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6)第五話 朱 / AKE


   夜 部屋にデンキをつける

   カチッ 明るくならない

   二度 三度 スイッチを押す 

   カチッ カチッ

   冷たい音がするだけ……


   ああ デンキュウが切れたのか

   デンキュウを付け替える

   部屋は明るくならない

   暗闇に立ち尽くし 初めて気が付く

   想定外のことが起きたのだと


   【灯り】は なぜ消えたのか? 

   消える サラジダ ——



 ナオは、セナが手に入れた名刺のデータを元に電話取材をしていた。


 相手は神戸で自殺をしたアサミの夫だ。大学院でジャーナリズムを研究している院生で気になる事件・事故を調べている、少しの時間ご協力を頂けませんか? そんなナオの求めに十分程度のコトならと応じてくれた。夫は兵庫県内の大学で『材料工学』を教授する研究者だった。


 まずは自殺の状況を確認する。


 それはこれまで知った情報と相違はなかった。公園脇の道路に目貼りを(ほどこ)した軽自動車を停め、車内で練炭を燃焼させていた。死因は一酸化炭素中毒。検視の段階ではその所見が鮮明ではなかったため司法解剖も行われたという。神戸市は監察医制度が機能している数少ない自治体の一つだと夫は教えてくれた。


「…… 結果、一酸化炭素による中毒死で間違いなかったんですね? 」


 ナオの確認に夫はそうですと力なく答えた。ちなみに解剖の結果ですけど他に何か聞いたことはありませんでしたか?ナオは質問を重ねた。


「他に聞いたこと、ですか」


 少し考えるように夫はつぶやいた。


「ちょっと気になることを言われたとか」


「ああ。フルニトラゼパムが検出されたと言われましたね」


「それは? 」


「不眠症治療薬。平たく言うとかなり強い睡眠薬ですね」


 ナオは元上司タエについてセナから聞いたことを思い出した。同じようにタエも自殺時に特別な睡眠薬を服用していた。質問を続ける。


「そうなると処方箋が必要になると思いますけど。奥様は不眠症で通院されていたんですか? 」


「いいえ。横になったら一分、二分で寝息を立てていました」 


「では病院以外のどこかで入手した? 」


「恐らくそうでしょう。まぁその気になれば何らかの方法で入手は可能なので」


 赤いブレスレッドについても聞いた。夫は状況が状況だったのでよく覚えていないが確かに遺体確認の時、手首に『赤い(ひも)のようなもの』を巻いていた記憶があると語った。でも妻はよくアクセサリーを身につけていたので、特段 不思議には思わなかったと付け加えた。


 ナオは単刀直入に聞いた。


「奥様が自殺をした理由に何か思い当たることはありますか? 」


「ありません。無いんですよ、本当に」


 ()を置かず夫は答えた。その言葉に嘘はないとナオは感じた。

 妻が自殺した次の日に、高校の同級生の男性が同じように自殺をしたことを知っているかも尋ねた。すると夫は意外なことを言った。


「それ、次の日じゃなくて同じ日です」


「え、そうなんですか? 」


「どういう理由か知りませんけど。後から修正されたんです。ま、どう考えても偶然の線が濃いとは思いますけど。その同級生の男性は横浜在住で今は接点なんてどこにもありませんから」


 そう言うと夫はその事には興味が無いように、そろそろ良いですか?と言った。では最後にしますと、ナオはもう一つだけと断って質問をした。 


「自殺する前の奥様ですけど。何か変わったことはありませんでしたか?」


「変わったこと。まぁ、あると言えばありましたね」


「あった? 」


「ちょうど一年前になると思いますけど。突然、『料理教室』に通いたいと言い出して」


「『料理教室』」


「妻は普通に料理の出来る人で。時にこちらが名前を知らない料理まで作ってましたから。なんで今さら料理を習いたいなんて言い出すんだろう?と思ったんです」


「なるほどちょっと不思議ですね」


「場所も東京なんですよ。地元の神戸にも、大阪にも、いくつも『料理教室』なんてあるのに、わざわざ新幹線で通うって変だなぁと思って。何よりそこで習ったもんが食卓に出るのかと思っていたら、それらしきモノは出て来なくて。いつもと変わらない料理がその後もテーブルには並んでましたよ」


 夫の話を聞きながらナオは、アサミと夫の夫婦関係は冷めたものだったのか? 自殺した自分の妻を夫が語っているのに、どこか他人事(ひとごと)のようで距離があると感じていた。


