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王都。

 再び、キングの〈空間転移〉で門の中へと移動する。


 王都の中と外では、明らかに街の様相が変わっていた。

 豪奢な建物、大きく文字の書かれた看板、街の中心にそびえ立つ城。

 門一つを隔てただけで、まるで別世界だ。


「……」


 この世界にも王族や貴族は存在するし、彼らが特権階級である事は間違いない。

 だが。

 国を守護する神にとっては、王だろうと平民だろうと等しく護るべき者なのだそうだ。

 故に、王や貴族も国民に無体を強いる事は出来ない。


 まぁ、ろくでもない連中がいないわけではないが、それは王族や貴族に限った事ではないしな。


 しかし、この国は王族などの一部の特権階級の身を守る事を最優先としているようだ。

 「異世界に転移した」という非常事態なのだから、本来ならば外壁に兵を多く割くべき所を王都の守りに力を入れている。


「価値観が違いすぎる……」


 思わず呟くと、肩に乗せていたキジトラの猫が私の頭に顔を擦り寄せてきた。


「ああ、うん。大丈夫」


 ぽんぽんと軽くりゅうたろうの頭を叩く。


 りゅうたろうはスキルで身体の大きさを自由に変えられる。

 今は手のひらサイズだが、最大で城くらいの大きさにもなれる。

 〈ドラゴンライダー〉のスキルもあり、旅の途中でうちの子になったドラゴンのコハクを相棒に、縦横無尽に空を駆け回る。


 うん、あれは飛んでいるんじゃなくて駆けているよな。


 りゅうたろうの相棒であるコハクも自分の大きさを自由に変えられるようになり、今はキャットハウスで休んでいる。


 ちなみに、キャットハウスというのは、私が女神様からもらったスキルで猫達の休憩所みたいなものだ。

 冷暖房完備、全自動清掃機能付き猫トイレ、ふかふかのカーペットに高級ソファー、といたせりつくせりだ。


 猫達がとんでもないスキルをもらった反面、私がもらったスキルは自動翻訳、世界地図、無限収納、キャットハウスだった。


 ……明らかに、猫のおまけだろうが!

 異世界転生したんだから、魔法スキルの一個か二個くらいつけとけやぁぁぁ!


 魔法の方はからっきしだった私は、レベル1だった身体能力強化スキルを自力でレベル8まで上げた。

 猫達のようにドラゴンを狩るほどの力はないが、その辺の魔物くらいならタコ殴りに出来るようにまでにはなった。

 完全に物理特化型だ。


 神様にもらったスキル以外は、どうやら元の世界の経験などからスキルを取得できるらしく、私のスキルは事務処理、鑑定(ただしレベル1から上がらない)、草刈り、ボール投げ、猫じゃらしなどだった。


 地味すぎる……。


 それと猫神からもらった隠しスキル〈猫バカ レベル∞〉もある。

 これは猫達の身体能力やスキルの効果が跳ね上がるというものだ。


 ただでさえ、とんでもチートだというのに……。

 まぁ、一番の問題は隠しスキルなのに、隠れてない事だけどな!








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