受験の休み
休みと感じない冬休みに入ったばかりなのだが、勉強におわれて、どうしても休むことをしない。これは中学三年生の時の話しだったように感じる。高校入試で合格するために頑張っていたように感じる。いつも通りの日常にはなかったことが起こった時だったような。誰もが突破しないといけない壁を乗り越えるために勉強する冬休みであった。そして、戦争の冬休みとも言われる中学時代の話。
☆
楽しいことなどない時代の話しだ。疲れしかたまらない中学三年の冬。受験まであともう少しと言う受験戦争を立つためには必要な休みで、勉強しなければいけないという地獄。うんざりしているころ。俺は一人寂しく部屋にこもっていた。
親のことなど知らない。いい進学校へと行けというばかりで、嫌になってくる。でも、俺が目指しているのはレベルが高い場所だ。
俺はうんざりしていてもやるしかないとしか思っていない。合格できるのなら、正直やりたくもない。合格するためには必要だからやっているまでの話だ。
とりあえず、俺は気分転換でもしようかと考えている。出来そうもないが……。
今日のノルマは数学のテキストをすべて終わらせること。どうしようもないことだけど、やるしかないと思っていても、先が長いとどうしてもやる気が失せる。どうしようもないことなのだろうけど。
リビングへと来た俺はこっそりと友達の家へと行こうとして、電話する。
「もしもし、勝正? 今日さぁ、遊べるか?」
単刀直入すぎて困っているみたいだ。
『少し待ってて』
と保留のメロディーが鳴り始める、今相談しているのだろう。
しばらくして、「メロディーが鳴り終わると、
『申し訳ないが、遊べなそうだ。うちの親もさァ、うるさくってね。勉強しろってさぁ』
確かに勉強は大切だけど、ずっとやっていても身にはならなかったら意味がないと思うのだが。
いつも勉強のことで思うのは、時間をかけることよりも質のいい問題を解いていった方がいいのでないかと思っているのだ。誰もが思うことではないことくらいわかっているがね。
それよりも、暇だ。勉強をやっていてもつまらない。受験戦争などはしなくない。
どうすればいいんだ。
とあることで落ち込んでいるようである。おれ自身がね。
冬休み一日目から地獄。勉強などしたくない。
その日の晩は、母親が大量の参考書を買ってきやがった。
「ほら、徹。お前のために高校受験の参考書を買ってきたわよ」
どこまで勉強させる気なのか。それよりも、十冊も買ってきたが、どこから出したお金なのか。疑問を持つ前にわかった。
「この本のお金は、徹の銀行から下ろして買ったんだよ」
―-終わった。せっかくためたのに。
何のために貯めたかは、ゲームを買うため。受験が終わったら買おうと思ってためていたのにィ――――。本当に余計なことしかしない。
「どうしてくれるんだよ。おれが頑張って貯めたの」
「いいじゃない。参考書に消えたんだだから。自分の物でね」
「別に頼んじゃいねぇ――よ。さすがに、それは親でもしてはいけないことだと思うんだけどな」
「いいじゃない」
「いいわけあるかァ――――――――――――」
俺の叫び声は外まで響いていたことなど知る由もない。
『うるさいわね』
隣のおばちゃんが思ったらしい。
夕食を食べ終わって、思ったことがある。勉強のために使う冬休み。初めての体験だ。どうしよう。みんなが遊んでいる間に頑張るか、受験前に頑張るか。
参考書はやらなければいけないかと決意した瞬間だった。
こんな風に一日が過ぎた。二日目も三日目も同じように過ぎていく。
――どうすればいいんだァ――――――――――。おれの大切な休みが平凡の生活で消えていくよ。
どうしようもないこと。だけど、どうしても納得がいないというかね。どうしようもないのだが。俺は一週間が過ぎるのが早いと感じて、参考書は全然進まないというか、二冊くらいが終わったくらい。
そんなとき、正月がやってきても、お年玉などなかった。高校生になるから。いや違う。勉強に専念できるようにだろうな。本当にうるさい親。
俺はいつまでもこの休みを忘れることはないだろう。今までにないほどの地獄であった休みだったのだからな。
この年になっても覚えている。受験なんてしたくはない。大学に行くものかと言いながらも行くことになる。すべてはこの冬休みが拠点になっているのだろう。おれの人生はこの冬休みによって、変わり果ててしまった。最悪の人生へと。でも、それがいいと思う日が来るまで覚えていることにしようと決意をした瞬間であった。
こんにちは、正和です。なんと、クリスマス企画でのことで、この作品を書いています。さて、シリーズ化にしてみて思ったことは、この作品たちは冬休みがテーマに書いているんだと。普通にわかるかと思いますがね。そのなかで、繰り広げられるストーリーだということですよ。まあ、こんな感じです。




