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枚方ヒッチハイクガイド

作者: Shran Andria

ある食投稿サイトで、短編投稿していたもを繋ぎ合わせた。


枚方ヒッチハイクガイド

(フィクションです)


☆大阪の中心地と、京都の中心地を結んだ中間あたりに、枚方市という街があった。たいていの人には重要ではなく「ひらかた」と読めない人すらいた。

しかし、この街に特別な価値を見出している男がいた。それはアーサー・デントで、理由はただ一つ、彼がたまたまそこに住んでいるからだった。

住みはじめたのは、15年ほど前で、ロンドンの生活に疲れて、日本で英語教師になるため日本に引っ越してきたのだった。

30歳の長身で、いつもくよくよ悩んでいる。彼が一番悩んでいるのは、何をそんなに悩んでいるのかと会う人会う人に訊かれることだった。

彼は、教師の試験に合格せず、地元のラジオ局で働いていて、君が思っているよりずっと面白い仕事だぜと言っていた。

彼がよくいくカフェの向かいにはシュラン・アンドリアがいた。

アーサーは、サルの子孫であったが、シュランが、ギルフォード出身と言っていることを疑ったことはなかった。実は嘘で、彼はベテルギウスの近くの惑星出身であろうとは。


アーサー・デントは、まさかそんなこととは夢にも思わなかった。


彼も地球に来て15年、溶け込むことに努力をした。役の付かない俳優のふりをしていたが、それは実際によくあることだった。

シュランは、地球ではだれも見たことのない大熊座の大出版社で発売されたベストセラー ”銀河ヒッチハイクガイド” の現地調査員だった。


かつて、前任のフォード・プリフェクトは、地球について「ほとんど無害」と記していた。


ところで、銀河ヒッチハイクガイドには、カフェは次のように書かれています。


・ビジネスなどで使う待ち合わせ場所

・仲のいい友達とほとんど意味のないことを話す場所

・別れ話で、急に男、または女が泣き叫び、相手を公衆の面前でディスる場所


この物語は、壮大な銀河ヒッチハイクガイドの物語ではなく、アーサーと、シュランが枚方で巻き起こす、ほとんど誰にも関係ない物語である。


☆ある夜、アーサーは、シュランにせかされるように、枚方市駅横のT-Site 1Fのワインダイニングに入った。

シュランは、まずはビールが必要だと言い、2人分のビールを頼んだ。


シュランは、のまなくちゃやってられない、君も飲めといってビールをあおった。

わけのわからぬまま、アーサーもビールを飲んだ。


2人は店を出ると、T-Site裏の喫煙所に行った。


シュランはアタッシュケースをあけると、何やら見たこともない装置が緑色に点灯するのを見て、いよいよだと言った。そして、さっきのビールが役に立つと微笑んだ。


銀河ヒッチハイクガイドには、時間について次のように書かれています


・なんとも不平等に流れる、人生の横軸

・ある人には退屈で永遠のもの

・ある人には早過ぎて、いつも足りないもの


緑の光が点灯から激しい点滅に変わった時、シュランは右手を大きく上げ、親指を立てました。

すると2人の目の前に小さな車くらいの大きさの黒いタマゴ型のものが現れました。

アーサーが驚くまもなく、シュランに手を引かれ、2人はたまごの壁をすり抜け、中に吸い込まれるように入っていきました。


シュランは、驚き固まっているアーサーにビールで体を弛緩させておかないと辛いんだ。と言って2人でいすに座ると、黒いタマゴは激しく振動して、その振動は、喋ることもできないほどに達して、やがて10秒後、振動がとまり、外に出ると、目の前では、舞妓さんが流れるような踊りをしている情景に変わった。


腰が抜けるほど、驚いているアーサーに向って、シュランは、イベントが起こるところに行けるイベントドリブンムーバーエッグ、略してEDMEという乗り物だ。仕組みのことは考えるな。君の頭では多分理解出来ない。


君のラジオ局の取材になると思って連れて来たんだ。


銀河ヒッチハイクガイド別巻、枚方ヒッチハイクガイドには、カルチャーについて次のように書かれています。


・カルチャーは、生まれては消えていくもの

・残るカルチャーには、収益のある人々がまわりにいる場合

・枚方の夜にスケボーがはやり続けるのは謎


・イギリスでは、パブで、うだうだと飲んで喋る習慣があり、それがもとでアーサーは神経衰弱になり、日本に渡った。

しかし、特に改善はみられず、不眠症になったため、とある精神科を訪ねた。

その主治医がマービンという医師で、その後友人となり、休日にはランチやカフェでよくウダウダしている。

2人とも、すっかり日本食が好きになり、今日は蕎麦屋で一杯やっていたのだ。

何時ものことだが、最初黙り込むマービンにア-サーが元気ですか?と訪ねる。

少し間をおいてマービンが『ひどく落ち込んでいます。』

アーサーは、だろうね。と相槌をうつ。何があったんだい?

