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始まりの指輪

 ノアが、冒険者ギルドに向かっている最中、二人の美少女を見かけた。市民の服を着てはいるが、その美貌はずば抜けていた。どちらの少女も目鼻立ちのしっかりとした顔であった。八百屋で買い物をしているようだ。それを見たノアは、口角を上げる。


[紅髪の娘がつけている碧い指輪、とても高そうだな。ああいうのってほしくなるんだよな。]


 美少女たちは、リンゴのような果物をいくつか買っていた。そこにノアが近づきぶつかる。


「おっと」


「きゃっ」


 小柄で華奢な体つきの紅髪の少女は、後ろに倒れる。果物の袋はもう一人の金髪の少女が持っていたので果物を落とすことはなかった。


「ルー、大丈夫ですか?」


 紅髪の少女を心配するように近寄ってきた金髪の少女は、胸が出ている上に腰も細いが、鍛えていることがわかるような少し筋肉質な腕が見える。


[よく見たら、金髪の方は、胸でかいな]


 金髪の少女のにらむような視線を感じ、慌てて、ルーと呼ばれた少女に手を出す。


「大丈夫かい?」


「はい、ありがとうございます」


 ノアの手を借りルーと呼ばれた少女は立つ。


「本当にすみません。こちらの不注意で」


「いえいえ、こちらこそ」


「いえいえ、こちらこそ」


「いえいえ、こちらこそ」


「いえいえ」「いえいえ」


 お互いに謝りあう。


「2人で何やっているんですか?その謝りあい、永遠に続けるんですか」


 金髪の少女に嗜まれ、話を進める。


「そうですね。では、お互い悪かったということで」


「はい。そうしましょう」


「それでは失礼しますね」


 2人の少女が去っていくのを見て、人気の少ない路地に入る。


「いいものを手に入れたわ。礼儀正しい子だったから少し罪悪感があるが、俺の糧となってくれ」


 ノアは、盗んだ指輪を見ながらクズ発言をする。


[しかし、この形状どこかで……しかし、こういう指輪って一度はつけてみたくなるんだよな]


 ノアは、左手の人差し指に指輪をはめる。


[おぉ。やっぱりいいなぁ。何か力が湧き出るような感覚だ。この碧光する宝玉がいい味を出してる。ほれぼれする。売るのがもったいなく感じるな]


 指輪を一通り観賞したノアは、指輪を外そうとする。


「んん?」


 ノアは、指輪を外そうとする。


「んんん?」


 ノアは、力を込めて指輪を外そうとする。


「ぬぉぉぉ。ぬ、抜けない」


 指輪が外せなくなっていた。


[なぜだ。別に付けた時余裕で着けられたのに。これあれか?呪いというやつか]


 その時、ノアに電流が走る。


[この指輪どこかで見たことあると思ったら、俺が最後に盗んだ婚約指輪と瓜二つだな。紅か碧かの違いしかない。くそっ、ここまで来て、俺を恨むのか?]


 ノアが指輪を外そうとしていると後ろから少女の声が聞こえる。


「指輪に選ばれたんだね。盗人さん」


「こんな薄汚れた人がほんとに選ばれるなんて」


「えっ」


 後ろを向くと先ほど指輪を奪った、二人の少女がいた。


「こ、こんにちは」


「はい、こんにちは」


「もしかして、ばれてました?」


「指輪がなくなったと気づいたときに、あなたに盗まれたんだなって思いました。それで、あなたのことは、こっちのルミがマークしていたから居場所が分かったんだよ」


[マークだと。全く気付かんかったぞ。魔法の類か?そんなことよりもこれからどうす……]


 ノアが思考する間もなくとんでもないことばを聞く。


「まぁまず、王城に行こうか。詳しいことはそこで話をしよう」


[おうじょう?]


 そして、ノアは首に衝撃を受けたと思うと、意識を失った。


 さてここからようやく、物語の始まりです。

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