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帰宅


 街中に入ると彩りある風景がアラン達を迎えた。

 食事処からは食欲を刺激する香りが風に乗って辺りを漂い、客の活気、熱量が更にそれを助長させる。


『流石に腹が減ったな。コレット達と合流したら飯にするか。シャーナも一緒にどうだ?』

『私は事務的な処理が終わったら、直ぐにガリアに帰らないと行けないのでまた今度誘ってください』

『それは残念。まぁ、基本ガリアに居るんならまたの機会だな』


 暫く歩くと、見覚えのある建物が見えてきた。


『お待ちしておりましたシャーナ様、アラン様。中でダレス会長がお待ちです』

『ルシアナさんもお疲れさまです』


 日中に対応してくれた猫獣人のルシアナが二人を出迎えた。


『私はこのままガリアに戻りますので、ダレス会長にはよろしく言っておいてください』

『かしこまりました』


 シャーナは軽く手を振りながら、フラガラッハに跳び乗り颯爽と行ってしまった。

 

 俺はルシアナの指示に従い建物の中へと進むと、見慣れた獣人娘がエプロンを着け、パンケーキのタワーを作成していた。


『どうしたコレット? 霊宝山に行けなかったから代わりにパンケーキ山を作りましたーってやつか?』

『あ、おかえりアラン。後これは超スペシャルふわふわ最強コレットタワーパンケーキだよ』

『ネーミングセンスなら完全にクロエと戦えるな』


 そして、丁度名前を呼ばれた黒髪少女のクロエが、死にかけのゾンビの用にアランの影からズルリと這い出てきた。


『お腹が空いたのじゃ…………』

『フフフ、クロエちゃん。このパンケーキを食べるといい…………飛ぶよ』


 その言葉を聞き、クロエは目を輝かせながらパンケーキを手に取る。


 な、なんじゃこのパンケーキは…………。

 手に持った瞬間にわかる、これは美味いと。

 漂ってくる甘い匂いと、手から伝わる熱、その全てがワシの本能に語りかけてくるのじゃ。


 クロエは恐る恐るパンケーキを口へと運んだ。 

 そしてそのままの勢いで 口を大きく開け、豪快にかぶり付いた。


 咀嚼、咀嚼、咀嚼。


 暫しの沈黙を経て、クロエは静かに天井を見上げ涙を流した。


『天上天下唯我独尊』

『いや、どうゆう事だよ!』


 アランは満足げに果てているクロエにツッコまずにはいられなかった。

 

『この満足感を言葉にするのは蛇足と言っても過言ではない』

『語尾のなのじゃを付け忘れるくらいには美味いって事か。コレット、俺も一枚貰ってもいいか?』

『いいよ!』

 

 パンケーキを一枚手に取る。


 な、なんだこの重量感は!?

 いや、重さ自体は大してある訳じゃない。

 その圧倒的な存在感が、俺にそう錯覚させているというのか?

 怯えるな、落ち着けアラン。

 たかがパンケーキだ。

 美味いと初めから分かっているのだから、身構えながら行けば何も問題ないはず。


 アランはパンケーキをパクりと一口食べた。

 そして、何も言わずに二口、三口と続けていき、終いには一枚全部を食べきってしまった。


 アランは静かに天井を見上げる。


『我は満ち足り』

『貴方は一体何を言っているんですか?』


 買い物袋を持ったクレアが部屋のドアを開けて入って来た。

 

『いや何、人が何のために産まれ、生きるのかの理由を知っただけだよ』

『貴方は一体何を言っているんですか?(二回目)』


 すると、奥にある部屋からダレス会長がのっそりと出てきた。


『おぉ! 無事に戻ってくれて安心しました。この度の異変解決、本当に有り難うございました』

 

 ダラス会長はゆっくりと頭を下げ、感謝の意を伝えた。


『いえいえ、アスラの皆さんの安心、安全が確保されたのであればこちらとしても本望ですよ』

『アラン様、こちらはわたくしからの感謝の気持ちです。どうぞ受け取って頂きたい』


 ダレス会長が部屋の入口を見る。

 すると、タイミングを図っていたかのように、ルシアナが複数の大きな金属製の箱を運んできた。


『これはまさか…………ミミック?』

『違いますよ! お金が入っている普通の箱です!』

『え、こんなに頂いても大丈夫なんですか?』

『えぇ。我々商人にとって物品の運搬ルートの安全の確保は“絶対条件”と言っても過言ではありません。言わば生命線とも言えますね。その問題を一日もかからずに解決して頂けたのですから、これくらいのお礼は寧ろ少ないとすら思いますよ』