『昨夜、3人の若い男3人組に話しかけられて、少し話をしました。』

それで?アーサーは続きを促した。

『オジさん、もう少しゆっくり話したいな、そこに公衆トイレがあるから、そこで話そうやと言われ、トイレに行きました。』

アーサーは、目を丸くして、それって・・・・。

『お金が欲しいというので、お金の概念や、現在の世界の経済状態、為替による人類の仕組みについて、2時間と12分話してあげました。』

それで❓

『彼らは、こいつヤバイぜ、と言って、私を一人残して行ってしまったのです。私はひどく落ち込んでいます。』


枚方ヒッチハイクガイドにはお金について次のように書かれています。


・拝金するべきではない

・お金は自己実現のためのツール

・欲のない人には増え、そうでない人

マービンは、実は重度のうつ病で、精神科を廃業しようと思っていたが、鬱々と患者に話すうち、患者が彼を思いやって話すうち、もっとひどい人がいるんだ、がんばらなければ!

と言って、多くの人が立ち直ったり、もっと言えば、人を救いたいという気持ちになり、ますます、マービンの診療所は患者が押しかけ、廃業するに出来なくなるばかりか、いつしか名医と呼ばれるようになっていた。


枚方ヒッチハイクガイドには、精神疾患について次のように書かれています。


・概ね、神経伝達物質の不順であり、薬物で補うことができる

・本人の思いこみでネガティブループに入っていくが、コミュニケーションである程度克服できる場合がある

・宇宙的に蔓延しており、銀河政府の大きな責任である


アーサーは、つとめてマービンを慰め、優しくせっした。マービンは『私は、精神科医です。あなたに慰められるほど、落ち込みます。帰って休みます。』と言って店を出て行った。


アーサーは、僕がもっとしっかりしなくてはと、思わず拳を握りしめた。


枚方ヒッチハイクガイドには、母性本能について次のように書かれています。


・一般論では、母が子を守るために持つ本能

・しかし、頼りない男に女性が持つ場合もあり、恋愛と勘違いすることもある

・もっといえば、同性同士でもあるが、恋愛に発展することはまれ。まれなので、ありうること。


☆ところで、銀河ヒッチハイクガイドには約束について次のように書かれています。


・小さな約束ほど、破ると大事になる

・昔、タラクシアの国王が髪を染めてないと偽り、最終的に星間戦争に発展したことは、銀河史に残る

・今だ、一部の哲学者の間では、大きな嘘、小さな嘘の効力について議論されている


また、別巻、枚方ヒッチハイクガイドには、上記を参照した上で、下記の事例が物語風に記されています


・淀競馬で大負けしたことを隠した夫と、コンビニでカラアグくんを闇食いした夫、それぞれのいく末


☆アーサーは、友達に会わせたいとパブに誘われていた。

シュランは、大柄な男を、ザフォド・ビーブル・ブロックスで、昔からの友人だと紹介した。ザフォドは、実は銀河系大統領であるが、アーサーはそれを知る由もないし、第一、銀河系大統領なるものの存在すらしらなかった。ザフォドが、なぜ大阪にいるのか、それはおいおい明らかになるが、アーサーは、ザフォドの横にいる長身で少し色黒のトリリアンを見て驚いていた。確か2年まえだっただろうか、枚方で開催されたコスプレパーティーで、なんとか勇気をふるい声をかけたが、2つ首のある仮装をした大男に首尾よく連れていかれた彼女だったからだ。

あっ、と大声をあげた。大男、確かに彼だ。ザフォド・ビーブル・ブロックスだ。


ザフォドは、どうしたんだ地球人、いきなり大声出して。と言った。


銀河ヒッチハイクガイドには権力について次のように書かれています。


・権力は、時に大勢を統率する。

・権力は、時に大勢により除去される。

・銀河系大統領の存在目的は、権力を行使することではなく、権力を目立たせなくするためのものである。


アーサーは、慌てて、すみません。なんでもありませんと言った。

大男にしめられたらどうしようと怯えていたが、ザフォドは気にとめてもおらず、端にいたマービンを見つけ、マービン、居たのかと言った。

マービンは、『私になんかに気を遣わなくて、結構です。落ち込みますから』

ザフォドはあい変わらずだな、気は遣ってないから、コーヒーをとって来てくれといった。

マービンはトボトボとコーヒーを取ってきて、黙り込んだ。

アーサーが気をつかい、ザフォドと知りあいかい?手伝おうか?と言った。

マービンは、顔を上げるのも面倒くさいといった態度で、『いいんです。スーパーコンピュータ3台分の能力がある私は、コーヒーを給仕するのが好きなんです。この上なく落ち込みます。』と言って、黙り込んだ。

