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魔王姉弟プラス。

 しかも、うちの魔王はくぅだけではない。


 くぅの弟猫に当たるチャビは普段はおっとりした、〈回復〉スキル持ちの茶トラのふかふかした癒やし系にゃんこなのだが……。


 〈雷魔法〉、〈精霊の加護〉、それと〈殺気〉のスキルを持っている。

 私やくぅに危険が及ぶと、まぁブチギレる。

 〈殺気〉スキルからお察しだろうが、確実にヤル気である。


 おまけに〈回復〉スキルというのが喉をごろごろ鳴らして発動するのだが、これを聞くと私やうちの猫達のように耐性があるものはともかく、ほかの人はぐっすりと眠り込んでしまう。

 寝てしまうと言うことは、当然無抵抗なワケで……。


 正直な話、魔王姉弟だけで世界を十回以上滅ぼす事が可能なのだ。


 おまけに、福助という隠れ魔王がいる。


 走り方が不細工でちょっぴりお腹が出ているが、顔が良いのと素直な性格が取り柄で〈風魔法〉のスキルを持っている黒猫だ。


 常に全力な福助は加減など一切出来ず、くぅ達と同じように〈精霊の加護〉を受け、おまけに福助を気に入った風の精霊と契約を結んでしまった。

 〈風魔法〉しか使えないのに、一切悪気なしに国一つ吹き飛ばせるだけの力があるのだ。


 細かい事は気にならない無神経……、図太……、いや、おおらかな性格のおかげで、〈精神耐性〉のスキルがあるわけでもないのに、状態異常系も効果がない。


 まぁ、素直な性格なので、私が本気で止めれば引いてくれるので魔王姉弟に比べればマシなのだが。


 あとはお転婆な末っ子のおこんだが。


 顔の半分が白黒に分かれた小柄な猫で、スキルは〈創成魔法(無制限)〉と〈引っかき(麻痺100%)〉くらいなものなので、比較的害がない。


 無制限といっても、本人(本猫)が気に入っている物しか出してくれないので、ほとんどがキャットタワー(ただし巨大)やマタタビなどの猫製品だ。


 とはいえ、どの猫もドラゴン一頭など朝飯前に狩ってくる。

 うっかり、国一つ滅ぼしかねない。


「そうか、魔王かぁ……」


 私はため息をついた。


 勇者とやらがどんなのかは分からないが、対魔王のスキルを持っていたとしても、相手はあくまでも猫なのだ。

 おまけに、うちの猫達は敵対するものに対して容赦はしない。


 自分達が選ばれた国だと思い込み、勇者を差し向けて魔王を滅しようとしている。


 んー? つまり、うちの猫達に積極的に危害を加えようとしているということだな?


 ……………………。


 ……国ごとヤッちまうか。




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