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選ばれし国?

 さすがに王城の中までは調べなかったが、私が国内の様子を見て感じた事をギルドには報告した。

 〈気配察知〉のスキルを持つせりが特に反応しなかった事も含めて。


「はい、こちらの方にも報告があがってきています」


 女神様がこくりと頷いた。


 ギルドへの報告が、どうやったら神様達にまで伝わるんだ?

 まぁ、いいけどさ。


「それを元に、幾つかの国や街が交流を申し出たのですが……」


 そこで、女神様は「はぁ」と大きなため息をついた。


 ああ、やっぱり難航しているのか。

 警戒心Maxって感じだったし、価値観も違いそうだったしな。

 多分、商業都市ターコイズとか、あのあたりが最初に動いているだろうし。


 だが、女神様の話してくれた事は予想と違っていた。


 ジルコニア王国は、交流を申し出た国や街に対して「恭順の意を示せ」と返してきたのだそうだ。


 つまり、ジルコニア王国の下につけと言ってきたわけか。

 いやいや、ありえないだろ。


 私が見た限り、文化レベルも軍事力もこの世界より劣っていた。

 ターコイズは国じゃないから騎士団はいないが、大陸一とも言われる冒険者ギルドがある。

 所属している冒険者だけでも、ジルコニア王国を落とす事は可能なはずだ。


 だが、ジルコニア王国は強気な姿勢を崩さなかった。

 その理由が。


「我々は神に選ばれし国だから、だそうです……」


「…………」


 ちょっと何を言っているか分からないのですが?


「えーと、誰か選んだの? ジルコニア王国を」


「確認中ですが、今のところ誰も心当たりがないそうです」


 ……だろうな。


 私と女神様が言っている「誰か」とは、この世界にいる神様達の事だ。

 この世界の国や街には、それぞれ守護してくれる神様がいる。


 神聖王国クリスタルには、女神様こと幸運の女神。

 農業王国オパールには農耕神様。

 港町のほとんどは海神様の守護下にある。


 わざわざ、ほかの世界から国なんか呼ぶとは思えない。


「そもそも国一つまるごと呼びつける力はありません」


 私の転生や、猫達が一緒にこちらの世界にきた事には猫神が関わっているのだが、猫神は元々いろいろな世界を気まぐれに渡り歩く神様だしな。


 ほかの神様達は、物や植物はともかく意志のある生物を転移させるのは難しいのだそうだ。


「なんで、そんなふうに思っちゃったかなぁ……」


 どういう思考回路をしているんだか。


「それがですね」


 女神様は困ったように、首を傾げてみせた。


「勇者を召喚することに成功したのが、理由の一つらしいのです」


 …………はぁ⁉







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