1 『 鬼滅の刃 猗窩座編』 吾峠呼世晴 原作
リアルが忙しいのとメンタル復調中なので、『見下ろす』が止まっていてお恥ずかしい限りです。もちろんメンタルの理由もありますが、内容的に今の世情では誤解されるのも悲しいので、少し世の中を伺っております。もちろん、小さな物書きの駄文というのは重々承知。念の為です。で、書いた分や頭の中をを整理したり。
でも、書かないも筆が遅くなるばかり。書く勘は鈍らせたくないので、以前の「面白かった趣味を全開しちゃうよ」エッセイモドキを出そうかな、と。そんな次第です。
お久しぶりです。
徒然本棚草紙 2ndシーズンです。
さて初回どうしようか考えまして、前回は『無限列車編』書いたしね、『猗窩座編』の人気に乗っかろうかな、とね。ぐひひひ。
あらすじは、割愛。主に個人的な感想や現象を記録という感じで書いています。
私が見たのは7月下旬頃。熱心なファンは数巡目に入ったとSNSで呟き出した夏休みの昼下がり。シネコンの入り口から、藤の花の造花とキャラクターが飾られ『The・鬼滅』色で染められて、シネコンの本気を感じる。1番大きなシアターで席はほぼ満席。入場してドーナツ食べながら周りを見渡せば、子ども達が賑やかにはしゃいでいる。大人は保護者らしき人か、熱心なファンか、「どんな映画なのか」好奇心の映画ファンと思しき人ぐらい。このままスクリーンに『ドラえもん』が映っても違和感ない雰囲気だ。
場違いなとこに来ちゃったな。これが最初の感想だった。
が! 上映したらすべて吹き飛んだ。
圧倒する映像美。押し寄せるサウンド。視覚と聴覚を殴るような迫力で映画の世界に引きずり込んでくる。緻密な展開の原作に忠実に作られてるから、激しい場面展開はどうなるかと思いきや、適切なシーンを補足して、流れるように自然に繋げていく。 途中の回想シーンは弛むかと思いきや、声優陣の迫力ある演技に魅入られて、弛むような余裕はない。
なにこれ。やばいわ。弩級のジェットコースター映画。
全てにおいて全力全霊で創り上げられてる。
暗闇の中でも、チビッコ達が息を呑むのが分かる。君達はこれから大変だぞ。アニメ映画が、みーんな『鬼滅』みたく完璧ではないのだよ。こんな映画、滅多に無いんだぞぉー。
映画初心者のチビッコ達に、こんな豪華な体験させちゃった制作会社は、罪深いわぁ。これからこの子達の基準は『鬼滅』になっちゃうんだぞー!
上映中、あんまりにも凄い映像美を観て感嘆しながらも、別の心配をしてしまった。
詳しい解説とか考察とかは、他の人に任せます。多分、山と出ているでしょう。
あとは、鬼滅現象を記録として書いときますね。
国内興行成績はダントツ。ほぼ同時期だった『国宝』が、大変惜しい。『鬼滅』と合わなければ、久々に記録も記憶も残る実写の名作としてヒットしていただろう。
海外興業では、近隣アジア各国でも前作『無限列車編』同様に『猗窩座編』は1位を軒並み取っている。
台湾ではそれこそ老若男女の話題作のようだ。高齢者施設でのリハビリとして『鬼滅』の劇を高齢者の皆さんが挑戦しているとニュースになってたのが、微笑ましい。ちゃんと禰豆子は(何か)咥えてるし蜜璃ちゃんは三つ編み三本カツラだったし(胸は出てない)炭治郎のおでこに痣を描いてたし。「セリフを覚えるのは大変だが楽しい」「チャンバラは楽しいね」という事を言ってたよ。(台湾はテロップの漢字が何となく読めるので非常に有り難い)
では、欧米圏ではどうか。
はい。大好評ですよ。これはニュースでも取り上げられてる。だから、ちょっと向こうのSNSで話題になった話などを紹介しますね。
アメリカでは多くの映画が次々と上映されていきます。その中で注目株だったのが『スーパーマン』。久々に主役俳優を変えての作品だった話題作です。が、世界興行成績では、あっさりと『鬼滅』に抜かれてしまった。『国内興行なら勝ってるし!』と締めた映画サイトの悔しそうな言葉に、勢いを感じますね。すげぇ。
さらにちょっと変わった絵も話題になってました。摩天楼を背景にユルい線で描かれた炭治郎ぽい(らしきキャラ)が宙に浮かび、ユルい線で書かれたスーパーマンとファンタジック4を吊り下げてる絵。ユルすぎの絵だけど、つまり炭治郎がアメリカ映画のヒーロー2人に勝ってるという訳。アメリカが大好きなヒーロージャンルが、アニメに負けているというのは、現地の人の肌感覚なのかもしれない。この事実も、少し前では考えられなかった事だ。
ほんとにね、英語圏で英語以外の外国映画が流行るのは珍しいのよ。2000年代やそれ以前では考えられない現象なんですよ。まず、彼らは字幕を好まないから。何でも「めんどくさい」「聞いたほうが速いのになぜ読まなくてはいけないのだ」……だと。日本語圏は洋画の字幕翻訳者にすら好みがあるのにねぇ。