 アサミが通っていた『料理教室』の名前と場所を控えてナオは電話を切った。それは東京・浜松町にある『エスピー・クッキングスクール』だという。エスピーとは何かを略したもの? 英語圏で育ったナオは疑問に思った。


        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 梅雨明けを思わせる晴天だった。


 タエの夫がリハビリで通院している医療機関の食堂兼カフェで、久しぶりに三人で会った。ここまでの調査の中間報告をするのが目的だった。


 横浜の高校で同じクラスだった男女が、同じ日に同じ状況で、横浜と神戸で自殺していた。自殺の理由が不明な上に、元上司タエのケースと類似点が多い。ナオの取材メモも(あわ)せて一つにまとめたレジュメを見せながらセナが説明をした。


 刑事の夫が気になったのは、やはり周囲がまったく自殺の理由を思いつかないことと『赤いブレスレッド』をしていたことだった。


 中でも『赤いブレスレッド』は、全員、(ひも)状のモノだったとの証言がある。東京、横浜、神戸とバラバラの場所だったのに、同じ形状のモノをしていたというのは単なる偶然とは思えない。 

 ただ、一つとして『現物』が残っていない上に写真すら無い。あるのは人の記憶だけとなると果たして同一のモノだったのか確かめるのは不可能に近い、そう語ると刑事の夫は(あきら)めたように窓の外を見た。 


 ガラスの向こうには建物を取り囲むように造られた植栽が見える。昨日まで降り続いていた雨をたっぷり吸って緑が生き生きとしている。時折 盛雲の切れ間から差し込む七月の太陽が、葉々の上でよく磨かれた金属のようにギラギラと照り返していた。  


「ブレスレッドについて、一応 調べてみたんですけど」


 ナオが()を置いた(あと) 口を開いた。夫とセナは同時にナオを見た。


「アニメとかドラマとか、何かをきっかけに自死の場面で身につける人が増えているとか、純粋にファッションとして流行しているとか、そうした事実は見当たりませんでした」


「そうですか」


 夫は(うなず)いた。


「となると、あとは…… 神戸で自殺した女性が『料理教室』に通い始めた件だけど」


「それもちょっと引っかかりますね」


 ナオは同調した。


「ちなみに。私の妻も亡くなる直前まで『料理教室』に通ってました」


 想定外の発言に、セナとナオは驚いて同時にえっと声を出した。タエが『料理教室』へ通うイメージが二人にはなかった。


「ただ妻の場合、何年か前に主宰(しゅさい)の友人に誘われて入会してるんです。なのでこちらは偶然の一致である可能性が高いんですけどね」


 そう言った夫にナオが聞いた。


「『料理教室』の名前って分かりますか?」


「うーん、何だったかなぁ…… 」


「ちなみに場所は? 」


 セナの質問にも夫は首を(かし)げながら、都内は都内なんだけどそう言いながら困った表情を浮かべた。 

 妻の通っていた『料理教室』の場所も名前もハッキリ覚えていない。世間の夫婦とはそんなものなのか? 自分の両親を思い浮かべ想像してみた。なるほど、どこも案外そんなものなのかもとセナはすぐに納得した。


「自宅に戻ったら確認して報告します」


 夫の言葉を受けてナオがちなみにと言った。


「神戸で自殺した女性、アサミさんが『料理教室』に通っていたのは事実か? そう言いながらも実は別な場所に隠れて行っていた、そんな可能性はないか? 試しに裏を取ってみました」


 ナオの言葉にセナは思わずスゴとつぶやいた。するとナオは持っていたタブレットを操作して、一枚の写真を表示してテーブルに置いた。


「実はご主人を電話取材した際に、妻 アサミさんのInstagramのアカウントを聞いてあって『料理教室』に関する投稿がないかを調べたんです」


 で、結果は?と興味を持ったようにタエの夫はケガした肩を(かば)うようにカラダを起こして質問した。


「ありました」


 ナオはテーブルに置いたタブレットを夫に手渡した。


「これが、その見つけた投稿」


 夫はそういうとタブレットに表示された写真をじっくり眺めた。そして回覧するようにセナへと手渡した。その様子を見ながらナオが説明した。


「【#SP料理教室の仲間】とのキャプションがあるので、料理教室に通っていたことは間違いないと思います」


 ペアの男女が二組(ふたくみ)写っている。ひと組が神戸で自殺したアサミと中年男性。もうひと組が夫婦にも見える高齢の男女だった。確かにキャプションの説明からして恐らく全員が『料理教室』の生徒だろう。


