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黒-2 キラキラひかる生き物
キラキラ光るもの
それに出会ったのは、祖母が死んでから約1年後。
たんたんと毎日を過ごす中で、
少しずつ、外を探索することを覚えていた。
ただ、探索といっても、森の外に出ようなんて考えたこともなかった。
本の世界を想像しながら歩く。
それだけで胸が踊った。
コツン。
それは突然だった。
前には他と同じように森が続いているはずの場所に
透明の壁としか思えないものがあった。
それも、その壁は、調べるとぐるっと円形になっていた。
何かある。
それは、単純な興味だった。
「観たい・・・」
そう呟いた時、視界が晴れていた。
そして、そこに現れたのが、
キラキラ光るもの。
自分の不気味に光る黒い瞳ではなくて、
きれいというものはこういうものだと
対象がない自分の心すら動かすような生き物。