01 ただいまぶつかり中っ!?
俺の名前は山中あおい。今日から高校生になる。
そして今、俺の目の前に建っているのはこれから通うことになる名門私立〇〇学園だ。〇〇学園ーそれは恋愛禁止の超ーセレブ高校。恋愛禁止、それはつまり青春とは無縁の学校生活を送ることができるということだ。
ガッ、ハッ、ハッ、ハッ。
しかも今日は、初日を迎えるのにふさわしい快晴。
「最高だな。」
本当、この時までは文句のつけどころがなかった。
ーそう、この時までは…。
「最高だな。」
満足げに校舎を眺めながらそう言った次の瞬間ー
ドンッー
う、、、。尻が少し痛い。どうやら人とぶつかってしまったみたいだ。しかも相手は女子。本当初日だというのについてない。
「ごめんなさい。」
向こうが謝ってきた。
「ちゃんと前みろよな。」
俺は不機嫌さを隠そうともせずそう言い放ち、ぶつかった女子の方を見た。
「えっ…?」
なんと俺と同じ高校の制服を着ている。どうやら同じ高校の人らしい。相手も同じ事を思ったらしく、驚いた顔をしている。改めて相手の顔を見た俺は少しぎょっとした。
卵の白身のように白くてつるつるな肌、長いまつ毛、大きくてくりくりしている瞳ー。こいつ美人だ、、、。
「あの…。」
やべっ、さすがにガン見しすぎたか…
「急がないと遅刻、しちゃいますよ?」
「あぁ、ちこくねちこく…ってはっ?!」
この時、俺はまだ知らなかった。
この女との出会いが俺の運命を大きく変えることをー