ザフォドはマービンを気にもとめず、大事な話がある。と、皆を見渡した。


銀河ヒッチハイクガイドにはパ-ティについて次のように書かれています。


・人と出会い、人と別かれ、人と出会い、人と別れる場

・一般に立食であり、人とコミュニケーションをとることが苦痛でない者が参加する場。時に苦痛でも出席を強いられる場合がある。

・パーティーに出席することを生業とするパーティー族は存在する


ザフォドは、ここに漂流して15年、ようやく解決の方法が見つかった。

確かに、黄金の心号はここにある。もう少しで、この退屈な惑星を離れることができる。ある答えを見つければな。と言った。

シュランも喜び、普段、瞬きしない目をパチクリさせた。


マービンは、より落ち込んだことをわからせようと、7.8度ばかり首を下に下げた。


アーサーはわけもわからず、マービンにザフォドとどんな関係なんだい?ときいた。マービンは『疲れました』と一言いって、さらにこうべをさげた。


ザフォド・ビーブル・ブロックス。

銀河系大統領にして、躁患者、ヒッピー。この上なく大統領に相応しくなく、銀河系大統領に最適任者だった。


マービンはその治療のため造られた銀河で一番の知力を持つアンドロイドとしてシリュウス電脳会社によって開発された。地球に漂流してから精神科医として、振る舞っていたが、持病の鬱が悪化していた。


☆ザフォドはいきなり『生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え』ここにあり!と言った。そして答えも知っている。


マービン、トリリアン、シュランは頷く。


アーサーは、また、おいてきぼりかと肩を落とす。


日の出と洛陽・・・


だが、やがて皆真実へと一歩々、近づく。


ザフォドの演説調のしゃべりはとまらず、アーサーはわけもわからず涙目になり、つったっていた。


トリリアンは、察してアーサーにわかりやすく噛み砕いて教えた。

しかし、アーサーは2年前に憧れていたトリリアンがこんなに顔を近づけ、こしょこしょと喋るので、今度はまいあがっていた。


聞いてる?とトリリアンに言われ、平静を装ってアーサーは、8割方わかったと言った。が、実際は一つも解っていなかった。


ザフォドの演説は続いていた。


マービンは、うなだれ、睡眠モードに入っていた。

シュランは、銀河ヒッチハイクガイドの編集を続けていた。


☆翌日、アーサーは、月例検診でマービンの診療室に入った。

マービンは開口一番、『私を慰めないでください。これ以上落ち込みたくないので』

アーサーは、僕が患者だよ。慰めたりしない。最近、変てこなことが多くてノイローゼになりそうだ。

・シュランといて黒い玉が現れいきなり京都に行ったこと

・ザフォドが現れ、万物とか宇宙とか、わけのわからない事を言うけど、自分には全然わからないこと

・2年程前に失恋したトリリアンが突然現れ、耳元で囁いたこと

マービンは珍しく多弁になった。

『まず、シュランが載せたのは、異次元ヒッチハイクタクシーです。が、作者もSFにこれ以上走ると後が続かないと、後悔してるので、もう出てこないでしょう。哀れです。』

『ザフォドが言ってたのは、もはや地球でも常識です。試しにGoogleで、“Answer to the Ultimate Question of Life, the Universe, and Everything”とググッてみて下さい。答えは出てきます。おそらく、Googleの技術者に原作のファンがいたのでしょう。あなたが疎いだけです。』

『トリリアンは2年前の枚方コスプレ祭りで、銀河系大統領のザフォドにナンパされ、大統領秘書になったのです。貴方と、ザフォドが会うのはストーリー上必然なので、トリリアンと会うのも当然なのです。』


アーサーは、溜め息をついて、やっぱり全然わからない。と言った。

そして、僕以外は、未来か何処からかきた宇宙人なんだろ❓僕にわかるわけがない。と言った。


マービンは、少し下を向いて、『トリリアンは枚方に留学した、地球人です。果てしなく落ち込む。』と言って、無口になった。


アーサーは、ますます解らないと言って下を向いた。とりあえず、もう少し強い睡眠薬をくれと言って診療室を出た。


マービンは『止め処なく落ち込む』と言って、アーサー所望の処方箋を書いて、更に下を向いて、スリープモードに入った。


その夜、5人は焼肉屋に集まり、肉をつついていた。

アーサーは、万物と・・・について、ググッた結果、”42”という数字が出てきたと言った。

ザフォドは、そんなことはわかってる。答えは42。それはアホのブォゴン人でも知っている。万物と・・・・の問いが明確でないから42の意味がわからないんだよ。とイラついたように言った。

