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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。3 勇者召喚⁉ 狙われているのはうちの魔王様……?  作者: たまご


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保護者達。

 いや、まいった。

 こんな所で勇者と会うとは。


 と、完全に魔王サイドの考えになりながら、私は彼らを観察した。


 勇者と呼ばれた少年は、武装した女達に囲まれて困惑している様子だった。


「お一人でなど危なすぎます!」

「私達と離れないでください!」

「あ、でも、ドラゴンがいた、から……」

「そういえば、ドラゴンは……?」


 振り向いた女の一人と目が合った。

 杖を持つ姿から、おそらく魔法使いだと思われる。


「おい、女」


 …………。


「ここにいたドラゴンはどうした?」


 あ、ダメだ、こいつ。

 初対面の相手に向かって取る態度じゃないだろ。


 それに、いまだにせりがイカミミ状態だ。

 それに反応して、くぅ達まで戦闘モードに入っている。

 私の足元にいる福助も同様だ。


 こいつら、ろくでもないな?


「後ろにいるのは、子供のドラゴンか?」


「えー、珍しい! 私、欲しいんだけど!」


 そう言ったのは、剣を持った女だ。

 にっこりと笑いながら、私に向かって手を差し出してきた。


「それ、ちょーだい」


 お金ならあげるよー、と能天気に言いやがった。


 誰がやるか!


 ……保護を依頼されたのは勇者だけであって、仲間達はその限りではない、うん。


 私達が戦闘態勢に入ろうとした瞬間、魔法使いの女が福助を見た。


「黒い猫……、魔王か!?」


 はい、半分不正解。

 福助は隠れ魔王だからな。


「って事は、この女が魔王!?」


 あ、違った。

 完全に不正解だった。


 勇者の連れという事は、こいつらもジルコニア王国の人間なのだろうが、あの国の情報収集能力はどうなっているんだ?


 魔王は、あんた達の後ろで目をらんらんとさせているくぅさんだよ。

 私はただのおまけです。


「ここで勇者様を待ち伏せしていたのか!」


 なんで、そうなる。


 いや、ダメだ。

 さっきからツッコミどころが多すぎて、マトモな思考ができない。


 ……なんか、引っかかっているんだけどなぁ?


 魔法使いがなにやら呪文を唱え始めた。


「よつば! か」


 私が指示するより先に、よつばが前足をちょいちょいと動かして魔法を〈解除〉した。


 ……え? 


 りゅうたろうは大きくなって、いつの間にかコハクを守るように前に立っていた。


 福助のまわりをきらきらしたものが踊るように舞っている。

 福助と契約している風の精霊達だ。


 猫達が自らの判断で戦闘態勢に入っている。

 女達を、コハクを奪おうとした敵と認識したのだ。


 ドラゴンであるコハクは、何度か捕まりかけた事がある。

 おそらく、そのせいだと思うが。


 やばいぞ、これ。

 このまま戦闘に入ったら、私の制御がきかない。


 女達がどうなろうと知ったことではないが、世界まで滅んだらどうしてくれる!!









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