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第十話 戦闘


 冒険者にもなったし装備も整えて準備万端。


 街近くの草原でモンスターを探す。


 すると早速ホーンラビットが三体現れた。


 僕は瞬歩を使い、ホーンラビットに近付き、光迅流の一ノ型疾風(はやて)の応用技三疾風(みつはやて)で三つの首を斬る。

 恐らくホーンラビット達は斬られた事に気付かぬまま絶命した。


 「おいおい、一人で倒すなよ。しかも雑魚モンスターのホーンラビット相手に瞬歩や三疾風まで使って。あきらかなオーバーキルだぞルゥ」


 「すみません、つい力が入っちゃいました」


 前戦ったレッドベアを思い出して力んでしまった。


 三体のホーンラビットから素材のツノと毛皮、肉を取り出す。

 ホーンラビットの肉は美味しいので屋敷のお土産として確保しておく。

 

 「モンスターの解体上手いな。ルゥも初めてモンスターの解体をするんだよな?」

 


 「はい、ですが本で解体の知識はあったので。結構簡単ですよ?」


 「ハハッ、さすがルゥだな」


セシルと解体したホーンラビットの残骸を土の中に埋める。残骸をそのままにしておくとモンスター発生の原因になるので解体後の処理はしっかりしないといけない。


 ステラは血や内蔵を見て目を背けていた。確かに気持ち悪いもんな。


 「よ〜し、次は俺がモンスターと戦うぞ」


 「私もやっつけるぞ!」


 セシルとステラはモンスターがいないか目を爛々とさせながら周囲を探す。


 するとスライムを三体見つけた。


 セシルが剣を構え突撃する。


 光迅流初伝になったセシルの剣がスライムを二体切り伏せる。


 「エアカッター!!」


 残り一体のスライムはステラの短縮詠唱の風魔法で真っ二つになった。


 スライムの素材はスライムゼリーとスライムの核だ。


 スライムゼリーはリュックに入れていた空き瓶に詰める。


 「よぉ〜し、この調子でガンガン倒すぞ!」


 「お〜!」


 気合の入っているセシルとステラ。


 すぐにモンスターを発見する。お次はゴブリン五体だ。

 ホーンラビットやスライムは最低ランクのFランクモンスターだけど、ゴブリンはEランクモンスター。しかも五体。


 油断をせずにいかなくては。


 「僕とセシルで二体ずつ相手するからステラは残りの一体をお願い」


 「わかった」


 僕とセシルは素早く相手との距離を詰め、一体目を切り、二体目は振り向きながら首を切る。


 「影槍!!」


 ステラは短縮詠唱の闇魔法でゴブリンを刺し貫く。


 あっという間に倒してしまった。


 「私達って強くない?」


 「まぁ、光迅流初伝の俺と光迅流中伝になったルゥ、それに短縮詠唱の魔法を使えるステラなんて草原のモンスター相手じゃ過剰戦力過ぎるよな」


 確かにここのモンスターなら何匹いても倒せる気がする。

 だけど油断は禁物だ。気を引き締めよう。


 その後もモンスターを倒しまくり、ゴブリン三十体、ホーンラビット二十体、スライム二十体を倒した。


 ゴブリンは素材が取れないので、討伐証明の耳を切って死体は火魔法で焼き尽くす。

 

 リュックサックが素材と討伐証明でパンパンになったので街に帰る事にする。

 

 

 街に戻り、冒険者ギルドに入る。


 カウンターまで進み、冒険者登録をしてくれた受付嬢さんに話しかける。


 「買い取りをお願いしたいんですが」


 「買い取りですか? というかもう戻ってきたんですか!? まだ出ていって三時間しか経ってないですよ」


 「ええ、素材を入れているリュックが一杯になったので戻ってきました。


 「じゃあ、右に買い取りカウンターがあるのでそちらに素材を出して貰えますか? そこで査定させて頂きます」

 

 教えてもらった買い取りカウンターに向かい、お土産の分のホーンラビットの肉はリュックに残し、カウンターに素材を出す。


 「ず、随分ありますね」


 「はい、ゴブリン三十体分の討伐証明とスライム二十体、ホーンラビット二十体の討伐証明と素材です」


 「···確認させて頂きます」


 苦笑いしながら受付嬢さんは素材をチェックしていく。


 「確かにゴブリン三十体の討伐証明とスライム二十体、ホーンラビット二十体の討伐証明と素材がありますね。素材は全部買い取りに出しますか?」


 「はい、お願いします」


 「それではゴブリン、スライム、ホーンラビットの討伐報奨金とスライムとホーンラビットの素材を合わせまして銀貨二百枚になりますがよろしいですか?」

 

 銀貨二百枚。千枚で金貨一枚分なので、思ったよりもいい値段だ。


 「はい、構いません」


 「それでは銀貨二百枚になります」


 渡された銀貨二百枚を金袋に入れる。



 「しかし、短時間でこれだけのモンスターを狩ってくるなんてさすが神童兄妹とフェブレン家の若君ですね」


 「神童兄妹?」


 「はい、お兄さんの方は若くして光迅流中伝の位を持っていて聖属性魔法も使える神童。妹さんの方は六属性全ての魔法適正があって、短縮詠唱魔法も使える才媛だと有名ですよ。あとお二人とも怪我人の傷を治しているので、聖人様、聖女様とも呼ばれています」

 

 「ほう、さすがルゥとステラだな」

 

 「お二人だけではないですよ。セシル様も剣も魔法も優れていて、その上凄い努力家だと聴いてますよ。フェブレン領の未来は安心だと街の皆が話しているんですよ」


 「なっ!?」


 セシルの顔が赤くなる。彼は褒められるのが苦手なのだ。


 恥ずかしそうにしてるセシルと違い、ステラは褒められてニヤニヤと笑っている。凄い嬉しそうだ。


 恥ずかしがるセシルがそそくさと冒険者ギルドから出ていったので受付嬢さんに礼を言って僕達も追いかける。


 外に出るともう夕方だ。


 フェブレン邸に向かって歩きながら魔法学院の試験を受けに行く二週間の旅路についてセシルと喋る。


 「このぶんだと旅路でモンスターに襲われても対処できそうだな」


 「ええ、油断は禁物ですが、大丈夫そうですね」


 と話しているとステラが会話に割り込む。


 「その魔法学院の試験を受けに行くのにわたしもついて行っちゃ駄目? というか私も試験が受けたい」


 またワガママを言い出したステラ。


 「駄目に決まっているだろう。だいたい魔法学院は十三歳になる年にならないと入れない決まりだろ?」


 当然却下するが食い下がるステラ。


 「王都で宮廷魔導師になっているマルタお姉ちゃんの手紙で、特待生試験なら年齢関係なく受けられるって書いてあったもん」


 「う〜ん、でもなぁ」


 僕が渋っていると、ターゲットをセシルに変える。


 「ねぇ、お兄ちゃんとセシルと離れたくないの。いいでしょ?」とセシル陥落を狙う。


 セシルはステラに甘いので当然陥落した。


 「まぁ、いいんじゃないか。特待生試験に受かれば三年間離れ離れにならずに済むし。許してやれよ、ルゥ」


 結局二人がかりで攻められて僕も陥落した。


 試験は三人で受けることになった。

 

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