トリリアンは優しくアーサーに、究極の問いとは何か?というところに銀河中の話題がおよんでるのよ。と言った。


アーサーは、また、出遅れていた自分に傷ついた。


シュランは、もう少しでベテルギウスに帰れると期待していた。


ザフォドは、生物はなぜ生まれ、なぜ生きるのか、これを、何故、われわれは、美しいものを求めるのかに置き換え、今後答えを導きだす。

その結果は必ず、42に結びつく!といって、肉をほうばった。


マービンは、首を12.3度下に傾け、スリープモードに入った。


☆いつもの5人で、いつものパブでだべっていると、突然ザフォドが、和歌山に行くと言いだした。

シュランは何か思ってのことか?と聞いたが、ザフォドが、和歌山にいけばわかる!と言った。

トリリアンは表情を変えずに、マービンに車を準備してと言った。

マービンは、わざと右足を引き摺るように外に出ていった。

アーサーは、相変わらず、唖然としていた。


5人は新和歌浦の海の見えるレストランで、地中海料理を食べながら、ザフォドの話を聞いていた。


食材はやってくるものか、食材にあいにいくものかと言う議論がはじまった。


鮮度、輸送コストを考えれば、あいにいくものだとか、いや、5人組があいにいくコストは膨大だとか、何やら訳のわからない議論が続いていた。


アーサーは、マービンと目を合わせた。

マービンは、『アーサー、貴方には同情しますが、私はもっとみじめです。』


アーサーが、そんなことないよと話しかけようとした時、マービンはすでにスリープモードに入っていた。


5人は和歌山のとあるカフェで、モーニングを食べていた。

まだ、食材と移動に関しての議論は続いており、といっても、ほぼザフォドとシュラン2人の空中戦になっていた。


他の3人は、黙々とモーニングを食べていた。


シュランは、このトーストはおいしいが、小麦は多分和歌山の物でではない。全ての食材に会いに行くのは不可能だと言っていた。

ザフォドは、言うにことかいて、シュランが年中引っ掛けている黒いコートをおちょくった。

ところで、枚方ヒッチハイクガイドには、薄手のコートは、年中便利で、一応携帯しておくと良いと書かれています。夏でも寒い空調の場所で、はおったり、強い陽射しから肌を守るのにも有効だと書かれいます。

この事は、シュランが書いた銀河ヒッチハイクガイドにも記事として載っており、目を合わせたくない異星人とあった時は、頭からかぶって、ねたふりをするのに有効だと書かれています。また、背中には、『Don't panic(あわてるな!)』と入れておけば、窮地に立たされた時に、コートを脱いで、その文字をみて落ち着くとアドバイスされています。


