ロボットじゃない私
学校のガヤガヤはやっぱり辛かったけれど、ノートの端っこに自分の気持ちを書き留めることで、少し落ち着くことができた。
これで学校も、あまり辛くなく過ごせそうな気がする。ヒトコのおかげで、自分の成長を少し誇らしく感じていた。
――そんな中、休み時間にあの笑い声が聞こえてきた。
「えー、三輪さんひどーい」
「そんなことないでしょー。どうせロボットみたいで何も感じてないんだから。道具ならちゃんと使わなきゃー」
昨日廊下で話していたことを、取り巻きたちと話しているようだった。
「で、でも、なんか綾瀬さん、夏休み前と変わった……ような……?」
高木さんのその言葉に、思わず私は驚いてそちらを見てしまった。
「は? なに? 文句あるの?」
三輪さんは高木さんの発言に不満そうで、不機嫌な声を出した。その時、三輪さんと目が合ってしまった。
「なに? なんか文句あんの?」
思わず目を逸らす。
「え? なにその顔。私が悪者みたいじゃん! はー、うざ。あんたはロボットみたいに『はい、わかりました』って言ってろよ」
私はどんな顔をしていたのだろう。三輪さんが戸惑ったような、怒るような声で私に言い放ち、席に戻っていった。
他のクラスメイトも少し驚いたようにこちらを見ていたが、すぐに元のガヤガヤとした話し声に包まれた。
ーーー
家に帰り、夕食後いつも通りヒトコの前に座った。今日の出来事を、胸の中で整理しながら話す。
「それは凛さんが感情豊かになった変化です。表情は今と同じ表情だったら、とても辛そうに見えます。以前はもっと表情がなかったと思うので、いい変化です」
「でも、ロボットみたいなままの方がいいって言われて……そのほうが周りは嬉しいのかもしれないって思ってしまう」
その時、母がそっと後ろから声をかけてきた。
「凛、それは違うと思うわ。凛がその方が周りが都合がいいだけ。私は今の凛の方がいいと思うわ。凛は辛いかもしれないけど」
私は俯くことしかできなかった。
ーーー
自分の部屋でベッドに横になり、今日の出来事を思い返す。
どうしたらいいんだろう。
本当にこのままでいいんだろうか。
でも、今の自分が、前より少しだけ好きだ――そんな気持ちも確かにあった。




