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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


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願い。

 エレベーターに乗った時のような微妙な浮遊感と共に、私達は魔王城へと移動した。


 ここは魔王城の中での唯一の安全地帯、つまり罠のない大広間だ。

 私がやっていたゲームでは、ラスボス戦の舞台になった場所だ。


「逃げてもいいけど、死なないでよ。罠だらけだから」


 そう言いながら、私は肩に担いでいた勇者を床におろした。

 ぽかんとしている勇者に、私はこちらの事情を話した。


 元々、勇者を必要としていたのは別の世界だった事。

 ジルコニア王国の行った召喚が危険なものだった事。

 神様達の連名で、私に勇者の保護を依頼してきた事。

 ついでに、魔王は私ではなく猫達だという事も話した。


 勇者は呆然とした様子で、口を挟むこともなく私の話を最後まで聞いていた。


「…………」


 まぁ、信じられなくても無理はないだろうが。

 とりあえず、逃げたり攻撃してきたりするのはやめといてほしいところだな。

 身の安全の保証が出来かねる。


 うつむいたまま動かない勇者の側に、チャビが近づいた。

 ごろごろ喉を鳴らしながら、その腕に体をこすりつけた。


 やはり、猫達が勇者を警戒している様子がない。

 くぅなどは欠伸をして体を丸め、眠る態勢を取り始めた。


 あの女達への対応と、はっきりと差がある。


 おそらく、あの女達はジルコニア王国の人間だろう。

 今までの事や猫達の反応から考えると、あの国は敵だと考えてよさそうだ。

 まぁ、それがこの世界にとってなのか、私達にとってなのかは分からないが……。


「じゃあ、俺は、俺達はあいつらに……?」


 そう呟いて、勇者は顔をおおってうずくまった。


 ……俺達、か。

 女達とのやり取りから考えると、聖女の事を言っているのだろうとは思うが。


 女神様から、聖女の話は聞かされていない。

 どういう事だ?


 勇者が顔を上げ、私の顔を見た。


「お願いがあります」


「……何?」


「俺はどうなってもかまいません。だから、聖女を、妹を助けてください」


 お願いします! と勇者は頭を下げた。

 勇者の側にいたチャビが私を見上げている。


 はい、はい。分かっていますよ。


「事情を説明してもらえる?」










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― 新着の感想 ―
連載が始まったことに、今更気づきました。猫さんたちの活躍を楽しませていただきます。 国ごとの転移というのも大変ですね。水とか食料とか大丈夫なんだろうか。広大な農地や水場が一緒に来ていないと、結構あっさ…
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