アーサーは、トリリアンによくあんな人の秘書がつとまるなとたずねた。

トリリアンは、偉い人は大抵あんなもんよ。と言ってフルーツに手をつけた。


マービンは『今日も、果てしなく落ち込む。』と、聞こえるか聞こえないかの声でつぶやき、スリープモードに入った。


シュランと、もはや大人のじゃれあいをしていたザフォドは、夢からさめたかのように、もういい、大阪に帰ろうと言った。

シュランは、結論は出てない。もういいのかい?と安堵した表情をした。


トリリアンは、今だとばかりにマービンを起こした。


マービンは、寝違えたフリをして、だるそうに車に向かった。


アーサーは、マービンを追いかけるように車に乗り込んだ。


☆今日も、アーサーの取材に、何時ものように役のない役者のシュランがついてくる。


何時ものように立ち食いそばを食べながら、しばしの会話。


アーサーが、日本にきたときは、そばって不味いと思った。ラーメンはおいしいと思ったが・・・と言った。


シュランは、今では、すっかり好物だな。だしあじというのは地味だがなれると離れがたい。蕎麦に黒いのと白いのとあるのも驚きだったな。


アーサーが、皮ごとひくひきぐるみと、まるでワインの赤白だな。


他愛のないはなしをしながら、アーサーは目的地の説明をした。


出際にアーサーは、君が、役のない役者のかたわら、私の仕事についてくるのもすっかり慣れたよ。と言った。


仕事の帰り、アーサーとシュランは居酒屋に入る。

2人とも苦手な日本酒を飲むためだ。


アーサーが、これはワインとは違う。甘いと言うより苦く感じる。

シュランは、確かに飲みやすい日本酒をワインのようにフルーティーとたとえる者がいる。しかし、それならワインを追求すればいい。

アーサーは確かにな。と言った。そして、出汁と同じように、何か一線こえるとある桃源郷があるんだろうな。


シュランは、そうだろうな。味覚というのは使わなければ退化する体のパーツのようだな。もう少し、ホヤや日本酒と正面から付き合ってみよう・・・

これは、ザフォドやトリリアンにも食べさせてみたいな。


アーサーも頷き、店を出た。




鉄板焼きを食べながらたべっていた5人だが、突如、ザフォドがいったい自分がどこにいるのかわからなくなるときがあると言った。

シュランが、何かの比喩かい?と尋ねると、ザフォドが俺はそんなまわりくどいことはしない!とキッパリ言った。


わかったわかったとシュランはザフォドをなだめ、マービン、君の出番なんじゃないかい?と言った。


マービンは『・・・・』めんどくさいという表情を思いっきり作った。

『・・・・』畳みかけるようにめんどくさいという表情を重ねて作った。


結論に少し触れると、このことが、ある惑星を救うことになる。


『・・・・』マービンは、私は知っているという表情を作った。


☆いつもの5人で、ハナキン居酒屋。

ザフォドが感動のあまり、店の人を見つめる。店の人は睨まれたとビビルが、愛情表現に乏しいザフォドは、店の人を睨み続ける。


シュランが察して料理は、相手への真心ですねと、フォローする。


アーサーも、なんでこんなに滋味溢れるのだと、感極まる。


トリリアンも落ち着いてはいるように見えるが、心の中で、日本食、サイコ~と叫ぶ。


マービンはゴールに近づいたと、怠そうな態度は慎んだ。


もはや、5人が何故、枚方にいるのかわかったような気がしはじめていた。


5人はいつものパブでだべっていたが、ザフォドがついに思い出した!と声をあげた。

関西空港の橋の下だ!

アーサーが、橋の下は海だよと言うと、ザフォドは、そんなことはわかっていると、グラスのビールを飲み干した。


マービン、わかってるなと言うと、シュランが、問題はそこじゃないのでは?トリリアンも、そうねと言った。

アーサーは、また僕だけわかってない!と自信を持って言った。

マービンも、『まだ行っても徒労に終わるでしょう』と言った。

ザフォドは怒ったように、行って見なければわからないと言った。

アーサーは、やはりわからない!と言った。


まぁまぁと、みなに窘められたザフォドは再びすわり、ピザを頼んだ。


ところで、パンやピザの職人は実に緻密でダイナミックな仕事をする。食職人に関して政府が認める国もある。それは、食にかんして、重要視するあらわれだな。


こないだの居酒屋といい、おいしいものを求めることに関して、かなりわかってきたと、珍しくザフォドは落ち着いて喋った。


そう、彼がそれを理解する事が重要なのだと、シュラン、トリリアン、マービンは頷いた。


アーサーは、相変わらず、ポカンと聞いていた。


☆いつもの5人はアーサーの勧めで、しゃぶしゃぶ体験。

アーサーなりに学んだベストレアしゃぶを皆に伝授。


ザフォドが唸る。ウメェ~。そして彼が語りはじめた。


どの星でも、着火を手にした文明は肉を焼き始め、銀河系スタンダードがステ-キだ。

だが、しゃぶしゃぶはどうだ。生でも喰えそうな肉にさっと熱をとおす。

完全に銀河標準のステーキを逸脱している!