 そう言うと、ダレスは自身のポケットから銀色の懐中時計を取り出した。

 時計の表面にはアスラの都市紋の様なものが刻まれていた。


『これも差し上げます』

『凄く良い懐中時計ですね』


 素人目に見てもかなり高価な物であると分かる。


『はい。この時計には世界で最も硬い鉱石アダマンタイトが使われています。更には、アスラ大商会の認定紋が刻まれていますので、北の大陸に行く際の通行証として使う事も出来ます』

『ある意味、金よりも高価な物じゃないですか』

『沿岸都市アスラとアラン様との信頼の証として、大切にして使って頂ければと思います』


 差し出された懐中時計を両の手で優しく受け取る。

 金属のひんやりとした感触が掌から伝って来た。


『…………これ飛び道具としても使えそうですね』

『信頼の重さの分、威力が増してそうですね』

『投げた瞬間、滅茶苦茶軽くなってそう』

『同感です』



――――――


 ダレス会長の粋な計らいで、応接間での食事が許可されたのでそのまま夕食をとる事にした。


『ところでさ、アランがさっき背負って連れて来たその子誰?』

 

 フライパンでパンケーキをひっくり返しながら、コレットはアランの隣で寝ているベノミサスの方を見た。


『見て分からないか? 嵐毒竜ベノミサスだよ』

『…………え?』

『今回の毒霧の原因になった竜でな、訳あって連れて来た。別に問題ないっしょ?』

『いやいやいや、確かに角生えてるから魔人族の子かなぁとは思ってたけど、竜人族ですらない、竜その者だとは思わないじゃん! あとなんか雰囲気でゴリ押そうとしてない?』

『まぁ、でもうちのギルドって今、人間二人、獣人一人、吸血鬼一人、魔王一人なんだよ? 今更、竜が一人増えても違和感ないよね』

『…………人間二人ってバランス悪いから一人削らない?』

『すいませんでした』


 アランは事の経緯をコレットとクレアに話した。


『成程、このベノミサスさんは被害者で、帰る場所も分からないと』


 クレアは少し悲しそうな表情をしながらベノミサスの頭を撫でる。

 そして、ベノミサスにぺしっと手を払われる。


『成程、このベノミサスさんは被害者で―――――』

『なかった事にしようとしてない!?』


 クレアはまた別の意味で悲しそうな顔をしている。


『とりあえずは、ベノミサスちゃんとドラコちゃんって子がギルドに加わるって事ね』

『なんだコレット、結構話の呑み込みが早いじゃん』

『まぁね。正直今回は私とクレアは完全にお荷物だった訳じゃん? 何を言う資格もないと思うんだよね』


 納得いかなそうにクレアがこちらを見ているが一旦無視しよう。


『まぁ、今回は出番がなかったけど、ギルド対抗料理対決とかがあったらそれこそコレットの仕事だと思うし、要は適材適所ってやつだと思うんだよね』

『限定的すぎない?』

『それな』


 フフフとコレットは小さく笑う。


『でもありがとう、少し元気出たかも』

『困った時はお互い様よ。…………ってかイザベラはまだ帰って来てないのか? 俺達よりも先に下山してたんだけど』


 あっ!と思い出したかのようにクレアがポケットから一枚の紙を取り出した。


『そう言えばイザベラさんから伝言を預かっていたんでした! どうやら今夜泊る宿を確保してくれていたみたいで』


 アランは部屋の時計を確認する。

 現在時刻は午後八時を回っていた。

 

『成程な、じゃ今日はアスラで一晩を過ごしてから、翌朝にガリアに戻ろうか』


 満腹で爆睡しているクロエを自身の影に押し込み、ベノミサスを背負いながらアスラ大商会会館を後にした。


――――――


 待ち合わせの宿でイザベラと合流し、そこからは女性陣三人とは一旦解散をし、自室に入る事にした。


 丁寧に整えられたベッドにベノミサスをゆっくりと寝かせる。

 そして、自身は部屋の端っこにある椅子に腰をかけた。

 窓の外から見える明るい月が薄暗い部屋の中に光を灯す。

 日中の喧騒とはかけ離れた静寂がここにはあった。


『はぁ…………』

『どうしたのじゃ?』


 声の下方向を見ると、机の下にある空間にちょこんとクロエが座っていた。


『起きてたのか』

『ワシは元々、睡眠も食事も必要のない体じゃったからな。その時の癖でちょくちょく起きてしまうんじゃよ』

『大変そうだな』

『して、何を考えておったのじゃ?』


 アランは下山中にシャーナに言われた事をクロエに話した。


『成程、確かに自身の魔術とは何かを定義しておくのは大切な事かもしれんな』

『今までは教わった事を覚えるのに必死で、自分自身の事をあんまり考えられてなかったなーって思ってさ』

 

