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浪人生の異世界逆転人生  作者: きたひろ
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3話 繰り返されるトラウマ

3話


異世界転移してから約3週間が経った。魔法の基礎やら、この世界事情に至るまでを学ぶ為、俺たちは王宮に連れられた。そこでは、俺以外の人物は新たな世界を救う魔導師様御一行との事で、熱烈な歓迎を受けた。そう、俺以外は。


スキルがないことが発覚した俺、あの魔法適性を調べた男は、後にスキルが覚醒するかもしれないと言っていた。が、今もなおそんな傾向は見えてこない。そして、俺以外の奴はだんだん俺を憐れみや 軽蔑の目で見てきた。そして、部活時代のトラウマがまた繰り返し起こっていた。


「おらおら、くらえファイヤボール!」


「逃すか‼︎ウインドカッター!」


これらの小魔法は全て俺に向かって飛んできた。俺は必死に避けようと体を動かすが、


「待ってました!ロックバレット!」


「ぐっふ…がっはぁ…」


数が多すぎる、俺1人に対し彼方は5人以上だ。頑張り虚しく、鉄砲玉のような高速の小さな石が被弾。そして


「ナイスショット!すかさず俺が華麗にアイスショット!」


氷柱が俺をかすめる。そして最後に


「ライトスピヤー‼︎」


光の矢が俺の肩を貫いた。


「おいおい、しっかりと避けて逃げ回ってくれよ。これじゃあ練習にならないだろう?全く」


と言いながら、ニヤニヤと魔法を放った5人の男達が近づいてきた。


「これじゃあ、現実世界の頃と変わらないなぁ」


俺を見下ろしながら葛城が言った。


全くだ。あの時と全く同じ状況だな。本当に嫌になる。俺自身に


俺以外は皆一流の魔導師になれるほどのスキルを手に入れた。俺にはスキルがない。

しかし何も与えられなっかたわけではなかった。


アビリティ、この世界のスキルとは異なったもう一つの力。スキルは魔力を使うがアビリティは違う。常時発動している。例えるならゲームでいう魔力10%アップの様な直接な攻撃ではないものである。俺以外の奴はまだ持っていない。これは通常レベルが上がったら現れるらしい。だから他の奴等はこれから出現するだろう。しかし俺は初めから3つ持っていた。


身体能力強化


身体強化


無限の体力


どれも、俺が現実世界で望んでいたものだ。魔法主体のこの世界で魔法が一切使えない転移者など見捨て荒れて当然である。


「やめなよ〜」


「八拳くんがかわいそうだよう」


名前も知らない女子がそう言った。

一見助けている様に見えるがそれは違う。目が笑っている。こいつらは弱者である俺を心配している様に見せて周りの好感度を上げたいに過ぎないのである。だから、葛城やその取り巻き達が


「違う、違う。俺たちは八拳君のことを思ってやってあげてるの」


「弱い、あいつを鍛えてあげているの」


「そうそう、ちゃんと加減してるし、最弱な小魔法しか使ってないしな」


こう言うと


「そうだよね!」


「うんうん、自分を守るぐらい自分でして欲しいもんね」


「でもなんで、いつもクエスト行くときに、彼を連れて行くの?」


「魔法が使えなくても囮ぐらいはできるからね。一緒に召喚されたからには働いてもらわないと」


「確かに、あいつだけタダ飯とかないわ‼︎」


楽しそうに俺を見下してやがる。本当にあの頃に戻ったみたいだ。


「ヒール」


その声とともに俺の体が光に包まれた。すると、傷がどんどん塞がっていき、光が収まる頃には傷は痕も残さず消えた。


「大丈夫ですか」


多分、純粋に俺の傷を見て心配してくれるのはこいつだけだろう


「悪いな、天之星」


「いえ、あなたは悪くないでしょう」


そう言うと今まで騒いでいた奴等をまるでゴミを漁るカラスを見る様な目で見た。


「穂乃香ちゃんいいよそんなことしなくて、そいつの取り柄は無駄なその体の頑丈さだけだから」


そう確かに傷はあったし、血も出たが俺の体に致命傷の様なものはなく。擦り傷の様な小さなものばかりだった。


(これもアビリティのおかげなのだろうか、痛みはあるが、すぐに痛みは引く)


