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第四話 院内大会①


五月が終わり、いよいよ院内大会が始まる。

 

 全校集会が屋内演習場にて行われている。

 院内大会の説明だ。


 大会は魔法の座学と実技の授業を使い行われる。 


 ポイント制で、勝つごとに1ポイントだ。

 院内大会参加者は三十人。五つの演習場にて行われる。全員と勝負し、ポイントの高かった五人が代表になれる。期間は約二週間。武器の使用も可。勝敗は戦闘不能状態もしくは相手の敗北宣言で勝利とする。


 ルールはこんな感じ。


 早速今日から戦いが始まる。


 校内の掲示板に誰といつ戦うのかが貼られる。一日に二回戦う事になるので、誰と戦うのかチェックする。


 一日目は三年Bクラスの先輩と二年Sクラスの先輩と勝負だ。


 

 結果から言えば勝った。それも圧倒的に。


 上級までの魔法を短縮詠唱できる私は魔法戦ではかなり有利。

 どちらの先輩にも魔法を放つ時間を与えなかった。



 セシルとルートヴィヒも二連勝したようだ。


 クルト皇子も二連勝出来た。まぁ、あれだけ魔法の訓練してたもんなぁ。努力は報われて欲しいと思う。


 二日目も似たような戦いになって圧勝した。


 ルートヴィヒ、セシル、クルト皇子も勝ったみたいだ。順調順調。


 だが三日目で状況が変わる。


 私の今日の試合は三年Sクラスの先輩とセシルだ。


 三年の先輩の方は問題なく勝てたけど、セシルは少し厄介だ。


 世界魔法学院大会は魔法さえ行使していれば武術も使用可能になっている。

 なのでセシルは当然武術を使ってくる。


 

 セシルとの戦いが始まった。



 速攻で片付ける!! 


 「フレアレイン!!」


 短縮上級範囲魔法だ。だけどセシルは躱す。躱しながら詠唱をする。


 「我が剣に風の加護を!! エンチャントトルネードブレード!!」


 剣に中級風魔法が付与された。まずい。


 「アクアシールド」


 咄嗟に防御魔法を展開し、セシルのトルネードブレードを防ぐ。


 早く距離をとらなければ。


 「ミスト!!」


 霧の魔法で視界を奪い、その隙に距離をとる。


 出し惜しみ無しだな。私は必殺技その一を使う事にした。ちなみに現在必殺技三まである。


 水属性と風属性の上級魔法を掛け合わせる事で生まれる私の最速魔法、その名も!!


 「ライトニング!!」


 「なっ!? ぐわぁ!!」


 霧から脱出し、私に近付こうとしているセシルに雷光を放つ。


 セシルは回避行動に移ろうとするけど、間に合わずライトニングの直撃を受け倒れる。


 審判が戦闘不能と判断し、私は勝者となった。


 危なかった。出し惜しみしていたら負けていたかもしれない。


 セシルは少しの間気絶していたけれど、すぐに目を覚ました。


 「ステラ、さっきの魔法カッコイイな! 後で教えてくれ!!」


 笑顔のセシルに負けた悔しさは見えない。それよりもライトニングに夢中みたいだ。


 セシルと私の勝負は終わり、あとはルートヴィヒとクルト皇子だけど。


 ルートヴィヒは難なく勝って六連勝。


 だけど、クルト皇子は一回負けていた。


 私は少し驚いた。クルト皇子の戦いを見て中々手強いと思っていたのだ。なのにそのクルト皇子が負けた?


 相手は誰だ? 聴き込むと、三年Sクラスの特待生にして生徒会長であるウリス·コールメルに負けたらしい。入学式の時に挨拶していた黒髪黒眼の美人さんだ。

 なんでも彼女、二年前の世界魔法学院大会に、シュライゼム魔法学院唯一の一年生として出ていたらしい。異名は『黒姫』。なんだか強そうだ。



 だが世界大会経験者か。この院内大会一筋縄ではいかないかもしれない。

 

 四日目。私は危なげなく8連勝。


 セシルも二回勝ち、クルト皇子も二回とも勝っている。


 あとはルートヴィヒだけど二回目の戦いで『黒姫』ことウリス生徒会長と当たることになった。


 ルートヴィヒが負ける所が想像出来ないけど、相手も未知数だ。さてどうなる? ルートヴィヒと生徒会長の戦いは私の戦いと重なっていなかったので観覧する。

 


 試合が始まる。

 先行したのはルートヴィヒ。魔法を詠唱しながら瞬歩で生徒会長に接近する。

 

 「光の精霊よ、聖なる精霊よ、我が剣に輝く力を! エンチャントホーリーブレード!!」

 

 光の剣が生徒会長を届こうとした瞬間、闇の防御魔法シャドーウォールがその剣を防ぐ。


 希少な闇魔法使い。だが驚くのはそこじゃない。今無詠唱で防御魔法を発動していた。


 高度な詠唱技術である短縮詠唱よりも更に高度な無詠唱を使えるなんて。


 そりぁ、クルト皇子が負けるのも無理ないかもしれない。


 間髪入れず闇の中級魔法シャドーレインがルートヴィヒを襲う。

 ルートヴィヒは回避に徹する。


 生徒会長の猛攻が止まらない。無詠唱で次々と攻撃魔法を繰り出す。  


 一見ルートヴィヒが劣勢に見える。だが私の兄ルートヴィヒはその程度じゃない。


 攻撃魔法を躱しながら詠唱を始めた。


 「光の精霊よ、聖なる精霊よ、我を守るための我を生み出せ!! セイクリッドミラージュ!!」


 演習場全体に光の粒子が舞い散る。


 するとルートヴィヒが五人に増えた。セイクリッドミラージュは光の屈折を利用した分身魔法。


 生徒会長の攻撃がルートヴィヒに当たるもどれも分身。更に分身はルートヴィヒの魔力がある限り増え続ける。


 ルートヴィヒに時間の余裕が出来た。


 こうなればもう勝負は決まったようなもの。

 

 瞬歩で生徒会長の後ろに回り、剣を振る。


 「光迅流四ノ型光雨(こうう)


 超速の連突きが生徒会長を襲う。


 生徒会長はその場でうずくまり戦闘不能。


 ルートヴィヒの勝利だ。


 ルートヴィヒの勝利も嬉しいけど、生徒会長の魔法を見れたのは大きい。

 

 四日目が終わり、五日目、六日目、七日目と順調に勝っていく。

 

 院内大会は後半戦に突入した。 

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