 セナはある事に気が付いた。


 写真が鮮明でセナの『共感覚』が働く。アサミと隣の男性は鮮やかなグリーン、高齢のペアはエンジ色、ともにペア同士で【同じ色】をしていた。コレは相当に珍しい。さすがに同じ【色】をした男女を二組(ふたくみ)同時に見たのは初めてだった。


 そして一つのギモンが浮かぶ。


 十年数前 山下公園で撮られた写真でもアサミは、【同じ色】の男性、同級生のキタハラと映っていた。この写真でも【同じ色】の男性と写っている。奇跡とも言える偶然の出会いがアサミには二度もあったということなのか? セナは集中してもう一度写真を見つめた。


「えっ? 」


 突然『もう一つの事実』に気づいて声が漏れ出た。


 神戸の女性アサミと一緒に映る、白いボタンダウンを着た三十代後半から四十前半と見える【同じ色】の中年男性。それは(まさ)に【横浜で自殺したキタハラ】その人だった。 


「どうしたの? 」


 固まって動かないセナにナオが声を掛けた。


「さっき、コレまでの調査結果を報告したときのレジュメをもう一度見て欲しいんですけど。最後のページです」


 セナがタエの夫に向けてそう言うと、夫は片手でぎこちなくレジュメのページをめくった。同窓会があった時に山下公園の噴水前で撮影されたキタハラとアサミ、二人の写真が資料として添付してある。ナオが先に気づいた。


「この、『料理教室の仲間』ってキャプションが付いた写真の中年男性。横浜で自殺したキタハラさんじゃないですか? 十年以上のタイムラグがあるから体型も髪型もまったく変わっているけど」


「うん、そうですね。『顎のホクロ』が同じ場所にある」


 夫も大きく肯首して応えた。セナを見ながらナオが言った。 


「てことは。神戸と横浜、別々の場所で同じように自殺した男女が同じ東京の『料理教室』に通っていたってことになるよね。二人の関係は続いていたってことかぁ」


「きっとそうだと思う」 


 セナは同意した。【同じ色】の男女の強い結び付きを思えば決して不思議な話ではない。キタハラとアサミは恋愛関係を解消して別々な相手と結婚した後も、ある種の関係を継続していたのだ。


「そうなると、です。私の妻がどこの『料理教室』に通っていたのか?重要なポイントになりますね」


 タエの夫の発言にセナとナオはそうですねと同じ言葉を口にした。


        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 数日後。タエの夫からグループLINEへ写真が送られてきた。それは生前にタエが通っていた『料理教室』の会員証の裏表を撮影したものだった。返却の必要があると夫がウソの説明をして、娘のアオイが保管していた遺品ボックスの中から探し出したものだという。


 プラスチック製と見える会員証には、白地に朱色で三本足の八咫烏(やたがらす)がマークとして描かれてある。その横には、『 S P(エスピー) Cooking(クッキング) Schoolスクール』とあった。ひょっとして、そんな予感はしていたが本当に同じ『料理教室』に三人は通っていたのだ。 

 よく似た状況とはいえ、これまでバラバラに存在していた東京・横浜・神戸の、理由の判らない自殺。三つが『料理教室』で一つに繋がったことになる。


 となれば、『料理教室』と三人の自殺にはナニか関係があるのか?


 翌日、早速ナオは得意としているネット上の情報を集める作業を始めた。ところが想定外のコトが起きた。『エスピー・クッキングスクール』の情報が一切出てこない。何よりも公式のウェブサイトすら存在していないのだ。しかしタエは会員証を持ち、実際に通っていたことは間違いない。少なくとも存在していたことは確かだ。


 考えられることとしては『料理教室』がすでにもう無いか、あるいはネット上の情報を丁寧に一つ、一つ、意図的に消しているかだ。ちなみにタエは個人でTwitterもInstagramもやっていなかったのでSNSでの裏取りは出来ない。


 ナオとセナはLINEでやり取りをした。


 『料理教室』を隠れ(みの)にしたナニかをナオは疑った。例えば、アメリカでは幾度となく起きている宗教団体による集団自殺の可能性だという。自殺願望のある人たちを『料理教室』に集めていた可能性も無いとは言えないと語った。


 否定は出来ないものの、果たして元上司タエが怪しげな宗教に興味など持つだろうか? しかもその影響で自ら命を絶ったりするか? 自殺願望にしてもタエが持っていたとはちょっと想像し(がた)い。しかし やにわに違うと決め込むのも早急だ。いずれにしてもまずは直接アクセスを試みよう、二人の意見はそれで一致した。


