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カナリア山脈

更新が遅くなりました…申し訳ありません


 

 カナリア山脈はオリト達が滞在する街の北にある。山脈の奥の方まで行かなければあまり強いモンスターもいないので初心冒険者にはうってつけなのだが、奥地になると途端に上位モンスターが出現し、迷い込んだ初心冒険者が毎年数人犠牲になっている。


 オリト達はその奥地の入り口まで来ていた。


「じゃあみんなここから奥地だから慎重に行こう」


 奥地は高く育った木によって空が遮られ、薄暗く前が見えづらい。


「……なんか気味の悪い場所ね…」


「ラーナはこういう所は苦手?」


「そういうわけじゃないけど…」


「………ふぅっ」


「ひぃやぁぁぁぁ!!」


 ラーナの悲鳴に驚いたオリトがラーナの方を見ると、耳をおさえてしゃがみこむラーナとニヤニヤ笑うマリーナが立っていた。


「……なにしたのマリーナ?」


「緊張をほぐしてあげただけよ」


「何するのよマリーナ!!!」


 涙目のラーナ。ニヤニヤ笑うマリーナ。


(相変わらずだなマリーナ)


 勇者パーティにいた時からマリーナはいつもオリトに今の様ないたずらを仕掛けていた。でもオリトは知っている。これは仲間のことを考えての行動だと。今もラーナの気を紛らわすためにしたことだろうと。そのことを知らないラーナはマリーナに抗議してるけど。


 そう考えていると森の奥からズシッズシッと何かが近づいてくる足音が聞こえた。


「どうやら来たみたいね。さっきのラーナの悲鳴が聞こえたのかしら」


「私のせい!?」


「ふふ、どうかしらね…」


 近づく足音。しばらくすると木々の間から大きな豚の顔が出てきた。間違いない。キングオークだ。


「じゃあ僕が前に出るから、マリーナとラーナは援護をお願い!」


「わかったわ!」

「了解よ」


 完全に姿を現したキングオークと対峙し、オリトは剣を抜き


「勇者よ!僕を助けてくれー!!」


 自分達を強化し、続けて


「僕を勇者にしてくれー!」


と自分を勇者化する能力を発動する。


「プギィヤャァァアァー!」


 3メートル近くあるキングオークが叫ぶ。大地が揺れるほどの叫び声にオリト達は一瞬ひるんでしまう。


 その隙を逃さないキングオーク。巨漢に似合わない素早さでオリトに殴りかかる。ひるみから立ち直ったオリトだが回避には間に合わない。剣を体の前に構え防御態勢をとるが、下から突き上げられたキングオークの拳を受け、吹き飛ばされる。


「オリト!!」


 近くの木にぶつかって地面に落ちる。

 オリトは剣をつき、なんとか立ち上がる。


(もう少し防御が遅れたらヤバかった…)


「オリト!大丈夫!?」


「……なんとか」


「ラーナ私が少し時間を稼ぐからオリトの回復を頼むわ」


 そう言ってマリーナはラーナにポーションを渡し、キングオークに対峙する。


「さてこの豚野郎…私のオリトを傷つけた罪…どう償わせてやろうかしら………」


 マリーナが魔力を杖に集めている。

 危険を察知したのかキングオークはマリーナに向かって攻撃を仕掛ける。


「遅いわ!『氷牙』」


 マリーナがそういうと地面から氷の棘が現れる。マリーナに攻撃をしようと走っていたキングオークは目の前に現れた氷の棘を回避することが出来ず勢いのまま突っ込んだ。


「プギィィヤー!!」


 キングオークから悲痛の声が上がる。


「まだ…終わらないわよ…『氷槍』」


 マリーナの周りに氷の槍が出現し、マリーナが杖を振るうとキングオークに向かって槍が飛んでいく。


「プギィィィィ………」


 氷の槍が突き刺さったキングオークはしばらくジタバタしたものの徐々に気力を失い、動かなくなった。


「…ふぅ、大したことなかったわね。オリト大丈夫?」


 マリーナがそう言ってオリトの方に振り返る。


「…助かったよマリーナ…やっぱり強いね」


「オリトの強化あってのものだわ。私だけの魔力じゃあそこまで出来ないもの」


 ふふっと笑うマリーナ。

 オリトもそれにつられて笑う。




 ズシッ




 その足音に気づいた時、オリトの目の前でマリーナが宙を舞った。そして先程まで氷に突き刺ささっていたキングオークが先程までマリーナがいた位置に拳を突き出した状態で立っている。


 そうキングオークはまだ絶命していなかったのだ。


 ドサッと地面に落ちるマリーナ。


「マリーナァ!!!!」


 オリトの声にもマリーナは反応がない。

 その間にもキングオークはオリト達に攻撃する体制をとっている。


「ラーナ!マリーナのところに急いで!!」


「分かったわ!」


 オリトは剣を構え、キングオークに対峙する。


「許さない…僕の大切な仲間を…!!」


 その時、エルフの聖剣が光り始めた。そしてその光はオリトを包み込む。


(なんだ…力が溢れてくる)


 オリトとキングオークは向かい合った状態からほぼ同時に相手に向かって飛び出す。相手を確実に葬るために。


「プギィヤャァァアァ!!」

「うおおあぉぉぉぉ!!!」


 突き出された拳と剣がぶつかる。


 ギャイイィン!!


 鋭い音がなり、互いに一歩下がる。

 攻撃力は互角のようだ。


 ただキングオークはマリーナの攻撃がかなり効いているのか動きが鈍くなっている。


(僕はまだ全然動ける。あいつを倒す力が僕にはまだ残っている!)


 オリトは再び剣を構えキングオークに攻撃を仕掛ける。


 キングオークもオリトに反応して動こうとする。

 しかし前に進んだキングオークが何かに足を取られ前のめりに転倒する。

 よく見ると倒れたキングオークの手足には蔦が巻きついている。


 倒れて動けなくなったオークの首にオリトは剣を振り下ろし確実に絶命させる。


 そしてオリトはマリーナのもとに急いだ。




なんとか10話到達しました。これからも頑張ります!

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