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幽霊の日常  作者: 辻 幽
3/3

海外での結婚式の話

20240624

今日は母に、


「最近ハワイで結婚式あげたいねんな~」


と言ってみた。

ここから、また結婚式には来てくれるかどうかの話に入ろうと思ったのだ。



以前にした結婚式の話から1週間ちょっと経った今日。

そんな風に言ってみた。



「海外で結婚式は良いよ~!来たい人は来てで呼べるから!」

「でも海外でそんな呼び方したら、自腹で友達はこやんと思う。」

「友達は来ないかもやけど、身内は来るんじゃ無い?ほら、おねえちゃんの夫婦とか来そうじゃない?」



この流れまできたら、私は今日もまた言える。

ママは来てくれる?という言葉を。



ちなみに、姉夫婦は結婚式を半年前に行っている。

両家の身内だけの結婚式だ。



もちろん母は出席している。



私はまた、性懲りもなくきいてみた。



「ままは来る?」


「幽の結婚式なんて行かんよ。」


「海外でも来ないの?」


「いかん。」



あぁ、やっぱり母は来てくれない。


私は本当に母に何をしたのだろう。



わからない。

教えてくれない。

聞いても答えてくれない。



品位って何?



人生が辛くなる。



私は、本当に知らず知らずの内に母を傷つけているのだろう。



つらい。母も辛いのか。



私に品位があると感じられる理由は何か?

自分磨きのせいか?



私は自分磨きをしている方だと思うが、

そもそも私が自分を磨かなければいけないと思っているのは、私の見た目が誰よりも劣っているからだ。



姉はかわいくて、私は賢い。

姉より幽の方が賢いけど、幽は可愛くない。



そう育った私は、自分を必死にみがいた。



そのせいで、周りを下にみるようになったのか?



下に見ているつもりは無いが、自覚していないのが問題なのであろう。



結婚式への憧れはあったが、そもそも私を自慢したかった結婚式だったのかもしれない。

当然私はどんだけ磨いてもスタートラインにも立てない醜女であるが。



磨いただけで、自身があったのかもしれない。

でも気がついた。



母が出席しなくて悲しいのは、きっと自慢をしたかったのかもしれない。



「わたし」の母を。



そういうつもりは無かったが、私はきっと、

母を自慢したいと思いながらも、母のような母を持つ「わたし」を自慢したかったのだ。



なるほど。



自分の気持ちに気づけば、簡単なものかもしれない。




結婚式をしなければ良いのだ。







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