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プロローグ

読んでくださりありがとうございます!気に入っていただけると幸いです。

(ブクマしてくれると嬉しいですなんて…)


「……お前さ、最近調子乗ってると思うんだよ俺」


火龍討伐のクエストが終わって、宿で飯を食べていると突然勇者であるカイザールが言い始めた。


「今日も勇者である俺の見せ場を奪ったよな?火龍にとどめを刺すとき」


「あ、あれは…」


カイザールはとどめの一撃を繰り出すために技の準備をしていた。

しかし火龍はその隙を突き、カイザールに攻撃しようとしていることに気づいた僕は、足止めのために火龍へと攻撃を繰り出した。

すると当たりが良かったのか、火龍を倒してしまったのだ。


「あー?俺何か間違ったこと言ったか?」


「……いや、カイザールは間違ってないよ…」


「だよなー!そういえば前にも同じことがあったよな?あのとき俺、次やったらなんて言ったっけ?」


「パーティをクビにするって…」


「そうだよなー!じゃあ、お前クビな!!」


「ちょ、ちょっと待ってよ!僕は…」


「口答えすんなよ!まぁ、クビになりたくはないわな!だってお前の能力、俺がいないと使えないもんなぁ!」


「それは…」


そう僕の能力は勇者がいないと使えないのだ。


「分かったらさっさとここから立ち去れよ「勇者をしじする者」さん!アハハハハッ!!!」


僕オリトの能力は「勇者をしじする者」なのだから。




オリトが立ち去った後私は


「ねぇ、カイザール。彼を追い出すのは間違ってると思うのだけれど……」


とカイザールに言った。


「あ?俺の決定が間違ってるとでも言うのかマリーナ?」


「いや…そう言うわけじゃないんだけど…」


今日の彼の行動は明らかにカイザールを助けていたし、今までも何度も助けられている。

だから彼をクビにするのは間違っていると思った。


「ま、俺の判断が間違ってたことなんて一度もないんだ!俺は勇者だからな!俺が言うことは全部正義なんだよ!」


……カイザールは何を言っても聞かないだろう。

はぁと私はため息をついた。





突然パーティから追い出された僕は行く先もなく、トボトボと街の中を歩いていた。

報酬の管理はすべてカイザールがしていたからお金はほとんど持ってないし、武器や装備もカイザールに取り上げられてしまった。


「これから僕はどうすればいいのだろうか…」


今日はもう野宿するしかないので、街の外れにある森の手前で野宿をすることに決めた。

焚き火を作り、地面に横になる。


「お願いだから、モンスターとか出るなよ…」


装備もない僕は今モンスターに襲われたらどうしようもない。

即ゲームオーバーだ。


不安に思いながら眠りにつくと、思いのほかすんなり眠ることができた。

今日の火龍討伐で疲れていたのかな。


眠りについてからしばらくして、


ガサガサッ!!


と近くで音がなった。


「モンスターかッ!!」


僕は飛び起きて距離をとった。

音がなった方を見ると、身体中傷だらけの女の子が立っていた。

長い金髪をポニーテールにし、手には弓を持っている。


女の子は僕を見て


「…助けてください……追われてるんです!」


と言った。

すると森の中から3人組の男が出てきた。


「お、いましたぜアニキ!」

「手間取らせやがって…おいさっさと捕まえろ!」

「ヘイ!」


ナイフを手に持った子分2人が僕たちに迫ってきていた。


「おい!大人しくその女をこっちに渡しな!さもなくばお前も殺すぞ!?」

「お前も早く捕まって楽になれよ!お前の仲間たちと同じように可愛がってやった後、奴隷商に売り渡してやるから!」



ナイフを構えてニヤニヤ笑う男たちに女の子が


「誰があんたたちに捕まるもんですか!もう逃げられないなら、ここであなた達を殺すわ!」


と、弓を構える。俺の後ろで。


「あ、あの、僕を挟むのやめてもらえませんか…」


「ああん?じゃあそう思うならさっさとどけよ!!」


「は、はい!」


と、どけようとすると体が動かない。

何か背中を引っ張られているような…

背中を見ると、ガッチリと女の子が俺の服を掴んでいた。

そして、


「…か弱い女の子が勇敢にも戦おうとしてるのに、逃げるなんてこと…しませんよね?」


とプレッシャーをかけてくる。


「いや、僕武器持ってないし、戦えないから!」


「じゃあ私の盾にでもなりなさいよ!!」


「そんな無茶な!!」


なんて無茶なことを言う女の子なんだろう。

つまり僕に死ねと言うことなのか!?


「どかねぇなら死ねや!!」


男達が突撃してくる。


「えーい!もうどうにでもなれ!勇者よ!僕を助けてくれー!」


無駄な足掻きとは分かっているのだが、能力を発動する。


ドスドスッ!!


目の前で男2人が倒れた。

見ると胸に矢が刺さっている。


「た、助かった…のか?」


僕はその場にへたり込んだ。


「てめぇ、よくも俺の部下をッ!……」


ボスらしき人物の言葉の途中で頭に矢が刺さり、倒れた。


「…ふぅ」


弓を下ろした女の子は息を吐いた。

そして地面に座る僕の肩を両手で掴み、


「ねぇ!今あなた私に何をしたの!?」


と問い詰めてきたのだった。



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