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生存戦略

「ここは、どこだ?」


 男は、あおむけで寝転んでいた。その視界には生い茂った木々ときれいな青空が広がっていた。

 男は、空に向かって手をかざす。


「体も動く。生きているのか?それとも、ここが天国ってやつか。」


 確実に心臓を貫かれた男は、見ている景色と動く体に疑問を持つ。


「くそっ、まだ頭がはっきりしねぇ」


 男は、そうつぶやきながらふらふらと立ち上がる。


「ん?なんか、いつもより視界がおかしいような。まぁいい」


 ふと下を見てみると、男の足元には、ナイフが一つ落ちていた。


「これは、俺が愛用していたナイフか?」


 男はナイフを拾い上げる。


「この感じ、この刃こぼれ感、俺のだな。全く、こんなとこまでついてくるとは、飛んだ相棒だな」


 男は、愛用のナイフとの再会に干渉に浸り終わると自分の体を見る。が、打たれた穴も流れた血の跡もない。治療の跡もない。


「これは天国、いや俺はどちらかといえば地獄だと思うんだが。まぁ、確実に死後の世界だな。せっかく動けるんだから動きまわるか」


 状況を軽く理解した男は、森の中を歩き回る。


「何かいる気配がするな」


 男は、草木に隠れながら気配のする場所に向かう。


 グチャグチャ


 自分より大きいライオンのような四つ足の生物が鳥を食べていた。


[なんだ、こいつ。ライオンのような体躯だがでかいし、しっぽが蛇の頭がついている。そのうえこの感じは、死の感覚。こいつはやばいと警鐘を鳴らしている。俺は、まだ生きているのか?]


 男は、死の感覚を通して自分の生に関してもう一度考える。


〔ってそんなこと考えている場合か。静かに急いで逃げる。いける、気配を消して逃げるのは得意分野だ〕


 男はその生物からばれないように逃げ出すのに成功した。


「ふぅ、このひやひや感、いつになってもなれんな。嫌いではないがな」


 男は、息を吐きだし逃げるのに成功したことを実感し、生きた心地を感じる。


「もし生きているのなら、どうやって生活するか考えないとな。まずは、森を抜けないとな。あんな奴がいるところで暮らせるかっ」


 男は、森を抜けるために慎重に動き出す。しばらく歩くと川にたどり着いた。


〔川が流れているということは山が近いか、ここが山の一部なのかだな。どちらにしろ人が住んでいるとするとしたら下流の方だろう〕


「崖や滝がないことを祈って下るか」


 男は、そういい川をのぞき込む。


「なっ、なんだこれは」


 川をのぞいた男は、自分の顔を触りだす。


「この金髪の青年が俺だということか」


 男……川に映った青年が、目を見開いて驚いている。


「視覚が変だと思ったのは、背が縮んでいたからか。というか、顔の造形から違うではないか。誰だこのイケメン」


 川に映る男の容姿は、とても整っていた。


「これはどういう状況だ。殺されたと思ったら、違う体で動けるようになっただと?憑依とかそういうものか」


 青年は、自分の顔を見つめながら、混乱している。


「落ち着け。憑依であっても生きているんだったら生き延びることを考えろ。遭難中のパニックは危険な行為だ」


 青年は、目を閉じ、心を落ち着かせる。


「まずは森を抜ける。よし、そこからだ」


 青年は、改めて目標を確認し、歩き出す。川に沿って歩いていると少し遠くに深緑の色をしたものが動いているのを見つけると草陰に隠れる。


〔なんだ、あの子供のような奴は。人の形をしているがあんな色の人間なんて見たことがないぞ。〕


 しばらく隠れていると深緑の色をした子供は、森の中に入っていった。


「何だこの状況は。まるで異世界にでも来たかのような……」


 その時、青年に電流が走る。


〔確か、異世界転生っていうジャンルの物語があったな。……可能性の一つとして考えておくか〕


 再び青年は、川に沿って歩みを進める。すると、草木が生い茂ってない平野が見えるところまで来た。


〔運がいい。ようやく森を抜けられるな〕


 森を抜けると先ほどまでは見えなかったが、人が作ったようにしか思えない大きな壁があった。


〔本当についている。あの先に入ってから今後のことを考えるか〕


 そう青年は考えると壁の入り口を探した。


 来週は、忙しいので投稿が遅くなるかもしれません。

 その間は、どうでもいい奴らの方をお楽しみください。

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