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身分なしの男

「しまった。場所を聞くのを忘れてしまった」


 ノアは中に入れたことに浮かれて、王立図書館の場所を聞くのを忘れていた。


[仕方ない。店の人にでも聞くか]


 そう思い、ノアは周りを見る。馬車が通っていたり、通行人が武器を滞納している。

 パン屋と書かれた看板を見つける。


[ついでにパンを買って腹を満たすか。金の価値もわかるある程度分かるしな]


 店の中に入ると、様々な種類のパンが置いてある。


[おっ、クロワッサンが置いてあるじゃん。好きなんだよなこれ。しかし、これが俺に知っているクロワッサンであるかどうかわからんな。1個、小銅貨6枚。店内も豪華そうじゃないし、貴族もいるわけでもない。数もあるから希少な材料ってわけでもなさそうだな。大銅貨1枚出してみるか]


 ノアは、クロワッサンを1つおじさんの店員に持っていく。


「これを下さい」


「小銅貨6枚だ」


 ノアは、大銅貨を一枚取り出し、渡す。


「お釣りの小銅貨4枚だ」


 ノアは、お釣りを受け取る。


「ありがとうございます」


[大銅貨1枚で小銅貨10枚か。なるほどね]


「すいませんけど、王立図書館へ行きたいんですが、場所わかりますか?」


「それなら、中央の所だな。王城の正門の近くにあるぞ」


「そうなんですか、ありがとうございます」


「また来るといい」


 会計を済ませ、王立図書館の場所を聞いたノアは、店を出る。


「ふむ、クロワッサンだな。うまい。また買いに行こう」


 ノアは、パンを食べながら王立図書館へ向かう。パンに夢中でよく前を見てなかった。


「おっと、済まない」


「こちらこそ」


 少し小太りな男とぶつかってしまった。ノアは、しばらく歩くと小袋を取り出した。


[盗る気はなかったが、癖で盗ってしまったな。さて何が入っているのやら。何か変なにおいがするが……開けてみるか]


 ノアが袋を開けると生ものが腐ったようなにおいがあふれ出た。


「うっ」


 ノアは、鼻を抑える。中には、生の蛇の頭と硬化が入っていた。


[なんで、金入れの中に蛇の頭入ってんだよ。蛇の皮を入れると金運上がるのは聞いたことあるが、生の頭入れたら金運下がるだろ]


 ノアは、すぐに袋の口を締め投げ捨てる。


[鼻がもげるかと思った。この世界の人間では常識なのか?]


 ノアは、異世界の人間の生活感について、頭を抱える。


[しかし、コルサさんとかは普通だったからあの人が異常だった……と思いたい]


 いやな思考を振り切り、王立図書館へと向かう。並んでいる店や屋台など様々なものがある通りを抜けて、図書館につく。


[武器屋とか魔道具屋とか気になるものがあったが後回しにしよう]


 ノアは、図書館に入る。


「そこの君、止まって」


「はい?」


 ノアは、図書館の入り口で受付らしきの人に止められる。


「ここに入るには身分証が必要です。身分証、ありますか?」


[ここも身分証必要なのかよ]


「わかりました。今は、持っていないのでまた来ます」


 そういって、ノアは図書館を出る。


[情報を得たかったがしょうがない。まずはギルドで身分証を作るか。商いは全然わからないから、冒険者ギルドってところに行くか。途中にそれらしき場所があったな]


 次の目標を決め、来た道を引き返した。


 疲レンコン

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