果、文化的な破壊行為になったのだと、自分は思っています。
しかも、仕掛けたのが業界の身内なんだから救いようがない。
資本力のある大規模な店ばかりが生き残って、味のある中小を食い潰す。
こんな光景、どこぞで見たような気がしませんか?
破壊から、再生が始まるのかどうか。
いまのところ、ちょいとばかり望み薄な気配だと思いますが、そんな自分の後ろ向きな考えを、是非とも裏切っていただきたい!