エピローグ
あれから、朝比奈先生に自分の決意を伝えた。
すると、思っていたよりも早く、ヒトコは回収されることになった。
柚は大泣きしていた。
「やだー!ヒトコいなくなるのやだー!」としがみついて、なかなか離れなかった。
私はその様子を少し切なく、でもどこか穏やかな気持ちで見ていた。
最後は、笑って見送ることができた。
それでいいと思えた。
⸻
学校の昼休み。
私は高木さんと三輪さんと、いつもの場所で話していた。
「私、遂に先生に告白しようと思って」
三輪さんがそう切り出して、私は思わず目を見開く。
「えっ!?」
「いいじゃんいいじゃん!どうやって告白するの?ラブレター?それとも直接?」
高木さんが楽しそうに身を乗り出す。
恋の話にまだ慣れない私は、二人のやり取りを聞きながら、そっと携帯を取り出した。
指で文字を打ち込む。
「生徒から先生への告白はどうするのがいい?」
少しして返ってきた答えを読む。
『付き合いたいより、気持ちの共有を。手紙やメッセージが無難です。』
私は画面を見つめ、少し考えてから口を開いた。
「私は……
三輪さんは、直接会って気持ちを伝える方が向いてると思う。三輪さん、まっすぐな人だから。その方が伝わるよ。
ただ……付き合いたいより、気持ちの共有が大事、だって」
そう言って、携帯の画面を二人に見せる。
「なるほどね。私に向いてるか」
三輪さんは小さく笑って、深く息を吸った。
「いいアドバイスじゃん。参考にして、頑張るわ」
「がんばれがんばれー!」
高木さんがはやし立てて、三輪さんが「うるさい!」と返す。
そのやり取りを見ながら、胸の奥がじんわり温かくなった。
今はもう、ヒトコはいない。
でも、困ったらこうして生成AIに聞いて、答えを読んで、それからちゃんと自分で考えるようにしている。
正しさから外れることも、きっとある。
でも、それでもいいと思える。
それが、今の私だから。
ふと、私は携帯に打ち込む。
「私、変われたかな?」
返ってきた答えは、とても素っ気なかった。
『よくわかりません』
その文字を見て、私はふふっと笑う。
答えは、もう外に求めなくていい。
わからなくても、迷っても、それごと進めばいい。
「凛ー!何してるのー!」
三輪さんと高木さんが手を振っている。
私は顔を上げ、笑顔で走り出した。
前を向いて。
私の足で。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
何気なくの思いつきで始めた作品を最後まで書き上げられたことを嬉しく思います。
予想よりたくさんの人に見ていただき感謝でいっぱいです。
本当にありがとうございました