「しかし、1人を大勢で囲み魔法を打ち込み、頑丈とはいえ、普通の人がまともに受けたら大怪我するものを何食わぬ顔で放っているあなた達の神経が理解できません」


「なによ、そんな役立たずに付き合ってあげている葛城君達は悪くないわ」


子太いのメガネ女子が俺を指差しながら言った


「そうだよ。これは僕たちなりの優しさだよ」


金髪の奴が言う


「もういいよ。天之星、ありがとう」


「あなたはこれでいいんですか⁉︎」


良くない


「あぁ、しょうがないことさ」


「ああ、そういえば今夜ライトレスウルフっていう魔物の討伐依頼がきてるからちゃんとこいよ」


「えー葛城君連れて行ったところで足手まといにしかならないじゃん」


そう、実践練習ということで俺たちはこれまでも何度か討伐クエストをやっていた。


「今回の魔物は人肉をこのむらしいからな、しっかりと囮頼んだよ。や・つ・か君」


〜〜〜〜〜


夜俺たちは森の入り口に集合した


「さて、魔導師様がた今日は少し気を引き締めてくださいね」


俺たちの前にいるのは俺たちを召喚した際に話をしていた男である


名前はゴードン・ジョセス・アルトリオ

王宮直々の魔法師である。この人が俺達にこの世界についての常識や魔法の使い方などを主に教えている。


「ゴードンさん大丈夫っすよ、俺たち伝説の魔導師っすよ?今までも余裕にこなしてきたし」


お調子者の今川がいつもの様に騒ぎ始める


「今回の魔物はBランクの強い魔物です。油断はいけませんよ」


「でも〜大丈夫じゃない?いざとなったら、天之星さんいるし〜」


「そうだな!」


天之星には珍しい治癒魔法を所持しており、光の広範囲魔法も所持どちらも破格の強さを持っている


「私が持つ魔力量にも限界はありますし、たくさんの人を一度には治癒できません。それに私自身が怪我を負う可能性も…」


その言葉が終わる前に


「それはない、穂乃香ちゃんには傷一つつけさせないさ」


葛城がキメ顔で言った。すると


「当たり前だ。お俺も守る」


次から次へと男どもが天之星にアピールしに行った。異世界へ来てからも天之星の美しさはそがれることなく、人気は変わらない。本人は迷惑のようだが。異世界に来てから彼女が何度告白させられたか、こちらの世界のお偉いさんもが求婚してきたらしい。まぁ、流石は氷の織姫全て見向きもしなかったらしい。現に今も顔が引きつっている。それに守るとかあいつらは言っているが俺以外の全員は遠くから魔法を打つだけで危険な目にあうのは囮の俺だけである。

「八拳様少しよろしいでしょうか」


「ん?」


ゴードンから声をかけられた


「あなたにこれを渡します」


渡されたのはゴムボールの様な黒い玉だった


「これは?」


「もしもの時のための非常用の道具です。あなた様は魔法が扱えませんし、1番危険な立場です。もしもの場合や私がまずいと判断した場合はこれを潰してください。この中には魔物が嫌う人には無害の薬が入ってあります。潰した全力で逃げてくださいしばらくは魔物は近寄れません。しかしそんなに長く効果は持ちません」


「よかったな〜囮君、これで心置きなく囮ができるね」


「安心しろよお前の囮は無駄にしないからよ」


「よろしくね〜葛城君」


「頑張って囮して下さーい」


隠すことなく嫌味を含ませた言葉を吐き、森に入っていく


「怪我をしたら、すぐに言ってください。最優先で治癒します」


「魔力に限界があるんじゃないのか」


「あなたが1番危険な目にあっているんですこれぐらいは当たり前です」



「最後目で俺が囮になるのを反対してたよな」


「当たり前です。あの人たちが理解できません。なぜ1番の功労者にあんなことできるのか」


「そう言うのはお前だけだよ」


〜〜〜〜〜


しばらく森を歩くと


「いました。あれがライトレスウルフです。夜行性の凶暴な狼。その性格ゆえ同胞さえも襲い食らう。なので基本は単独行動です」


「ほら、早くいけよ囮」


「逃げ回ってあいつの体力少しでも減らしてこい」


「役立たずのお前が唯一できることだ」


俺はその狼に少しずつ近ずく他の奴らはどんどん後ろへ後退する。


(でけーな、俺と大きさて変わらないぞ)


そして狼の視界に入った瞬間俺に攻撃を仕掛ける。それと同時に他の奴らが魔法の詠唱を始める


「あの魔物は光属性が弱点です‼︎八拳様はそのまま印のところまでお逃げください」


作戦はこうなっている。ライトレスウルフを発見したら発見した場所から30メートルほど離れた場所にバツ印を描き俺が魔物の視界にはいる間に他は後退しながら各自の持ち場へそして俺が魔物に感知されると同時に詠唱開始、そのまま俺がバツ印まで敵をおびき寄せ一斉攻撃。なんでもライトレスウルフは獲物を見つけるのそれに集中するあまり視界が狭くなると言う。


「皆さん準備はよろしいですか、来ますよ‼︎」


(来ますよ、じゃねーよ。こいつ早すぎる。そりゃあ狼だもんな速いはずだわ。追いつかれる)


視界に入ったと言ってもライトレスウルフとはまだだいぶ距離があった。しかしもう目と鼻の先だ。


(印まであと少し…


そしてギリギリバツ印に到着そして


「今です‼︎」


ゴードンの掛け声とともに魔法が一斉にライトウルフの元へそしてバトルウルフは討伐されるはずだった…



































































やっと魔物退治に行けました

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