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第十七話 束の間の休日


 決勝戦が終わり、個人戦の表彰式が開かれた。


 一位は我が兄ルートヴィヒ。

 二位はチェルシー。

 ベスト四に入ったクルト皇子とナギ選手。


 この四人が表彰された。


 それぞれ表彰状と、順位が刻まれた水晶で出来たトロフィーを貰っている。


 羨ましい。私もあそこに立ちたかった。

 でもまだチャンスはある。

 タッグ戦で勝てばいい。

 ぐふふっ、待ってろ優勝トロフィーちゃん。


 

 個人戦表彰式が終わり、食事処天の恵亭でルートヴィヒの優勝とクルト皇子のベスト四、それから全員がベスト八に入れた事を祝してソフラ先生が食事を奢ってくれた。

 遠慮せずにたらふく食べたので、ソフラ先生は軽くなった財布を見て悲しそうにしていた。



 タッグ戦は一日休憩日を挟んで行われる。


 つまり明日は自由時間。宿でゆっくり休むも良し、街を散策するも良しだ。


 う〜ん悩む。

 悩んでいるとルートヴィヒが声をかけてきた。


 「明日僕と街を観て回らない?」


 速攻で首を縦に振った。


 やった〜。明日は美少年と観光デートだ。楽しみ過ぎる。

 


 ――翌日。


 宿で朝食を食べ、ルートヴィヒと街へと繰り出す。


 色々と見て回る事にする。


 まずはルートヴィヒのリクエストで武器屋に行くことになった。


 武器屋に入ると見覚えのある人影が。


 「ナギさん?」


 「ルートヴィヒさんとステラさん。お二人も武器を買いに来たんですか?」


 「はい、個人戦で剣がかけてしまったので、新しい剣を見に来ました。ナギさんも剣を探しに?」


 「ええ、ルートヴィヒさんとの戦いで折れてしまったので」


 「す、すみません」


 「いえいえ、お気になさらず。ルートヴィヒさんとの試合で折れてあの子も本望だと思います。それよりも刀以外の武器には疎くて途方に暮れていたんです。もし良かったら剣探しを手伝ってもらえないでしょうか?」


 「もちろん良いですよ。ナギさんの刀に近い剣ならこのブロードソードはいかがでしょう? この中では一番刀のサイズに似てると思います」


 「確かにサイズ感は刀とほぼ同じですし、何より良い剣です。これにします」


 ナギさんとルートヴィヒは楽しそうに剣を選んでる。私を置き去りにして。


 おいおい、ルートヴィヒさんよ。デートの最中に別の女の子に目を向けるのはマナー違反ですぜ。


 ナギさんは満足のいく剣を買えたのか笑顔で私達と別れて武器屋を出ていく。


 私の拗ねた顔に気付いたルートヴィヒが私の新しい杖をプレゼントしてくれた。ヤドリギの杖はボロボロになっていたからこれは有り難い。しかし、物で機嫌が治る私は自分の事ながら単純だと思う。


 武器屋を出て次は私のリクエストの魔道具屋に行く。


 せっかく魔法大国ガラルホルンの首都オウデンに来ているのだ。魔道具屋は一度見ておかないと。


 魔道具屋に入るとまたも見覚えのある人影が。


 金髪ドリルツインテールの髪型が特徴的なチェルシーが居た。


 私達に気が付いたチェルシーが近づいて来る。


 「···ステラとルートヴィヒ、買い物?」


 「ええ、そうです。チェルシーもですか?」


 「···ううん、見てるだけ。···お師匠様にあまり魔道具を買わないようにって言われてるから」

 

 チェルシーは物欲しそうな目で棚にある指輪を見つめている。


 「その指輪が欲しいんですか? そんなに高くないですし、よろしければプレゼントしましょうか?」


 「ホント!? ···買うなとは言われたけど貰うなとは言われていない。···くれるなら貰う」


 ルートヴィヒは指輪を購入し、チェルシーの指に指輪を着ける。


 チェルシーはルートヴィヒにお礼を言うと、嬉しそうに指輪を見つめながら魔道具屋を出ていった。


 おいおいおい。ルートヴィヒさんよ。デート中に他の女に指輪をプレゼントだぁ!? 減点です。かなりの減点です。


 私がご機嫌斜めになっているのに気付いたのか、魔道具屋で色々買ってくれる。だけど今回はそう簡単に機嫌が治るとは思わないでね。私はそんなに安い女じゃない。大事な事なのでもう一回言っておく。私は安い女じゃない!!



 「う〜、幸せ〜」


 現在ルートヴィヒに連れてきてもらったスイーツのお店でフルーツパフェを食べている。


 まさか異世界でフルーツパフェが食べられるなんて。


 数分前の私に謝る。ごめんなさい。私は物に釣られる安い女でした。

 

 フルーツパフェを食べている私を見て笑顔になるルートヴィヒ。


 えっ? そんな素敵な笑顔で見つめられたら照れる。


 スイーツ店を出た後、色々な店を二人で見て回る。


 見て回っていると、道ですれ違う人々がチラチラと私達を見てくる。

 中には握手を求めてくる人も居た。


 まぁ、それも仕方ない。なにせ私とルートヴィヒは世界魔法学院大会の出場選手。しかも、私は個人戦ベスト八、ルートヴィヒは個人戦優勝者だ。


 はぁ、皆に注目されるのって最高だね!!


 

 気付くと街が夕日に照らされている。もうそんな時間か。

 楽しい時間は過ぎるのが早い。


 「そろそろ帰ろうかステラ」


 「うん、お兄ちゃん」


 手を繋ぎながら宿へと帰り、宿の食堂で夕食をとって寝ることにする。


 久しぶりにゆったりと楽しめた一日だった。



 さぁ、明日からタッグ戦が始まる。


 ルートヴィヒと一緒なら負ける気がしない。


読んで頂きありがとうございました。

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