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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


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もう少しだけ。

 化け物達も何かに気付いたのか、あきらかに私達の方へ向かってくる数が増えた。


 大鎌を振るい、化け物達を斬り伏せる。


 レオやマリアとコハクも奮闘しているが、猫達と比べれば戦力はやはり格段に劣る。

 よつばとせりはベルに魔力を分け与えているので、歌が終わるまでは参戦できない。


「りゅうたろう、おこん、キング! こっちに来て!!」


 私が叫ぶと、りゅうたろう達が駆け寄ってきた。


「福助、ごめん! 少しだけ一人で頑張って!!」


「にゃ!!」


 福助の周りをきらきらと風の精霊達が飛び回る。

 常に全力の福助なら、守備より攻撃に専念させた方がいい。

 単騎の方が思う存分やれるだろうしな。


 さすがに取り逃がす化け物達の数は増えるが、まぁ、サナ達がどうにかしてくれるだろう。


「つかさァ?」

「…………」


 何故か、何か言いたげなサナとナルシの顔が浮かんだが。

 ……うん、大丈夫、大丈夫。


 それよりも。


「歌が終わるまで、彼女とせり達を守って!」


 私の言葉を聞き、りゅうたろうは化け物達とベル達の間に入って立ち塞がり、キングはそれをサポートするような配置についた。

 おこんは相変わらず、その小さな体で縦横無尽に駆け回っている。


「終わらせるよ!」


 そう叫びながら、私は化け物達の群れの中に突っ込んだ。


 大鎌を振るいながら、別の個体を蹴り上げる。

 上空にいたマリアを乗せたコハクがとどめを刺す。


 おこんが引っ掻いて麻痺させた化け物を、レオが切っていく。

 キングが〈影魔法〉で化け物達を貫き、大きくなったりゅうたろうは前足ではたき落としている。


 ベルの歌は緩やかな旋律へと変わり、歌声は次第に小さくなっていった。


 魔法陣から漏れ出ていた気持ちの悪い気配が薄れていく。

 絶え間なく湧き出てきていた化け物達の数が、目に見えて減ってきている。


 もう少しだ。

 もう少しで終わる。


「みんな、頑張れ!!」


 猫達はともかく、私を含めて人間は疲労してきている。


 サナ、ナルシ。

 エルフや冒険者達。

 この国の兵士達。


 もう少しだ。

 もう少しだけ頑張って、この惨劇を終わらせよう。



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― 新着の感想 ―
猫さんたちだけではなく、現地人の皆さんにも見せ場があってなによりです。頼りっぱなしではいけませんものね。つかささんたちは多分居なくなるのだし
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