地球の日本というエリアは、宇宙でも希有だ。

しゃぶしゃぶの手法は、生きていくための術を超えている。


肉のおいしい食べ方を研究した成果だ。

何故、銀河の中で地球の日本が特別かわかってきた。


生きるための食い物ではない。工夫をこらし、それを超越している。


生きる目的、何故生物は生き延びようとするのか。


それを何故、知的生物はおいしいものを求めるのか。俺は答えの間近にいる。


何時になく躁状態のザフォドは語り続ける。


他のアーサー、シュラン、トリリアン、マービンは、これは何処の部位だろう?とか、ザフォドを無視した会話を続ける。そう、彼らは既に答えを見つけているからだった。


ザフォドは、気付かず、演説を続けていた。料理人達がおいしいものを求めて食べ方を追求する。それこそ、銀河にかけている、目的ある摂食だ・・・


シュラン達は、ゴマか、ポン酢かの議論を続けていた。


ザフォドは、これこそ何故銀河で地球が特別なのか、俺は知った・・・・演説は続く。


他の4人はザフォドのふたきれを残すか4人で半分ずつするか、その論点に集中していた。


マービンは、4人から外れ、誰に向うでもなく、もう少しでゴールです!と語り続けた。


まもなく、このへんてこなストーリーも終焉に向かっていた。


☆アーサー達5人は、京都でランチをとっていた。

トリリアンおすすめのカフェで、カレーうどんを食べていた。


ザフォドが、おい地球人、このカレーうどんはなぜ白いのだと聞く。

アーサーは、京都のカレーうどんが全て白いわけではないと説明した。

シュランも名のない役のためよく京都に来るが、白いのは初めてだと言った。


ザフォドが一つめの首を傾げていると、トリリアンが、だってかわいいじゃないと言った。

ザフォドは時たま飛び出る2つめの首をとび出させずにしまったまま傾げた。


マービンは慈悲深い表情をつくりザフォドを一瞥した。


ところで、以前彼らは老舗の味について話し合ったことがある。

味を守り抜くのは、保守か、革新かといった議論だった。

守りぬくのだから保守だろうというのが、さいしょの認識だったが、継ぎ足しダレの話しになった時、もしかしたらタレの味は新化を遂げるのだから、どちらともいえないと‥‥。


ザフォドは、その時のことを思い出していた。


白いカレーうどん、と老舗のタレ。

相反するものか?


いや、そうではない。

もっと大きな括りで同一なはずだ。


ザフォドは、アーサーを睨みつけた。


睨まれたアーサーも今度は落ち着いていた。


ザフォドは、ゆっくりとしゃべり始めた。


もともと食物摂取は、個の保存のための行為だった。

着火が発見され、食物を焼き始めたのは、食中毒を防ぐための方法だった。

やがて、焼くと旨いというものが植え付けられた。

アーサーは、コクリと頷いた。

ザフォドは続けて、

やがて、人類の祖先は旨い調理を目指しはじめた。

そして、元々食物の少ない地域では、いろいろな食材にトライするようになった。

そして、新しく、珍しく、旨いものを共有するようになった。

晩餐の始まりだ。

作る側も、相手を驚かせ、喜ばせることに喜びを感じ始めた。

それが料理人の始まりだ。


アーサーは、やはり黙って頷いた。


ザフォドは落ち着いたまま続けた。

食べる側も、その思いに真剣に答えるように、より吟味するようになった。

互いに真剣になった。


作る側は、食べる側の反応に応じて成長した。


アーサーは、日本の書物に ’ご馳走’と言う意味は相手をもてなすために材料を集めるべく奔走すると書かれているのを読んだことがある。と言った。


ザフォドはさらに続けた。

そして、現代においても旨いものは評価され、レストランで言えば名店となる。報酬も多くなる。

だが、もし、現代の報酬という経済システムが無くなればどうなると思う?


アーサーは、それでも人はおいしいものを作ろうとするだろう。


ザフォドは、その通り。

人は対価がななくても、旨いものを作り続けるだろう。そして旨い物を求めるだろう。


最初に言ったように、食べることは生きるためのものだった。

つまり、生きることは食べること。

旨いものを作る、食べるは同じところをめざしている。


なぜ人は美味しいものを食べるのか?

それは、求めつづける自分磨きなのだ。


アーサーは、つまり?


食べること=自分磨き

食べること=生きること

∴生きること=自分磨き

Q.E.D.(証明終わり)


マービンは急に立ち上がり、『42の答えに到達したようです。これで黄金の心号のカギは開いたようです。関西空港の橋の下を目指しましょう。そこに黄金の心号はあります。』


黄金の心号は、ザフォドが関西空港を宇宙港と間違えて墜落して、橋の下に眠っていた。

黄金の心号は、不可能性因子というありえないことを集めると答えが出るというおよそバカげたシステムによりドライブされるため、およそバカげたザフォドこそコントロールできるのである。


ザフォドは、アーサーに地球人、あっちの世界に行ってストーリーを変える。わかるな?


