第二十話 誕生日パーティー①
ギルダムダンジョンの最下層をジアスは念入りに調べるが大した成果はなかったらしい。
もうバルツァー王国には用はない。
だけど、ジアスの旅の準備をする必要があるので、一度地上に出てジアスの家に向かう事になった。
ステラの転移でギルダムダンジョンの一階に戻ってくると、ジアスが転移の感覚に慣れていないせいか尻餅をついていた。
ジアスに手を貸すと、恥ずかしそうに僕の手を取り立ち上がった。
ギルダムダンジョンを出てジアスの家に向かうと、家の中は書物だらけでお世辞にも綺麗とは言えなかった。
ジアスの旅の仕度をリビングで待っている間、棚の上に飾っている写真にが目に入った。
優しそうな老人と笑顔のジアスが写った写真だ。
おそらくこの老人がジアスのお祖父さんなのだろう。
写真を見ていると支度を整えたジアスが戻って来た。
「お待たせ。さぁ行こうか」
そう言いながら写真をアイテム袋の中にしまう。
ジアスの家を出て、再びギルダムダンジョンの一階に戻って来た。
周囲に人が居ない事を確認して、ステラに触れてシュライゼムダンジョンへと転移する。
オルファースト王国へと行くのを短縮する為に、管理下に置いてあるダンジョンの中で一番オルファースト王国に近いシュライゼムダンジョンへと転移した。
理由はそれだけじゃなく、ローナやクルトに近況を報告したかったのもある。
シュライゼムダンジョンを出てまず向かったのは、王都シュライゼムの片隅にある我が家だ。
家に戻ると、仕事が休みだったのかローナが居た。
「ステラ、ルートヴィヒ、セシルお帰りなさい」
久しぶりの再会を喜んで、ローナとステラは抱き合っている。
「そちらの方々は?」
ローナがナギさん、パルケルトさん、ジアスに気付いたので紹介がてら、近況を報告した。
「そっか、色々とあったんだね。でもこの先どんな事があってもステラが私の一番の親友である事は変わらないからね」
ローナの言葉を聞いてステラがローナに抱きつく。
「うん、ありがとう。私もローナの事を一番の親友だと思っているよ」
そんなステラの頭を撫でながら話を変えるローナ。
「そういえば、五日後にクルトの成人を祝ってパーティーが開かれるらしくて、招待状が私達宛で届いているんだけど、行ける?」
そっか、クルトはもう十六歳になるのか。
なら祝いに行かないと。
僕達はオルファーストに行く前に、クルトの成人の祝いの席に参加する事にした。
そうと決まれば、クルトに贈るプレゼントを買わなければ。
ステラはローナ、パラケルトさん、ナギさんとプレゼントを買いに行く事にしたらしいので、僕はセシルとジアスとプレゼントを買いに行く事にした。
「会った事もない僕が皇子様の祝いの席に参加してもいいのかな?」
不安げに呟くジアスの頭をセシルが乱暴に撫でる。
「ジアスは俺達の仲間なんだ。堂々と参加すればいい。それにクルトは良い奴だ。きっとジアスに祝ってもらって喜ぶと思うぞ」
「わ、わかったから髪をくしゃくしゃにしないでくれよセシル兄!!」
セシルとジアスを微笑ましく見ながら、クルトに贈るプレゼントを考える。
ステラ達は確かダンジョンで手に入れた素材で作った杖を送ると言っていた。
なんでも錬金王パラケルトさんが作ってくれるのだとか。
今は足りない素材を調達しに行っているらしい。
ステラ達が杖を贈るなら、僕達はローブを贈ろうかな。
手持ちの素材で作れるだろうか?
僕達三人は、服屋に向かい、ローブを作って貰うように依頼した。
素材は、ホエセ村で倒した赤いドラゴンの皮を使う事にした。
赤髪紅眼のクルトに合わせた赤いローブを作ってもらう。
五日後のパーティーまでには間に合うらしいのでお願いした。
クルトは喜んでくれるかな?
◆◆◆
パーティー当日。
私はピンク色のドレスを着て、ローナは緑色、ナギさんは黒色、パラちゃんは青いドレスを着ている。
普段の服装ではわからなかったけど、ナギさんとパラちゃんは中々ボリューミーな胸をしている。
ルートヴィヒ、セシル、ジアスはタキシードに身を包んでいる。
美少年達のタキシード姿···素晴らしい!!
パラちゃんもルートヴィヒ達のタキシード姿をニヤニヤしながら見ている。
うんうん、良いよねタキシード。
準備が整ったので、パラちゃんに作ってもらった杖を白い布に包んで家を出る。
クルトと会うのも久しぶりだ。
元気にしているかな?
クルトに会えるのを楽しみにしながら、私は城へと向かう。
城の門番に招待状を見せると、快く通してくれた。
城の使用人に案内され、パーティー会場に向かうと、そこはとても華やかな世界だった。
高そうなシャンデリアに、白いテーブルクロスがかけられた丸テーブルが沢山並ぶ。
丸テーブルの上には、美味しそうな豪華な料理が置かれている。どうやら立食パーティーらしい。
パーティーの出席者達は皆きらびやかな服装に身を包んでいる。
私達場違いじゃないよね?
パーティー会場の華やかさに気圧されながら足を踏み入れた。
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