 婚約者を失い、自身の全てを失ったと思った。

 そして、その穴を埋めるかのように、世界最強って存在に救いを求め、縋っただけのただの一般男性。

 それが俺だった。

 ただそれ以上失いたくなかっただけの空っぽな男だ。

 三年間の修行を経て、多くの知識と技術を得た。

 だけど【アラン】はまだ何も新しいモノを生み出せていない。

 

『今回の件で再確認したよ。俺はまだ【スタートライン】に立った、それだけなんだって』

『そうじゃな、最初に言った通り【良い修行】になったじゃろ?』

『なったよマジで。【逸脱者】を知り、【大厄災の種】を知り、そして【己】を知ったそんな一日だったわ』

『ハハハッ! ならば良し』


 クロエはそう笑いながら俺の膝に腰を掛けた。


『そういや、クロエにも魔術における【テーマ】的なものがあったりするのか? 【暴食】だっけか』

『うーむ、あまり意識した事はなかったが、強いて言えば【時間】じゃろうか。【暴食】は産まれ持った性質であって、追い求めたものではないからのう』

『あー、なんか修行中に言ってた、どの属性にも属さない【七つ目の無属性魔術】ってやつだっけか?』

『そうじゃ。神の領域に存在する魔術、その一つがワシが追い求めた【時間】の魔術じゃ』


 クロエはかつて神を喰らっている。

 神に唯一傷をつける事の出来る【七大罪】を全て集め、神を討ったという話は聞いていた。

 しかし、【時間】については、本人があまり話をしたがらなかったので、こちら側からは特には聞いたりはしなかった。

 

『【時間】を追い求めた理由とかは聞いても良い感じ?』

『そうじゃな…………』


 窓の外にある月を眺めながら、少し悲しそうな、それでいて懐かしむかのような表情をさせながらクロエは静かに語った。


『ワシにはかつて親友と呼べる者がおってな。小さい頃からずっと一緒じゃった。…………じゃが、ワシらが今と同じくらいの歳に成長した時――――――その友に光の魔術の才がある事が分かったんじゃ』


 傾いた月光がクロエの顔を照らす。

 よく見ると自身の膝に涙がポロポロと落ちている事に気が付いた。


『それで、戦争を止める為に協力して欲しいと聖教会から要請があってな、あやつは「戦争を止めれば多くの人が助かる」と喜んで同行していった。じゃが…………戦場に行ったきり、そのまま生きては帰ってこなかったのじゃ』

『それで【時間】の魔術を使って過去に戻り、やり直そうとしたって事か』

『…………そうじゃ』


 俺も、もしあの日に戻れるのであれば…………。

 だけど


『最強の魔王になっても、神を喰らっても…………駄目だったんだよな?』

『…………うむ。限定した概念の時間を限定的に止めたり、進めたりする事は出来た。じゃが…………進んだ時間は絶対に戻らなかったのじゃ』


 項垂れたクロエの頭を優しく撫でる。

 

『…………アラン。お主に教えられる事は大体教え終わっておる。後は、お主自身で自らの英雄譚を、物語を紡ぐのじゃ』

『英雄譚か…………。俺はあんまりそうゆう人間じゃないんだよな。これと言って【運命】に導かれてる訳でもないし、何か特別な能力を持っている訳でもない。至って普通のただの人間でしかないし』

『至って普通のただの人間が“たった三年”でそこまで強くなれる訳なかろう。お主は【学び】の天才じゃろうよ』

『【学び】? なんか弱そう…………』

『馬鹿者! 本来、魔術というのは得た知識を感覚に落とし込み使用する学問じゃ。それを見て、聞いただけで直ぐに出来るようになるのは【異常】と言わざるを得ないのじゃ』


 確かに…………。

 まだ使えない魔術こそあれど、どうすれば出来るようになるのかは感覚で分かる感じはするな。


『でもそれって【暴食】の下位互換じゃね?』

『そうじゃな』

『う、うん。…………そうだよね。一瞬、俺は本当に天才なのかも!? って思っちゃったわ』

『ま、まぁワシの場合は喰わないと駄目じゃろう? 見るだけで学び【奪う】事が出来れば最強じゃろう!?』


 相手の知識と技術を学び、奪い取る…………か。


『いやNTRれはちょっと無理だわ』

『根に持ち過ぎじゃろ』


 ただ何となくの方向性は見えて来た気がするな。

 結局のところ、全ての始まりは世界最強の【魔王】だったんだよな。

 弱かった自分を恥じ、そして“最強”なる存在にに憧れたんだ。

 


