1話 始まり
1話です。よろしければ感想を下さい。
1話異世界召喚
???「おい、てめーみたいな雑魚がなんでこの空手部に入ってんだよ」
???「うちの部の顔に泥塗ってんじゃねーよ。カスが」
うるさい…
???「お前もうやめちまえよ」
黙れ…
???「お前みたいな奴は足手まといにしかならねーんだよ、練習に参加してねーで床掃除しとけよそっちの方が部のためみんなのためになるぜ」
今に見とけよ…
???「なんだ?その目はよ、本当のことだろうが」
???「俺が強くなれるように手ほどきしてやるよ。お前らも手伝ってくれ」
???「お、いいねぇ、感謝しろよぉ〜」
???「じゃあ、しっかり構えろよ、四方八方から来るからねぇ」
???「4人同時組手すれば4倍のスピードで強くなるからさぁ」
???「じゃあ、ほらよ!!!」
すると囲まれた俺に向かって四方から突きとけりがとんできた。
〜〜〜〜
「…っは!はぁはぁ」
くそっ、嫌な記憶思い出しちまったぜ。
あれ、ここどこだ?
周りには、やたら真剣な顔でプリントに書き込んでいる同世代の男女が前後ろ、左右
にいた。
確か俺は今日…
「試験終了まであと10分!」
そうだ。今日は予備校のクラス分けテスト。浪人生になって初めてのテストだ。
あと10分?やっべ、半分も解いてないのに寝ちまった。
そう、今日は4月10日予備校に浪人生が集められ、クラス分けのテストが行われていた。八拳 天(やつか そら)もめでたく春から浪人生。予備校に通うことになった。
〜〜〜
「そこまで!ペンおけ!」
試験管の合図とともに先ほどまでのペン先と紙の擦れる音はピタリと止まる。
やっちまった…昨日最後の確認とか言って英単語やりすぎた。それで、英語の時間寝ちまったら、笑えねぇわ
「はぁ…」
「…大丈夫ですか…?」
突然隣から声をかけられた。
「…っ!?」
そこにいたのは俺が在籍していた高校で1番美女呼ばれていた天之星 穂乃香(あまのほし かおる)だった。黒髪ロング、成績優秀で運動神経も抜群。さらに結構なお嬢様。まるで、絵に描いたような美少女だった。
しかし、浮ついた話は一切なく男達は次々と散った。元の性格がどうか知らないが。落ち着いた物腰で必要最低限のことしか喋らない。ついたあだ名が、彦星潰しの氷の織姫だった。浪人している理由も日本でも一、二を争う名門の国立に落ちたからだそうだ。難関私立には受かっているのだからそちらに行けばよっかたのに
「あの…?」
「あ、悪い少しぼーっとしてた」
「体調が悪いようでしたら、面接官に頼んで追試にして貰えばよろしいかと。ちょうど今から昼休憩ですし。」
「いや、ただの寝不足だ。なぜ俺が体調悪いと?」
「先ほどのテストも、途中から寝ていようなので。起きた後も顔を真っ青にさえていましたから。」
「そうか、お前のテストの集中の妨げになってしまったみたいだな。謝る。」
「いえ、ご心配なく。それに、八拳さんは一応顔見知りですし」
「そうだったか…?」
学校1の美少女と関わりを持った記憶はないが?
「2年の頃同じクラスでしたよ」
「そう言えばそうだったか」
当時の俺はクラスの中に美女がいるかいないかなどどうでもよかった。それよりもあることで頭がいっぱいだった。
「それに。迷惑をかけてしまったこともありますし。」
「…?」
そんなことあっただろうか。記憶にはないが、誰かと間違えているのではないだろうか。
「学級委員として先生にノートを運んでくるよう頼まれて、運んでいた時、階段でノートを落としてしまって、下にいたあなたの頭にノートが大量にぶつかってしまったことがあったでしょう?」
あぁ、なんかあった気がする。正直あんま覚えてない。
「そんな事よく覚えてるな。」
「印象的でしたから。ノートがぶつかったあと、あなたは怒りもせず、床に散らばったノートを拾って更には、私に何も言わずそのまま私の代わりにノートを持っていこうとしたじゃないですか。」
「そうだったか?」
「はい。その後も…
〜〜〜〜
「あ、あの!」
「うん?なんだ?」
「大丈夫でしたか?お怪我とかございませんか?」
「あぁ、問題ない。それよりこれ、職員室だろ?」
「は、はい。しかしそれは私が頼まれたもので…」
「俺が届けておく。女子が1人で運ぶには重いからな。」
「しかし…」
「どうせ、俺も職員室に用がある。じゃあな」
「あ…ありがとうございます…」
〜〜〜〜
っていうことが」
なんか女子が持つには量が多いと思って、職員室ならついでに持って行こうと考えた記憶がある。それが天之星だとは気がつかなかった。当時の俺は人の顔を見なかったし、誰がどうしようと興味がなかった。
「そんなこともあった気がするな。よく覚えてないが。カッコつけたかっただけだろう」
「そうでしょうか?とてもそうは見えませんでしたけど?恩着せがましくなかったですし、その後も私に接触することもなかったですし。現にいままで忘れていたみたいですし。」
「さぁな、そんな昔のことは忘れた。当時のことは昔の俺に聞いてくれ」
実際に単なる気まぐれだっただろうし。
「ふふ、そうですね」
笑った…こいつも笑うのかそりゃ人間だもんな。氷の織姫もわらうと、年相応の可愛い顔になる。思わず見とれてしまうほどに。
「なですか?じっと私を見て」
