表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/50

フラグじゃないぞ!

 うん、いったん落ち着こう。


 物陰に隠れて、無限収納から以前作ったラカックの肉のサンドイッチと、甘酸っぱいルッコという木の実で作ったジュースを取り出す。


 しんどい時は食べて寝るに限る。

 今は寝てる場合ではないから、とりあえず食べてだけはおこう。


 食べているうちに、少しだけ冷静になってきた。

 やはり疲れていたらしい。

 まぁ、一晩中戦っていたら疲れもするよな。

 魔王とも戦ったわけだし。


 …………そう、魔王だ。

 チャビのバラバラ殺虫事件から考えるに。

 猫って執念深いんだよな。

 前の日に虫を見かけた所で、次の日も待っていたりするし。


 だとすると。


「くぅは、あそこだろうなぁ……」


 はぁ、とため息をつき、私は立ち上がった。

 そのまま王城へと向かう。





「……吐きそう」


 城の中は酷いものだった。

 生存者の多い下町の方が優先されているため、こちらは放置されたままだ。


 そんな中を進んで、私が辿り着いたのは城の大広間だった。

 化け物達が湧いて出てきていた魔法陣。

 それがあった辺りに、大きな黒猫がどっしりと座っていた。


「くぅさんや……」


 やっぱり、ここだったか。

 いや、待っていてももう魔王出てこないからな!?


 猫は執念深いが、その中でも特にくぅはしつこいのだ。

 この世界に来たばかりの頃に嫌な目にあったせいで、今でも鎖や檻を目にすると問答無用でブチギレるくらいに根に持っている。


 魔王と勝負をつけたかったのか暴れたりなかったのか、くぅは魔法陣から魔王が出てくるかも、と、ここに戻ってきて待っていたのだ。


「いや、もう出てこないって……」


 思わず呟くと、くぅは私の方へ耳だけを向けて座り直した。


 無視か! 私が探しに来たのを分かっていて無視する気なんだな!?


「くぅ、帰るよ! 虫さん出ないから!」


 あ? 虫さんじゃなくて魔王か?

 まぁ、どっちでもいいか。


 くぅはじっと魔法陣のあった辺りを見つめている。


 ……まさかとは思うが、呼び出そうとかしてないよな?


 召喚魔法には尋常じゃない魔力が必要らしいが、うちの猫達なら余裕で賄える。

 くぅは召喚魔法は使えないはずだが……。


 うちの猫達、もはや自力でスキルをゲットしたりするからな。

 そもそも猫がどうやって魔法を使っているのか、さっぱり分からないし。


「…………」


 くぅ、やめろよ? やめて下さい、ホントに。


 フラグじゃないからな!?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
くぅさんはリスポーン待ちでしたか。狩りを楽しみ足りなかったのですね。他に玩具を与えてあげればそちらに行くかもしれませんが、どうでしょうね。飽きるまで遊ばないと満足しない子でしょうか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