 セナが知らないふりをして『料理教室』へ連絡してみることになった。 


 会員証に書いてあった番号に電話を掛けるとすぐに繋がって、相手は『エスピー・クッキングスクール』ですと名乗った。今でも実在していることは確かだ。


「あの、そちらに入会したくて電話をしたんですが」


「ありがとうございます。こちらの事は何で知りましたか? 」


「え? あの、知り合いです。知人から聞いて」


 セナは突然の質問にどきまぎしながら答えた。


「そうですか。その(かた)は当料理教室の会員様でいらっしゃいますか? 」


「はい。あ、でもちょっと前の話で。今はもう」


「会員ではない? 」


「ええ」


「ああ、そうなんですね。ですと、新たに現役の会員様の推薦が必要になります」


「推薦? そうなんですか? 」


「詳しくお聞きになられてはいないですか? 」


「ええ」


 女性の事務員と思われる電話の相手は、『料理教室』に入会するためには二つの条件があると言った。


 条件の一つは、今聞いたように【現役会員の推薦があること】。もう一つが【必ずペア、二人一組で入会すること】だった。入るのに条件のある料理教室……  それを耳にしたセナはますます奇妙だと思った。


「なので。今、申し上げた二つの条件をクリアした段階で、再びご連絡を頂けますでしょうか? その時に詳しい入会の手続きについてはお伝え致しますので」


「あ、なるほど…… ああ、そう、ですね。分かりました」


 電話の応対をしている女性、口調は柔らかく丁寧だがどこかよそ者には気を許さない壁のようなものをセナは感じた。電話の女性がセナへちなみにと話しかけた。


「はい」


「良く同様のお問い合わせを頂くので申し上げておきますが。当教室で会員様をご紹介する事は一切しておりませんので。その点はどうかあらかじめご了承下さい」


「あ、そうなんですね」


 まさに今、それをお願い出来ないのか?セナは聞こうと思ったところだった。機先(きせん)を制されたカタチとなって仕方なく、最後にどこの会社が経営しているのか?を質問した。実態を知る糸口となるかも知れない。


「経営というよりは運営で、個人なので法人ではありません」


 電話の女性は冷たく答えた。


「個人? 」


主宰(しゅさい)者はタキ・ケンイチという男性です」


「タキ、さん」


「それ以上のことを一般の方には公開しておりませんので、申し訳ないんですが」


        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 夜、この一連の流れをビデオ通話でセナはナオに報告した。  


 ネット上にホームページすら公開してない上に入会には条件がある。それだけでも十分に怪しい。その上ちょっと調べた限り、主宰(しゅさい)者のタキ・ケンイチについても情報がほとんど出てこない。つまりこの『料理教室』には何かある、その見方で二人の意見は(そろ)った。


 現在のところ三人の自殺との関わりは不明だが、さらに詳しく調べてみる価値はある。『専門家』に依頼して情報を探ってもらう方法もあるが、それよりは実際に『エスピー・クッキングスクール』に入会するのが手っ取り早く確実だ。しかし問題があった。第一に【現役会員の推薦があること】、この条件をどうやってクリアするかだ。


 セナには、その方法が皆目(かいもく)見当がつかない。どうやって推薦をしてくれる会員を見つければいいのか? この『料理教室』のことを投稿している人をSNSなどから何とか探し出して、そこからDMか何かで連絡を取るしか無いのではないか?


 セナの意見にナオが笑いながら返した。


「何もなければ、そのやり方もアリかも知れないけど。でも大変だよ、それって」


「ま、そうだけど」


「想像以上に大変」


 ナオの言葉にセナは少しだけ語気を強めた。


「大変でも、やるしかないでしょ」


「他に何もなければね」


「え? 他に何かある? 」


「あるよ、一つだけ」


「なに? 」


「セナ、あんた持ってるじゃん」


「どう言うこと? 」


「特技があるでしょ」


「特技って…… 」


「【色】が見える、それを使うんだよ」


 ナオは『共感覚』のことを告白した数少ない人間の一人だった。セナは『特技』ではないと思った。脳が持つただのクセだ。現に訓練をして身に付くものではない。しかしそのコトを言えば話がややこしくなる。それよりもどうやって『共感覚』を推薦者探しに使うというのか?


「どういうこと? 」


 この後ナオが説明した提案は、セナにとってはちょっとムリそう思えるような無茶な方法だった。

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