表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イロトリドリの世界  作者: 環音
黒の世界
4/4

黒-3 眩しいモノ

異質の空間に立つ2人の少年

年は、自分と同じくらいだろうか。少し下か。


「フェル」


金の少しくせのある髪に

銀・・・プラチナのようにやたらキラキラとした瞳、装いを持つ少年はフェルと呼ばれていた。


「わかってるだろ。戻ろう。」


もう一人も銀の髪に紫・・・アメジストの瞳がキラキラと輝く少年。

名はわからなかった。彼はどうやらこの場からはやくいなくなりたいらしい。


「フェル!」

「わかったよ」


まって。


そう口から声がでそうになった時

2人の姿は消えていた。


「ま・・・って・・・」


声は掠れて喉からうまくでなかった。


そういえばここ1年ほどほとんど声を出してこなかったから?


「まっ・・・て・・・フェ・・・・ル」


フェルという音を発音すると、

胸が締め付けられるように痛かった。


それと同時に目からこぼれ落ちるものを感じた。


手で触ってみて、それが涙というものだと半信半疑になる。


私が泣いてる?


なんで?


「フェル・・・・?」


今度はちゃんと繋げることができた少年の名前。


消える間際に見えた、心底嬉しそうな笑顔。

あんなに眩しいもの、私は知らない。


「フェル」


静寂な森に、自分の少し枯れた音だけが何度も響いていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