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第十六話 新たな出会い


 イルシュミット共和国に滞在する事二週間。


 装備ができるのを待っている間、冒険者ギルドの依頼ボードに貼られているクエストをこなしながら私達は時間を潰した。


 おかげでSランク冒険者になる為の依頼数を達成して、レベツァの冒険者ギルドマスターがSランク冒険者に推薦してくれる事になった。

 推薦した後に、五人以上のギルドマスターが賛成すれば私やルートヴィヒ、セシル、ナギさんはSランク冒険者になれる。

 

 まあ、いくつものダンジョンを踏破して、SSランクに該当するクラーケン達を討伐し、Sランクに該当する赤いドラゴンやメタルライノックスも倒した。

 実績は十分だろう。


 Sランク冒険者に上がるのを楽しみにしながら、鍛冶屋へと向かう。


 鍛冶屋に着くと、セシルの剣や私達の新たな防具が出来上がっていた。


 メタルライノックスの皮は、鋼以上に硬いのに軽い。


 なので非力な私でもメタルライノックスの革で作ったレザーローブは着れた。


 他の皆もサイズもバッチリで、動くのにも支障はないみたい。


 セシルは新たな剣を嬉しそうに振っている。


 その様子をナギさんが羨ましそうに見ている。

 本当に武器が好きなんだなぁ。


 装備の代金を払い、鍛冶屋から出た私達は次の目的地へと向かう。


 次の目的地はバルツァー王国の王都ギルダムの近くにあるS級ダンジョン。

 やはりダンジョンは貴重な観光資源なだけあって王都や首都の近くにある事が多い。そのおかげで冒険者達が集まり賑わうのだろう。

 


 魔導自動車で南下する事五日で王都ギルダムに着いた。


 ギルダムの検問は厳しく珍しい魔導自動車に乗ってきたせいもあって中に入るまで時間がかかってしまった。


 中に入ると、スタイリッシュというか白いコンクリートの建物ばかりで、屋根の色も黒色に統一されている。


 なんでもバルツァー王国の国旗の色が黒と白の二色で描かれているらしい。

 その為、建築物も黒と白で統一されているみたい。


 街の中には見回りをしている憲兵もちらほら居て、軍服も白と黒を基調としている。


 軍事国家と呼ばれているバルツァー王国は、その名の通り軍に力を入れている。


 バルツァーの兵士は精強で有名みたい。


 だからこんなに重苦しい雰囲気なのか。


 私はこんな厳粛な空気は苦手だ。



 さっさっと用事を済ませようとギルダムの冒険者ギルドへと足を運ぶ。


 冒険者ギルドに入ると、他の冒険者ギルドと違い静かだ。


 近くにS級ダンジョンがあるのもあって、冒険者ギルドに居る冒険者達も中々強そうに見える。


 カウンターの受付嬢にS級ダンジョンの場所を聞くと、冒険者ランクの確認の為冒険者カードを見せる事になった。

 パーティーにはSランク冒険者のパラちゃんが居るので潜れる筈だ。


 受付嬢はパラちゃんの冒険者カードを見ても表情を変えず、ニコリともせずに冒険者カードを私達に返してダンジョンの場所を教えてくれる。


 冒険者達も値踏みする様な視線を向けてくるだけで声をかけてこない。物凄く不気味だ。


 苦手な空気なので、冒険者ギルドから出て、西南の森にある遺跡の中のS級ダンジョンへと向かう事にした。


 ギルダムから外に出る際も検問に時間がかかった。

 真面目というか融通が効かない感じだ。


 検問を済ませた後、魔導自動車を十分程走らせた場所に遺跡があった。この中にS級ダンジョンの入口があるらしい。


 早速ダンジョンに潜ろうと遺跡を進み、入口付近にいる門番に近づこうとしたら、ダンジョン近くに立っていた少年に話しかけられた。


 「もしかしてあなた達はこれからダンジョンに潜るのか?」


 「ええ、そうだけど?」


 「ならこの僕を連れていくといい。聖属性魔法の適性があるから回復魔法を使えるぞ」


 「そう、でも回復役は間に合っているわ」


 「ぐぬぬっ、僕はどうしてもダンジョンに潜りたいんだ。頼む、連れていってくれ!!」


 眼鏡をかけ、ローブを着て短パンを履いた茶髪の少年は土下座をして頭を地面に当てている。


 う〜ん、得体のしれない人間をパーティーに入れるのはしたくない。

 それにパーティーに入れたら私の力も見られる事になる。


 普通なら断るべきかもしれないが、必死に土下座している少年を放っておけなかった。


 「何故ダンジョンに潜りたいの? その理由によっては連れていってもいいわ」


 私の言葉に飛び起きる少年。


 「僕は考古学者なんだが、この遺跡に書かれている古代文字を読んでダンジョンが遥か昔の古代人に作られた物だとわかったから中を調べたかったんだ」


 少年の言葉に私は興味を引かれる。


 「あなたはダンジョンの事を知って何がしたいの?」


 「何がしたい? いや、僕はただなぜ作られたのか知りたいだけだ」


 真面目な顔で語る少年を見て、この少年をパーティーに入れる事を決めた。


 ルートヴィヒやセシル、パラケルト、ナギさんに視線を向けると私の考えがわかったのか頷いてくれる。


 「わかったわ。あなたをパーティーに入れる。ダンジョンに潜るからには冒険者カードを持っているんでしょ? あなたの名前と冒険者ランクを教えてもらってもいい?」


 「あ、ああ、持っている。名前はジアス。冒険者ランクはCランクだ。よろしく」


 ジアスは嬉しそうに手を差し出してくる。


 「ええ、よろしくジアス。私はステラよ」


 ジアスの手を掴み握手をした後に、各自の自己紹介をした。


 ジアスは私と二歳違いの十二歳らしい。

 この年齢で考古学者とは。···天才なのか、はたまた自称しているだけなのか。  


 まぁ、一緒に潜ってみればわかるか。


 私達は門番に冒険者カードを見せてS級ダンジョンの中に入った。

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