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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


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解決策。

 猫達に見捨てられた以上、自分でどうにかしないといけないわけだが。


 こ、これをどうしろと……。


 目の前でチャビとくぅが睨み合っている。

 ぶわぶわと尻尾を太くし、背中の毛はさかだっていた。


 あー、うん。無理だわ。

 だって魔王×2だぞ!?

 うっかり手を出そうものなら……。


 ちらりと、おそらくでっかい虫さん、もとい魔王であっただろう焦げ跡を見る。


 ヤダー! まだ死にたくない!!


「いたっ……!」


 じたばたとしたはずみで、身体中の痛みを思い出す。


 魔王につけられた傷は、じゅくじゅくと爛れ熱を持っている。

 掻きむしりたいような不快感と、おぞましい傷跡。


 さっきまで必死だったから、忘れていた。

 まぁ、チャビもいなかったから〈回復〉できなかったからな。


 ん? 待てよ。

 あ、これならイケるか。


「あ、いたっ。痛いぃー」


 呻きながらうずくまる。

 あまり大げさにやり過ぎると駄目だしな。

 というか、普通に痛い。


 不自然な方向を向いていたりゅうたろうが、こちらを振り返った。


「痛いよー、痛いー」


 慌てたように、りゅうたろうが駆け寄ってきた。

 後ろにせりやキングもついてきている。

 ふさふさのしっぽを揺らしながら、よつばが私の顔を覗き込む。


「にあん?」


「うん、大丈夫だよ。……あー、でも、痛いなー」


 よつばが前足をちょいちょいと動かした。


 痛みが和らぐ。

 やはり、呪いのようなものも付属していたのか。

 放置すれば、いずれ腐り落ちていたかもしれない。


 そういや、あれ魔王だったな。

 うちの猫達にとっては、ただのデッカイ虫さんだったが……。


 くぅは先程から唸るのをやめ、しっぽをぶんぶんと振りながら私の方を見ている。


「チャビ、痛いよー」


 そこで、ようやくチャビが正気に戻ったようだ。

 私のところへ駆け寄ってくると、ごろごろと喉を鳴らしながら体を擦り付けてくる。


 傷が、跡形もなく消えていく。

 私は小さく息を吐いた。

 身体が楽になった。

 自分で思っていたより、ダメージを受けていたのか。


 世界滅亡の危機を回避した安堵感もある。


 だが。


「福助! おこん! あんた達、ちょっとくらい心配しなさいよ!」


 我関せずを貫いている福助達に向かって叫ぶ。


 泣くぞ!?



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― 新着の感想 ―
面倒は避けるけど、つかささんが苦しんでいたら慌てて寄ってくるのが可愛いです。くうさんも心配しているのだろうし。我が道を行く子もいますけど猫さんですしね。仕方がない
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