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第二話 S級ダンジョン①


 今から向かうS級ダンジョンがあるコロラド山脈は、ヨルバウム帝国とオルファースト王国の間にある大きな山脈である。


 馬車に揺られながら東へと進む私達。


 そういえば気になっていたことがある。


 「チェルシーは冒険者ランクはいくつ?」


 ダンジョンに潜るという事は冒険者登録はしている筈。


 いくつか気になったので聞いてみると、普段無表情のチェルシーが珍しく誇らしげな顔をして冒険者カードを見せてくる。


 「え、Aランク冒険者!?」


 「···うん、師匠に付き合ってモンスター倒したりしてたらAランクになってた」


 ま、負けた。イルティミナを除けば私が一番ランクが高いと思っていたのに。

 

 ダンジョンを踏破する事でも冒険者ランクは上がる。

 すぐにAランクになってやるんだからね。


 チェルシーにライバル心を燃やしながら東へと進む。



 五日程かけて到着したのは、S級ダンジョンの近くにある村――テルネ村だ。


 テルネ村の厩舎に馬車を預け、S級ダンジョンへと徒歩で向かう。


 三時間程歩いた所にS級ダンジョンはあった。


 ダンジョンの入口で門番をしている兵士にイルティミナが冒険者カードを見せると、S級ダンジョンの説明をしてくれた後、快く通してくれた。


 中に入ると、前潜ったB級ダンジョンの様に壁に火の魔石が埋め込まれていて明るい。


 門番の兵士の話によると、このS級ダンジョンの階層は地下五十階まであるらしい。


 はっきり言って面倒臭い。


 前潜ったB級ダンジョンと同じ様に土魔法で穴を開けて、一気に五十階まで潜ろうとしたけど、イルティミナに止められた。


 「戦争に参加して分かったと思うけど、ステラ達より強い奴らは沢山居るべさ。ステラはユルゲイトに狙われている。そのユルゲイトは恐らく十二星王級に強い。あたしがいつも一緒に居るわけじゃないべさ。なら強くなるしかない。その手段として、ダンジョンはうってつけべさ。だからショートカットは無しで、地道に潜って行くべさよ」

 


 イルティミナは普段はアホなのに、時折頼りになる。

 確かにそうだ。イルティミナとチェルシーは、六月にガラルホルンへと向かうのだ。いつまでも一緒じゃない。


 なら強くならなくちゃ。


  

 数十分後、私は数十分前の決意をなくしていた。


 というのも、S級ダンジョンのモンスターは一匹一匹が強いのだ。

 イルティミナは基本手を出さない方針でいくみたいで、ルートヴィヒ、セシル、チェルシー、私の四人でモンスターを倒していくんだけど、苦戦している。


 ルートヴィヒやセシルが光迅化や雷迅化を使えばもっと楽に進めるのだけれど、イルティミナに剣へのエンチャントしか許されていない。

 私やチェルシーも狭いダンジョンの中では、最上級魔法が使えない。

 

 ルートヴィヒやセシルがモンスターを足止めしている間に、後方から上級魔法や中級魔法で私やチェルシーがとどめを刺すという戦法で地道に倒していく。

 

 苦戦しながらも十階へと着いた。


 目の前には大きな扉がある。


 ダンジョンは十階ごとに強力なモンスターが居る。


 この扉を開ければ、ボスモンスターとの戦いが開始する。


 普通のモンスターでさえ手強かったS級ダンジョンのボスモンスターだ。


 激戦になるのを覚悟して扉を開ける。


 広い部屋の中心には、大きな馬に乗った黒い甲冑のアンデッドがいた。


 私達が部屋に入るやいなや、巨大なランスを持ちながら突撃してくる。


 私達は散開して、いつもの戦法で攻める。


 セシルとルートヴィヒが接近戦で相手の注意を引きつけている内に、私達は杖に魔力を込める。


 これだけ広い部屋なら最上級魔法も使える。


 敵はアンデッドだ。ならあの魔法しかない。


 「「レヴァンティン!!」」


 二振りの光の大剣がアンデット騎士を刺し貫く。


 アンデッド騎士は光の粒子となって消えていく。


 残ったのは白銀のランスだけ。


 白銀のランスをアイテム袋に入れる。


 最上級魔法が使えれば、S級ダンジョンのボスモンスターでも簡単に倒せるな。


 こりゃあ思ったより簡単に踏破出来るかもと思っていた時期がありました。


 しかし、通常モンスターとの苦戦の果てに辿り着いた、二十階層での戦いでそう甘くはないと痛感させられる。


 二十階層に現れたボスモンスターは、三匹の巨大なカメレオン。


 地面や壁の色に変化してとけ込み、見つけづらい中一匹を倒しても消滅せずに再生する。


 どうやら三匹のカメレオンを同時に倒す必要があるようだ。


 確実に三匹同時に倒すなら、最上級広範囲魔法のプロミネンスを撃てば倒せるだろう。


 チェルシーにアイギスを展開してもらい、プロミネンスを放つ。


 アイギスに守られた私達は灼熱の業火がカメレオン達を倒すのを待つが、いつまで経ってもカメレオン達は光の粒子にならない。


 確かに三匹のカメレオンを同時に焼いたのにと、疑問に思っていると、ルートヴィヒが私の肩に乗っている極小のカメレオンを見つけた。


 そう、敵は三匹じゃなく四匹だったのだ。


 極小のカメレオンも含めて同時に倒すのは大変だったけど、最近覚えた最上級水魔法フロストワールドで三匹を凍らせてから、極小の一匹を倒す事でなんとか二十階層を突破した。


 カメレオンが消滅する際に残したドロップ品は透明になれるマントだった。


 透明になれるマントをアイテム袋に入れ、野営の準備をする。


 皆かなり疲弊しているので、二十階層で休む事になったのだ。


 イルティミナの話によると、二十階層から出ない限りボスモンスターは復活しないらしい。


 なのでゆっくりと休む事にした。 


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