微睡み
人工的なメロン味でいっぱいにした
昇ってゆく発泡の中で
ストローはわかりすぎたから
変わりないと泡を除けた
覚醒するのは
まだ
近似した惑星の中で生きている
太陽のカチューシャをつけ
顔のない波に乗る
水音だけがマリンバのように
余韻を引きずり
まだ
先生は私のこと何もわからないから
怒りより憐れみを置く
廊下は走らないから
四角い処方箋を持って
丸い星を歩く
ただ
そういえば母が信仰したのは何だったか
少し分かったかもしれない
もう遅い航海の波
ごめんねって言えなかった
微睡みの中で
たつ