誓い
蒼太が家を離れて、そして私が自分の気持ちを自覚してからもう数日。
一人で過ごす日々はとても長く感じる。
まあ、話し相手には汐里さんがいてくれているけど。
「陽愛様、気分転換に外出なさいますか?」
汐里さんが気をきかせてきいてくれる。
けど、
「また今度でいいわ…」
蒼太が、一緒にいないなら。
ぼーっと外を眺めて毎日を過ごす。
そうしてもう何日たったんだろうか。
もうそろそろ半月になるよ。
帰ってきてほしい、会いたい。
せっかく好きって思ってるのに会えないなんて、
気持ちだけは拗ねてみるけれど頭ではわかっている。
蒼太は春宮家の跡取り。
これからこんなことも増えていく。
私も慣れないと。
「陽愛っ!」
幻聴だろうか、会いたくて頭がおかしくなったのかな。
蒼太の声がする。
「ただいま」
近づいてくる人影は、間違えるはずない。
ずっと会いたかった、触れたかった。
「おかえりなさい…!」
その胸に、飛び付いて。
驚いたように固まっていた蒼太がそろりと腕をまわす。
ぎゅっと抱きついて、しばらくそのままでいた。
「蒼太、会いたかった」
嬉しそうに蒼太も優しい声で囁き返してきた。
「俺も」
優しい手が私の頭を撫でて、そっと体温が離れる。
「陽愛、好きだよ。陽愛のそばにいないと不安でたまらなかった」
真剣なその瞳が私を射ぬく。
あぁ、わたしも。
「蒼太が、好きよ」
きっともっも前から、私はあなたが好きだった。
「あなたのそばに、私を置いてください」
「当たり前だろ」
そっとその手をとって、永遠を誓った。