アーサーは、全くわからないと答えた。

ザフォドがキツく睨んだが、アーサーは開き直ったように、わからないものはわからないと言った。


飛びかかりそうなザフォドを一瞥して、トリリアンがアーサーに、鏡の国のアリスよ。と言った。


アーサーはわかった気がすると言った。


これから、いよいよ最後のミッションに旅立つのだ。


黄金の心号に乗りこむなり、なんでも食べ物の出てくるフードベンダーエディに話しかけた。

おい、コンピューター、宇宙いち強いアルコールをくれ。

エディはイラつくほど陽気な声で「アラ、ザフォドさん、おかえりなさい!お待ちしてました。地球のご旅行はいかがでした?このエディがとても素敵なドリンクをあなた…」

黙れコンピューター、早く出せ。とザフォドは怒りを露にした。

「あら、ご機嫌斜め42度かしら?汎銀河うがい薬バクダンをお作りするゎ~」

機械の前には、グラスに入ったレモネードのような飲み物が出てきた。

これこそ、今、銀河系でもっともナウイいや流行している、頭が内部から殴られたほど(いや、実際に内部から殴られたオリオン人もいるのです。)刺激的なドリンク。


少しうつから開放されていたマービンは、エディの声を聞いて落ち込み、床に座りこんだ。


アーサーは、これはいいものがあると、船内を歩き始めた。


トリリアンは忙しくなるわよと言って、船のコンソールにむかった。


シュランは、銀河ヒッチハイクガイドの地球のページ、”ほとんど無害”に加筆すべく、編集機を取り出した。


☆黄金の心号は、名称にはんして白い球体の宇宙船である。

宇宙船といっても遠くに行くだけではない。

時間をスべッたり、時には鏡の国のアリスのようにミルフィーユの重ねられた断面を1枚移動したりするのだ。

それは一般に無理と言われていたが、不可能性因子は見事計算してしまうのだ。

前々会ザフォドにしか扱えないと書いたが、実際には、トリリアンがオペレーションしていた。


そして、アーサーを除いては、スベったり、ミルフィーユの断層をまたいだ人達だった。


黄金の心号を安定軌道に載せたトリリアンは、デッキ3のフードベンダーで、おいしい紅茶をつくろうとしているアーサーに近づき、おそらくアーサーは、ほとんど理解しないだろうと思いつつ話した。

もう知ってると思うけど、貴方以外隣の宇宙からきたのよ、隣って言ってもよこどなりじゃなくて、レイヤーが違うの。わかる❓

アーサーは、なかなかおもしろい機械だと思いながら、わかってるよ。ミルフィーユの断層で、鏡の国のアリスだろ❓

本当にわかってるのか。否、それは問題では、ない。最後のミッションをこなせるのかが問題。頼りなくて、サエない男。でも貴方に頼るしかないのよ。そう頭の中でトリリアンは語り、軌道計算のため、コンソールに戻った。



原作の銀河ヒッチハイクガイドでは、わずか、数十ページのところで、地球はあっさりなくなってしまう。

勝手に原作のストーリーを変えてしまう。それこそ不可能性ドライブでこそなしえることなのだ。


という説明をトリリアンはアーサーにしたかったのだ。


およその航路計算を終え、トリリアンは、ザフォドにドライブのスイッチを入れるよう言った。


ザフォドは頷き、不可能ドライブを始動した。


アーサーは、コンピューターに向かって、紅茶の出来が悪いのは君がよく紅茶を理解していないからだと言い、セイロンの陽の光、干される葉の様子、銀のポットに注がれる湯、ティースプーン、ティーカップの詳細を語り聞せ、コンピューターにさあ、紅茶を作ってくれとたのんだ。


ザフォドが不可能性ドライブを稼働後、キャビン内の物理は崩れる。

アーサーは、手鞠になったり、マービンは魔法瓶になったり、ザフォドは首が2つになったり(あ~、これはもともとでしたね。)


不可能性ドライブが結果を出す寸前、物は理にかない元通りに。そして、彼らが意識を正常に戻ったころ、恐ろしくイライラする陽気な声でエディが「あら、パワー不足で計算間違えちゃった。」

呆気にとられるザフォドたちだったが、船内前方スクリーンに映し出されたのは、ボゴン船団が地球を宇宙バイパスの経路上にあるため破壊する寸前30分前だった。

ザフォドが、遅すぎる!と怒りの声をあげた。エディは「CPUに莫大な負荷がかかったのよ~。ハ~イ出来上がり!」というと、フードベンダーの前におそらくこれ以上完璧なものは作り出せない紅茶が提供された。


湯気立ち上がるカップを香りながら、アーサーは満足気な顔をした。


ザフォドは怒りに狂った顔をしていた。


怒り狂って動けないザフォド。

6ヶ月前に来る予定だったが、もう間に合わん。と、残念そうに口走る。

驚きのトリリアン、シュランをいにも介さず、アーサーは、子供のような目で、紅茶セットを取り出した。


アーサーは、なんだか最近難しくて疲れたし、紅茶でも飲もう。と言って、カップに紅茶を注ぐ。

その後、一枚の紙切れがフラフラと床に落ちた。


アーサーが、ごみだとばかりに丸めて捨てようとした時、シュランがちょっと待てと、その紙をとりあげた。


これだよ。とシュランが言う。


☆ザフォドがこれだ。これはなかなか探せないから、6ヶ月前に行く予定だった。と言った。


マービンが『アーサーが有り得ない行動をとったため、不可能性ドライブが輪をかけて働いたようです。』


でかした地球人!ザフォドが興奮する。

トリリアンが、やったのよア-サーと言った。

シュランも、さすが主人公だ。と言った。


アーサーは何が起こっているのかわからなかった。


トリリアンが、あのスクリーンに写ってるのは、ボゴン宇宙整備団の船団。バイパスの経路にある地球を取り壊そうとしているの。


アーサーは、ほほう。と言った。


トリリアンは、でも、この取り壊し通知書に異議を唱えれば、工事は中止になるの。


アーサーは頷いた。


でも、ボゴン人は絶対地球人が見れないところにこの通知書をおいたはずなの。とトリリアンが丁寧に説明した。


アーサーは、それで?と言った。


トリリアンは、この紙をあの母船のブリッジにいる艦長に見せて、異議あり!と言えばいいの。


アーサーは、そうしたら?


