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あなたへ...2015年5月

ため息 2

作者: あずま

お父さんが深いため息をつく

お兄ちゃんが深いため息をつく

お母さんが涙をこぼす

お姉ちゃんが気を遣ってみんなを笑わそうとする


あなたが家にいなくなってから、

毎日誰かがため息をつく

何度も何度も


何をしていても

出てくるのは

ため息か涙か


お姉ちゃんは頑張って

みんなを笑わそうとするのだけれど

一人になると

涙を流す


お姉ちゃんが日常しあわせを装おうとしても

もう日常しあわせは帰ってこないのを知っていて

お母さんはお姉ちゃんの心の痛々しさを気遣わなくてはと思いながら、

帰ってこないあなたを思って、泣いているだけなのだ


あなたさえ帰ってくれば

元の幸せな家族ごにんに戻れるのだと思いながら、

その日がこないことを

お父さんも

お姉ちゃんも

お兄ちゃんも

お母さんも気づいている


だから

ため息をつく

ため息をつく

涙を流す


でも、ため息の理由は答えられない

涙の理由も答えられない

答えたらそれが本当になりそうで


あなたが帰ってこなくなってもうすぐ1月がたつ

もうすぐ1月たつというのに

家族ごにんの時間がは止まったままだ


ただ

お父さんがため息をつく

お兄ちゃんがため息をつく

お母さんが涙をこぼす

お姉ちゃんが涙をこらえる


ため息をつきながら、

涙をこぼしながら、

あなたの帰りを信じて

信じて

信じて


信じていると思っているはずなのに

ため息をつく

ため息をつく

涙をこらえる

涙を流す


本当はみんな答えをしっているから




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