捜索。
いや、うん、分かってましたよ?
サナとナルシは、火の神様への報告があるから、と帰って行った。
二人はその立場から、冒険者でもありながら火の神様の代理を務める事もある。
今回は、後者としての参戦だったようだ。
そして、私は。
「あいつら、どこ行ったー!?」
行方知れずの猫達を探し、さまよい歩いていた。
現在いるのは、真っ先に合流したりゅうたろうとコハク。
ナルシと一緒にいたおこん。
おそらく〈気配察知〉のスキルを使って、自ら私の元に帰ってきたせり。
さすがに疲れたのか、全員キャットハウスで休んでいる。
とりあえず探しやすいのから探そうと、炊き出しが出ている辺りを片っ端から当たっているのだが。
……いない。
よつばなら食べ物がある辺りをうろついているだろうと思ったのだが。
疲れて、どこかで眠っているのか?
せりの〈気配察知〉なら一発で見つかるだろうけど、くたくたに疲れて眠り込んでいるので、しばらくは無理そうだ。
「つかさ!」
いくつか炊き出しを回っていると、レオが声をかけてきた。
「レオ、ここにいたの?」
「はい。マリアとベルは炊き出しの手伝い。俺はこの辺りの警備をしていました」
「そっか」
この子達も疲れているだろうに。
「あの、あと多分キングだと思うんですけど」
「え? キングいるの?」
レオがうーん、と首を傾げる。
「多分、いるんですけど……」
先程から、レオが何を言いたいのかよく分からない。
見てもらった方が早いから、とレオが連れて行ってくれたのは崩れた家の前だった。
「白黒の大きな猫が床下に潜り込んでいて、キングだと思って声をかけたけど出てきてくれないんです」
どれどれ、と床下を覗き込むときらっと光る猫の目が……四つ!?
キング以外もいるのか?
白っぽい……、ということはよつばか。
「キング、よつば。おいで、探してたんだよ」
私の声を聞いた瞬間、キングが床下から飛び出してきた。
鳴きもせず、私の膝に顔を埋める。
よつばも、いつものようにふさふさのしっぽをぴんと立てる事もせず、黙って私の横にぴったりとくっついている。
「はい、はい。怖かったね。頑張った、えらい、えらい」
そう言いながら、私はキングとよつばの頭を撫でてやった。
「怖い……?」
レオが不思議そうに首を傾げている。
まぁ、無理もない。
化け物達相手に戦った姿を見ているからな。
だが、それとこれは別だ。
探したけど私が見つからなくて、はぐれたと思ったのだろう。
人も多いし、疲れているしで多分弱気にもなっていた。
心細くなって床下に隠れているのを見つけて、あとから来た方も一緒に潜り込んだのだと思う。
「疲れたね。キャットハウスでゆっくりしようね」
よつば達をキャットハウスに入れて休ませる。
まぁ、でも、見つけたのがレオでよかった。
全然知らない人から声をかけられていたら、床下から飛び出して逃げていたはずだ。
さて、あとは。
……ん? もしかして、まだ見つかっていないのは。
くぅ、チャビ、福助の魔王チーム!?
やばい! 世界の危機、まだ終わっていないじゃないか!!