とにかく、英語圏では字幕は好まれない。アニメだし吹き替えが中心でも! それが、『鬼滅』では字幕スクリーンも当たり前にあるらしい。「オリジナル声優で鑑賞したい」という声があるらしい。
これは、日本アニメ作品が受け入れられてる証拠だ。サブスクで気軽にアニメ作品が大量に鑑賞出来る環境になったのも大きい。芸術的なジブリ映画から始まり『君の名は』へとブームが続き、若者層に日本アニメがオタクではなく当たり前になっている。それに従い、日本の声優陣のレベルの高さも注目されてきてる。
ゲームもそうだけど、海外の声優の声は低い。日本のキャラは声は高め。海外動画を見ると、この違和感がキツかった。が、最近観た『ダンジョン飯』の英語版で若い女性マルシル役の声は高めにしてくれてて自然に楽しめた。実写『ワンピース』のナミ役の俳優さんらしいのだけどね。
これは声優さんの技量の問題もあるけど、誤解しないで頂きたい。文化の違いです。
そもそも、欧米圏では物語の主人公が声変わり前の少年少女はあり得ないんです。完成された大人が世界を引っ張るのは常識、無意識下で当たり前なんです。子どもは小さな人であり未完成で未成熟である、という考え。宗教観の違いもある。
だから、声は子どものような「少し高め」が日本アニメ作品には合う。独特なんだよね。文化の違い。
さて。
欧米圏とアジア圏での公開が進む中、まだ公開されてない国がありました。中国です。
厳しい検閲がありますからね。ようやく10月8日に公開されたようです。(今書いてるのは10月2週目)
人口があり、巨大市場の興行はこれから。恐らく、『鬼滅』の成績はさらに伸びる。ここからまだ伸びしろがある。
既に熱心なファンは、検閲なく先行公開されている香港へ『鬼滅』鑑賞の為だけに遠征に行った報告も。推しにかける熱量が、半端ないわ。
今現在、中国のサブカルは勢いがある。その中で『鬼滅』はどう進められるか、興味深い。ちなみに、今年(2025年)の世界興行成績1位は中国アニメーション作品『ナタ 魔童の大暴れ』です。歴代興行成績5位の今年ぶっちぎりの大ヒット作品。日本では話題にならなかったけど、この順位。中華圏の大きさがよく分かる数字だ。今年2位の実写『リロ・アンド・スティッチ』を大きく引き離した数字です。月末には数字がでて、これもニュースになるはず。どっちに転んでも注目です。
最終的にポイントは、この『鬼滅』の興行成績はTVでの4シーズン+映画1作を観たファンが叩き出した数字。映画の宣伝を見て「今からシリーズみんな観て映画を観に行く! 」と宣言して観始めたリアクション動画配信者もいる。映画評論サイトからも非常な高評価を得ている点も、新しいファン層を映画館へ呼び込んでいるんだろう。(どのサイトもほぼ9/10点。ホラー映画評論サイトのみ、「話がTVサイズで映画っぽくない」との評価)
これは3部作の1作目。この騒動はまだ始まったばかり。最終的な興行成績の数字が、日本アニメはもちろん、日本映画の歴史を大きく変えるのは確定です。ハリウッド映画の中で日本アニメ作品が戦ってるのが生きてるうちに見れるなんて!!
あと、『鬼滅』のキャラは受け入れられるか。
今でこそ世界的キャラクターとなった『ハローキティ』『ポケモン』ですが、ここに新たな日本産キャラクターが出てくるか。
『ポケモン』がビッグになったきっかけは、映画だったはず。子供向けディズニー映画しか流さなかったアメリカに、外国産アニメ作品として食い込んだヒット作『ミューツーの逆襲』。この大ヒットで、日本アニメがアメリカの子ども達の目に多く触れられるようになった。で、その年の感謝祭パレードのバルーンにピカチュウが登場したんですよ!
この感謝祭のパレードは、マンハッタンの摩天楼の下、様々なキャラクターのでっかいバルーンが行進する。で、そのお練りは全米のニュースで取り上げられる。今も中継するのかな? スヌーピーやらスポンジボブとかのキャラが、ねぶた祭りの様相で山車のようなトラックで糸でくぐられて摩天楼を練り歩くのです。この山車トラックに乗れたキャラは、全米に親しみを持たれた、ということ。数年前は『ワンピース』の登場が話題になった。
個人的には、この感謝祭パレードに登場すれば世界的キャラクターの仲間入りと考えてたりする。
どうでしょう。炭治郎達も登場するかなぁ。11月末の感謝祭を楽しみにしてましょう。
『因果と応報』『強きものが弱気を助ける』『1人のヒーローが大衆を助けるのではなく、皆で力を合わせる』、そんな日本独自の世界観が世界でどう羽ばたいて行くのか。
行く末をただ見守っていくのみ。まだ『ズートピア2』とか話題作が襲いかかってくるぞ。
次作公開は2027年と予測されてます。
『鬼滅』祭は続く! 次も観るぞー!
気ままに書いていきます。
暇つぶしにどうぞ。
次回は上手く行けば1ヶ月後ぐらいに出せるといいなぁ。