「いや、やっぱあんたは可愛いなと」
すると、一瞬にして氷の織姫に戻った。
「何ですか?急にセクハラですか?」
「一般論だ。それに可愛いと言う言葉のどこがセクハラだ。それにお前な言われ慣れてるだろう。学校では1番の美女とか氷の織姫とか呼ばれていただろ?」
現に今も男子たちが天之星をチラチラとみている。
「呼ばれたくて呼ばれたわけではありません。それに私を褒める異性の方は必ずと言っていいほど私に遠出を申し掛けたり、体に触ってきたりしました。」
「モテるのもたいへんだな、安心しろよ、俺にはそんな度胸も無いし、アンタと良い関係に、なんてそんな無謀なことは考えない。それに今の立場で色恋沙汰にかまけてる暇は俺にはない。」
「私にもありません」
「まぁ、お互いにがんば…」
「やっぱり、穂乃香ちゃんじゃん。」
俺たちの後ろから声が聞こえた。
そこにいたのは、どうかんがえてもこの場に似つかわしくない人物だった。髪は金髪で身長は180くらい顔つきはととのっており目鼻立ちがくっきりとした青年がいた。葛城 修也(かつらぎ しゅうや)こいつも同じ高校だったそして
「誰かと思ったら、部の面汚し君じゃないか〜」
俺が会1番いたくな人物だった
「部の面汚し?」
「あれ?穂乃香ちゃん知らない?あぁ、そうかしるわけもないよねこんな奴のこと」
天之星の顔は険しいものになった。多分こいつの真面目な性格上人見下す態度が気に食わないのだろう。
「こいつはね〜空手部の中でも最弱だったんだよ。ダントツで。しかも、こいつそれにあるはずもなかった部活内のイジメでっち上げてるし。まぁこいつが弱いだけで普通の練習してただけなんだけどレベルが違いすぎたのかな〜。俺なんかイジメの主犯扱いされちゃってさ〜こいつを強くしてやろうと県ベスト3の俺がわざわざ個人練習してやったのに。恩を仇で返して、実力もない部に迷惑をかける、だから部の面汚し」
個人練習ね…俺をミットがわりに多数の人間が同時に攻撃することをこいつにとっては練習なのだろう。こいつを今日の朝教室で見かけたから、試験中にあんな夢を見たのだろう。
「それにしても穂乃香ちゃん私服姿めっちゃ可愛いじゃん。試験の後一緒にお茶でもどう?」
先ほど話した事が目の前で起きているのは不思議な感覚だった。葛城は顔はかっこいいのでモテる。そして、高校時代は天之星に猛アプローチをかけていた。
「さっきそのクズと楽しそうに話してたじゃん。そんな奴より俺と話したほうが絶対楽しいって」
天之星は葛城を汚物のような物見るように
「結構です。」
この一言のみである。
「照れなくて良いのに」
どこからそ自身はくるのだろうか
「葛城さんは推薦でだいがくは早い段階できまっていたでしょう?」
そう、葛城は表面上善人なので先生の評判も良く、空手の実力もあるのでうい線が決まっていた。
「あ、俺のこと気にしてくれてたんだ。素直の慣れば良いのに。よくよく考えてみたら、もっと上を目指さなければと思いとどまってさ。俺意識高いから。穂乃香ちゃんと同じ大学にいきたいからね。」
ウインクを決めているが、そうじゃない。あいつは推薦を取り消されたのだ。
「そうですか。私はあなたが暴力沙汰を起こしたからだと聞いていましたが…」
鋭い目線で葛城の事射抜いている。
「そ、それはデマだよ。デマどっかの誰かさんが嫉妬してデマを流したんだよ。俺がそんな人に見える?」
デマではない。何故なら、その暴力沙汰の被害者は俺だからだ。
「そうですか。もうすぐ昼休憩終わりますよ。自分の席に戻ったらどうですか」
「そうだね、そろそろ戻るよ。その前にトイレいこうかな。面汚し君もいこう。ツレションだよツレション」
「いや、俺は…」
「こいよ」
天之星に見えない角度で俺をにらんでいる
「わかった…」
〜〜〜〜〜〜
「おい、何でてめーが穂乃香ちゃんと親しげなんだよ。」
誰もいないことを確認してトイレの中で胸倉を掴まれていた。
「少し面識があっただけだ」
「お前、あんま調子乗んなよ?てめーのせいで推薦取り消しになったんだからな。わかってんのか?」
どうやら、こいつは俺が集団リンチされて気絶し、それにより明るみに出たのを俺の責任にするらしい
「これで、もし穂乃香ちゃんに余計なこと言ってみろ?」
すると突然俺の鳩尾に一発突きを入れた。」
「…ぐっ…がっ…」
目の前が真っ白になる…息がでいない…
「これじゃ済まないからな…」
と言って胸倉を外し教室に戻っていった。
俺はそこでひれ伏し酸素を求める。
「がっ…はぁっ…はぁはぁ」
呼吸を整え
「ちっきしょう…」
唇を噛んだ
〜〜〜〜〜
俺が教室に戻ったときは試験開始ギリギリだった
「大丈夫ですか?」
天之星が心配する。
「あぁ、問題ない。」
「しかし、帰ってくるのが葛城君よりもとても遅かったですし。今もお腹を抑えて苦しそうですし…」
「腹を少し崩しただけだ。ほら、もうすぐ始まるぞ、カンニング扱いされたらたまらんだろう」
無理やり話を切る。すると、天之星は追求することなくテストへと集中した。
次は、英語か…くそっ、まだ痛む。俺にもっと力があれば、高校時代も変わっただろう…
「テスト開始!」
もっと力があれば…
突然、テスト開始の合図とともに教室がまばゆい光に包まれた