第46話:ブリジットの現実
「……王都でも、ここまでたくさんの星は見えないだろうね」
「仰るとおりでございます。最近は夜でも明るいですから」
ブリジットはネオンの隣で相槌を打ちながら、美しい空を眺める。
今は流星群の時期。
藍色の夜空には銀色の星々が煌めき、見る者を惹きつけて離さない。
ランプの明かりを少し落としただけで、満天の星が空一面に広がった。
デビルピアの襲撃からしばらくして、領地は元通り……いや、それ以上に発展した。
畑は以前より大きく作物も多数育ち、土壌だって一段と豊かになっている。
(いくら荒らされても不死鳥のように蘇り、前よりもっと発展する……)
ブリジットは飛び地に対し、いつしかそんな印象を持っていた。
徐々に流れ星が落ち始め、領地から歓声が沸く。
二人も自然の芸術を楽しんでいたが、しばらくしてハッと気づいた。
「……そうだ! お願い事をしないと!」
「そうでした!」
慌てて手を合わせ、天に祈る。
祈りを捧げた後、目を開けるとネオンが静かに空を見ていた。
「ネオン様はどんなお願い事をされたのですか?」
「領地と領民の幸せを願ったよ。みんなが毎日楽しく暮らせるように、領地が今以上に発展するようにね。そして……」
「そして……?」
問い返すと、ネオンは穏やかな微笑みを彼女に向け、そっと手を握った。
「ブリジットといつまでも一緒にいられるように……そう願ったんだ」
優しい言葉が、心に温かく染み入るのを感じる。
胸だけでなく、じわじわと全身が熱くなった。
確かな充足感を覚えながら、そっと手を握り返す。
「私も……ネオン様のお側にずっといたく存じます。いつまでもずっとずっと……」
彼女は今日も、幸せな現実に感謝する。
満天の煌めく星々が、重なる二人の姿を優しく包み込んでいた。
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