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第一話 暫しの我慢


 鉄格子の牢と銀髪の女性の手足に嵌められている枷には、魔法を無力化する魔法陣が刻まれているらしいので、近くの部屋から鍵を探しだして牢を開け、枷を外した。   


「ありがとうございますステラ様」


 「気にしないで。それよりあなたの名前を聞きたいんだけど?」



 「失礼しました。私の名前はゼロ。ユルゲイトとミーチェ博士が造った最初のクローンです」


 「ミーチェ博士?」


 「ユルゲイトと共に古代人の事を調べていた私の母の様な存在です。私は、ミーチェ博士とユルゲイトと古代人の遺伝子を持ったクローンです」


 「なるほど、だから私にそこまで似てないのね」

 

 銀色の髪に銀色の瞳のゼロはあまり私に似ていない。


 「ところで何故ステラ様がここに居るのか教えてもらってもいいですか?」


 私はこれまであった事をゼロに話した。


 「···やはりユルゲイトは古代の神を復活させたのですね。ですが驚きです。ステラ様の魂が培養カプセルのクローンに定着するとは」


 「どうしてここのクローンの身体に私の魂が入ったかは分からないけど、私はお兄ちゃんの所へ帰るわ。泣きそうな顔をしていたから心配なの」


 「最後に居たのは中央大陸のオルファースト王国ですよね。ここは東大陸マドランガ共和国の端にあるユルゲイトの研究所の一つです。ここから戻るには、三ヶ月はかかります」


 「そっか、じゃあすぐに出発しないとね!!」


 私とゼロは研究所で食べ物やお金、武器になる物を手に入れて研究所を後にした。


 気絶させた老人は放っておいた。


 あの老人はユルゲイトの助手を長年務めていたらしい。

 ゼロ曰く、脅威にならないらしいので放置したのだ。


 私達はまずマドランガ共和国首都のワーシュルゼへと向かう事にした。


 道中、首都ワーシュルゼに向かう馬車に出会い、乗せてもらうことに成功して先を進んでいると、突如空に私の顔が映った。


 いや違う。あれは私の身体を奪った古代の神だ。ユルゲイトが隣に居るし間違いない。


 『ごきげんよう、世界中の人間達。私はアルジュナ。古代文明の神よ。私は、オルファースト王国があった場所に新たな国を創ったわ。国の名はアムレイド。あなた達に選択肢をあげるわ。私に恭順するか逆らうか。恭順すれば、私に選ばれた者は私の国で生かしてあげる。でも逆らえばこの男、弓王カルフェド·イングラムの様になる』


 空中の映像に首だけとなった弓王カルフェド·イングラムが映る。

 私はその光景を見て息を呑む。


 『これが愚かにも神である私に逆らった者の末路よ。半年時間をあげましょう。その間に恭順する道を選んだ者は、我が国アムレイドへと来なさい。私の民に相応しいか選別してあげる』


 それだけ伝えると、空中に映し出されていたアルジュナの姿は消えた。


 馬車の御者は、私の顔を驚いた顔で見ている。


 まずい、アルジュナと同じ顔だから怪しまれているんだわ。


 私とゼロは馬車を降りて、徒歩でワーシュルゼに向かう事にした。


 歩いてる途中、ゼロとアルジュナについて話し合った。


 「先程空中に現れたのが古代の神なのですね」


 「たぶんそうだと思う。あれは私の身体だったから」


 「だとすると、かなり危険な思想を持っていますね。世界中を支配して、民を選別するなど恐ろしいと言う他ありません」


 「うん、しかもあの弓王カルフェド·イングラムを殺せるだけの力を持っているとなると、厳しい戦いになりそうね」


 ゼロは私の発言に目を丸くする。


 「まさか、アルジュナと戦うつもりですか!?」


 「うん、封印を解いた者として責任を取らないとね。それに私の大切な人なら絶対にアルジュナを止めると思うから」


 私の決意を聞いてゼロは少し思案した後、私にある提案する。


 「アルジュナと戦うのであれば、ダンジョンに潜りませんか?」


 「ダンジョン? 何で?」


 「アルジュナはステラ様が開放させたダンジョンコアの力を使えるんですよね? なら同じ力を持つ事は後々の事を考えるとかなり重要だと思うんです」


 なるほど。確かにダンジョンコアの力は中々厄介だ。


 ユルゲイトの助手である老人は私を見て二体目の成功作と言っていた。

 なら、ダンジョンコアも吸収出来るに違いない。


 私はゼロの提案に乗る事にした。


 「分かったわ。ダンジョンが近くにあれば潜りましょう」


 ダンジョンに潜る事でルートヴィヒと再会するのは遅くなるかもしれない。


 だけど、ダンジョンコアの力はきっと役に立つ。


 本音を言うと、私は今、物凄くルートヴィヒに会いたい。

 そして、古代の扉を開けて、自分の自我が消えるかもしれないと思った時に気付いたこの気持ちを伝えたい。


 でも後々の事を考えて今すぐ会いに行きたいのを我慢する。


 必ず会いに行くから待っててね、ルートヴィヒ。

 

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