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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


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殲滅戦。

 さて、と呟き、私は窓から外を眺めた。

 数こそ減ってはいるものの、いまだ化け物達がうぞうぞと蠢いているのが見える。


 チャビのおかげで、気力体力共に回復したし。

 こきこきと首を鳴らす。


「行きますか」


 あっと、いかん。

 その前にレオ達を回収しないと。


 慌てて、レオ達の元へ戻る。

 ベルは疲れたように座り込んでいたが、意識はあるようだ。

 心配そうにマリアが側に付き添っている。


「キング、マリア達を門の外へ〈空間転移〉。終わったら合流して」


「俺もつかさ達と一緒に行きます」


 きっ、とレオが顔を引き締める。


「無理しないでいいよ。それに、外にも護衛は必要だしね」


 コハクはこちらに戻すから、マリアはドラゴンライダーのスキルが使えない。


「頑張ったな、勇者様(お兄ちゃん)


 私が軽く肩をどつくと、レオの身体がふらついた。


 え? あれ? そんなに強かった?

 そりゃ私はバカ力だけど……。


 レオの目が潤んだと思うと、ぼろぼろと涙をこぼし始めた。

 ぐしぐしと両手で涙を拭い、なんとか泣き止もうとしている。


 ああ、気が抜けたのか。

 レオもまだ子供だものな。


「マリア達のこと、任せたからね」


 泣いていることにはあえて触れず、今度は意図的に強めに背中を叩く。


「……痛い。つかさ、力加減考えてくださいよ」


 赤くなった目で、レオが私を軽く睨む。

 剣を握り、キングへ向き直る。


「キング、お願いします」


 キングが瞬きをすると、レオ達の姿が消えた。


 よし。

 それじゃあ。


 私は窓のへりに足をかけた。

 りゅうたろうが口をにゃーの形に開け、コハクを呼ぶ。

 ぼふんっ、とおこんが巨大なキャットタワーを〈創生魔法〉で作り出して窓の外へ設置する。


「行くよ!!」


 私と猫達は、城の窓から飛び降りた。


 りゅうたろうを乗せたコハクが、空へと舞い上がる。

 くぅとチャビは、それぞれまとった炎と雷を翼のように操り滑空する。

 おこんやせり達はキャットタワーをひらりひらひらりと飛び降りた。

 私もキャットタワーを足場に、地面へ向かう。


 だんっ、と地面を踏みしめ、赤い刃の大鎌を構える。


「こいつ! よくも!」

「民間人の救助が先だ!」

「隊長!」

「俺にかまうな! 急げ!」

「大丈夫、こっちにおいで。……お母さんは、あとで連れて行ってあげるから」


 ぼろぼろになりながら、この国の兵士達が必死に奮闘していた。


 私はすぅ、と息を吸うと、声を張り上げた。


「化け物達が出てきた所は塞いだ! もう現れない!」


 兵士達の目に、かすかな希望の光が浮かぶ。


「ここさえ凌げば、私達の勝ちだ!!」


 私が叫ぶと、一瞬の沈黙のあと、わああっと兵士達が声を上げた。


「行くぞ!」

「大丈夫だ、俺に任せろ!」

「隊長、なに弱気になってんスか!?」

「負けるもんか!」


 兵士達の動きが変わった。


 それを確認し、私は大鎌を振りかざし化け物達の群れへと飛び込んだ。

 一体を切り捨てると同時に、もう一体を蹴り倒す。


「チャビは〈回復〉! せり、よつばはサポート!」


 ふっ、と空間が揺らぎキングが姿を現した。


「福助は〈風の盾〉で守備に専念して!」


 コハクとりゅうたろうは、空の化け物達を蹂躙している。


「あとは各自、お好きなように!」


 猫達は私の言葉を聞き、暴れ回る場所を求めて、それぞれ好き勝手に散らばって行った。


 ぶんっ、と大鎌を振り回し化け物達を切り倒す。

 よし、絶好調。


 私は化け物達の群れに向かって、にやりと笑ってみせた。


 さあ、来い。

 この国の惨劇に幕を下ろそう。





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― 新着の感想 ―
コハクさんが結構重要な戦力になっているのですね。りゅうたろうさんあってのことではありますけど。 コハクさんいなかったら、航空戦力がくうさんとちゃびさん頼みになっていたんだなと思うとちょっと怖いですな。…
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