表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーセンの輩  作者: 達磨
13/16

愚痴&想い出コラム「兄さん達、やってくれるねえ」

 メダルゲームコーナーは、プライズゲームコーナーと並んで、ゲーセンの売り上げを支える柱であります。


 ビデオゲームが見る影もなく衰えた昨今、この二つのコーナーをいかに盛り上げて稼げるかが、各店の命題といっていいと思います。


 一時期、メダルゲームの担当補佐みたいな業務を割り振られてたんですが。


 実は自分、メダルゲームの面白さが全く理解できません。

 運営面は面白いと思いますが、プレイヤーとしては、今でもなんの興味も湧かないんですよ。


 まあ、だからこそ、担当としては視線がシビアになって、それはそれでいいんじゃない?なんて言われてましたけど。


 店の客層なんかも考慮しつつ、ソフト面での設定の調整、物理的な面での調整。

 貸出機の売上、店全体の回収率、預け入れメダルの契約者数、契約者の利用率、保有枚数、店のメダルの総量、などなどのデータの分析と、そのフィードバックの繰り返し。


 自分は数字を見ていると頭が痛くなる畑の人間なので、完全には把握も理解も出来なくて。

 なんとなく手伝ってましたが、効果が実感出来た仕事は少なかったですねー。


 後、メダルゲームでひどいのが、不正。


 やりやすいってのもありますが、往生際の悪い方がまあ多いこと多いこと。


 よその店からメダルを持ち込んで遊んだり、逆にメダルを持ち出されたり。

 これ、一応犯罪なんですが、起訴とかまでされるケースは稀なんで、平気でやっちゃう方が結構いるんですよね。声かけとかすると逆ギレする方とかいるし。


 メダルの受け渡しも、基本、遠慮していただきたい。ハウスルールで大概の店がお断りしてると思います。

 対応がケースバイケースになって、重箱の隅をつつく系のお客さんと揉めることもありますが、判断基準としては、法で禁じられている金銭の授受の可能性の強弱ですとか、店の利益を損なう悪質なものであるか否か、その辺りの総合的な判断で臨機応変に対処しているんですよね。

 自分のしでかしたことは棚にあげて、この辺りをねちねちとつついてくる方に当たると、同僚から「頑張れ」と苦笑いのインカムが入ります。とほり。


 マシントラブルも多いですし、メンテナンスも面倒くさいのなんのって。

 常連さんになればなるほど、微妙な変化にも敏感ですし、マシントラブルはゲームの進行上、プレイヤーに不利益をもたらす場合もあるので、頻繁に苦情に発展してしまいます。悪質な方だと、騒ぎたてて補償をふんだくろうとしたりとかね。


 そんなこんなで、メダルゲームの運営は大変なんですが、上手くやりくりすれば、リターンがでかく、がっつり稼げるわけです。


 各お店ごとに、創意工夫をこらしてしのぎを削っていたわけですが。

 

 ただでさえそんな状況なのに、どこがとは言いませんが、やってくれたわけですよ。


 質の悪いダンピングを。

 そして始まるダンピング競争。


 体力の細い小さな店にがりがり追い打ち。


 言いすぎかもしれませんが、これは結果、文化的な破壊行為になったのだと、自分は思っています。

 しかも、仕掛けたのが業界の身内なんだから救いようがない。


 資本力のある大規模な店ばかりが生き残って、味のある中小を食い潰す。

 こんな光景、どこぞで見たような気がしませんか?


 破壊から、再生が始まるのかどうか。

 いまのところ、ちょいとばかり望み薄な気配だと思いますが、そんな自分の後ろ向きな考えを、是非とも裏切っていただきたい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