トリリアンは、艦長は、ボゴン母星の評議団の判断が下るまで地球を取り壊せないの。判断までに42万年かかるから、地球は救われるの。


シュランが簡単だろ?と言った。


アーサーは、簡単だ。僕にも出来る。と言った。


ザフォドは、今から君をあの母艦に送りこむので、異議あリと言って来てくれ。


アーサーが、僕が?と言うと


シュランが地球人である君が行かないといけない。行ってくれるな?成功すれば君は歴史に残るヒーローだ。


アーサーは、全く簡単にヒーローになれる。


マービンが、『そこの丸い板の上に立って下さい。転送装置です。』と言った。


アーサーが板の上に立つと、マービンが、座標をボゴン母艦に合わせて、転送装置の作動させた。アーサーが、自分の体が分解されていくのに気づいたころ・・・


ザフォドが、あっ、ボゴン船の船内の空気は恐ろしく臭いので注意してくれ。と言った。


シュランが、ボゴン人は、宇宙一醜いポエムを歌うので気をつけろ


トリリアンが、ボゴン船の手すりはヌルヌルするから気をつけて


マービンは『頑張って、アーサー』と言った


銀河ヒッチハイクガイドには、人の転送について、次のようにかかれています。

一度、有機物、無機物にかかわらず、分子レベルで構造を分解する。そして、別の場所で元と同じ構造で実態化させる。一度バラバラになったものが元にもどるはずがないという人がいるが、転送でなく、望まぬ転勤でも、一度心がバラバラになるものの、転勤先が意外になじんで、心が元に戻るでしょ...。


アーサ-は、守備よく、ボゴン艦のブリッジに転送された。

しかも運良くボゴン艦長に近い位置に・・・もう少し詳しく言えば艦長の7m上のいちだった、更に詳しく言えばうん良く、天井点検用の手すりを掴んで実体化したので、転落は免れた。

しかし、トリリアンの言ったヌルヌルのてすりを思い出した瞬間、手を滑らせてしまった。

落下していく時、アーサーはこんなことを考えていた。やっぱり駄目か、こんな高さから落ちてまともでいれる訳はない。きっとバラバラだ。イギリスから枚方に引っ越して、たのしかったが、結局、転落人生か。そいやシュランは酔うと、よく自分は空を飛べるとか言ってたな。空を飛ぶ・・・。うん、今、空飛べたらな~。たしか、空を飛ぶには落下し損ねればいいと言ってたな~。

落下しながらそんなことを考えていたアーサーは、自分があまりにも床に落ちないことにイラつきはじめ、そして自分が床スレスレで、浮いていることに気づいた。そして、ゆっくり立ち、目の前にいる異性人に、艦長はどなたですか?と聞いた。


私です。と異性人は答えた。


すかさずアーサーは、異議ありと、一枚の紙を突きつけた。


異性人は困りはてた顔をしていた。


最初に宇宙ができたことが間違いだったと言う人がいた。


☆それは既に起こってしまったという人がいた。


アーサーは無事黄金の心号に転送された。


ホゴン人は、フォーマルな通知書を書くのは得意だが、フォーマルな書類を見ると3年考えて、次の部署に垂れ流す。そして最後の担当者は厄介過ぎると言って書類を丸めて、ゴミ箱に投げすてる習性があった。従って、地球は永遠に救われたのだ。


良くやったな地球人。とザフォド

輝いてるわ。とトリリアン

飛べたんだな。とシュラン。

『ご苦労様。』とマービン


アーサーは地球を救った、およそありえない確率で。


ザフォドは、地球人、いや、アーサ、君はやった❗️何でも望みを聞こう。


アーサーは、疲れたので、元の世界の田園的なとこで過ごしたい。と言った。


シュランは、まだ君と付き合い足りない。同行させてもらうよ。言った。


ザフォドは、もちろん叶えよう。

でも、みんな少し腹減ってないか?

みんなで行こう!


『宇宙の果てのレストラン』へ



おわり











疲れた。

スリープモードに入ります。

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