『なら俺の魔術のテーマは【魔王】だな』

『…………???????????????』


 クロエは訳が分からずにポカーンとした顔をしている。


『月を飲み込む程の闇を纏い、千変万化な黒血武器を操る。如何なる魔術による抵抗も、その全てを理解し己が力に変え、そして最強の一である【壊理剣】にて全てを破壊する最強無敵の闇の支配者。それが…………俺の目指すべき【魔王】なのかもしれない』


『…………クソカッコいいのじゃ』

『そうだろ?』


 その日の夜は、気絶するまでお互いに【俺の考える最強の魔王】について語り合った。


――――――


 次の日の早朝、荷物という荷物を全て自身の影にぶち込み、ガリアへの転移の準備を完了させた。

 荷物分の重さが体重に加算されている影響か、床がミシミシと音を立てている。

 アランは出来る限り音を立てずに歩き、宿の一階へと向かった。


『…………アラン、何その恰好?』


 コレットはアランの服装を見て困惑する。


『クソカッコいいだろ?』


 上半身には黒い金属製の肩当てが付いた胴体鎧を身に着け、背中には黒くて長いマント。

 下半身もまた当然のように黒のブーツに、黒の鎧ズボン。

 身長が180後半ある筋骨隆々のアランが身に着けると、どう見ても歴戦の戦士と間違えられてもおかしくはないだろう。


 と考えているのがアランの表情から見てとれる。


『…………え、悪い夢でも見た?』

『そんなぁ…………』


 アランはガックリと膝を床に付き、助けを求めるかのようにベノミサスの方を見た。


『…………私は、カッコいいと思うよ』


 昨夜にクロエとアランが調子に乗って作った、黒いフリフリのワンピースを着たベノミサスが苦笑いをしながら答えた。


『ベノミサスちゃん、無理しなくていいからね』


 コレットは作り置きしておいたパンケーキをベノミサスに渡した。


『…………でも少し動きづらそう』

『貴様裏切ったなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

『アラン、流石に鎧は外そうよ。ガシャガシャ音がなって他の客の迷惑だよ』

『…………確かに』


 

――――――


 宿の外に出ると暖かい朝日がお出迎えをしてくれていた。

 『今日もいい天気だ』と空を見上げていると、一人の少女が空から降ってくるのが見えた。


『…………え?』


 二本の角と黒い羽を生やしたその少女は、長い緑髪を靡かせながら絶叫と共にアランの方へと突っ込んで来た。


『都市上空は魔術が使えないのを忘れてましたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』

『何をやってんだ!』


 自身に向かって落ちて来る龍人の少女を、【血影】で作成した風船の様な物で優しく受け止めた。


『お嬢さん、痛い所とかはありませんか?』

『痛い所ですか? 私の目の前に居ますね』


 チラッとコレットの方を見る。


『…………いや、アランの事だよ!!!』


 ドラコは乱れた服装を正しながら、一歩前に出る。


『皆様初めまして。霊宝山の主【宝龍】が娘のドラコと申します。至らぬ点が多々あるとは思いますが精一杯頑張りますので、どうかよろしくお願い致します』


 白いワンピースの裾を靡かせながら、深々とお辞儀をする。


『これは第二回【絶対無敵天上天下唯我独尊世界最強魔王軍】会議が楽しみですわね』


 俺の後ろで日光から隠れるようにして歩いていたイザベラが、黒縁の眼鏡をクイッとさせながら意気揚々と出て来た。


『何ですかその【絶対無敵天上天下唯我独尊世界最強魔王軍】って?』

『わたくし達のギルドの名前です』


 『え、嘘でしょ?』という困惑の眼差しをアランへと向けた。

 しかし、返って来たのは『諦めろ』という無慈悲な表情だけだった。


『え、あの一旦帰って考え直してきても――――――』


 ドラコを含めた皆の足元に見慣れた幾何学模様が浮かび上がる。

 そして、眠そうに目を擦りながらズルズルとアランの影からクロエが出て来た。


『じゃ、帰るかのう』

『あのちょっと待っ――――――』


 ドラコが何かを言おうとしたその瞬間、もう既にそこはガリア帝国の上空だった。


――――――


 ギルド拠点へと戻り、軽くお茶でもしながら自己紹介でもしようと、円卓に人を集め始めたその時。

 ギルドの門戸を誰かが叩く音が聞こえた来た。

 アランは急いで扉まで行き、静かに扉を開け対応した。


『…………シャーナさん、こんにちは。昨日の今日ぶりですね』

『えぇ。ごきげんようアランさん』


 ニッコリと笑うシャーナの顔は相も変わらずに可愛さ満点だが、それ以上に…………悪い予感がしてならない。


『…………今回はどういったご用件で?』

『ガリア王家126代目ジーク・ハイド・ガリア国王陛下からの勅令です』

『ガリアには労働組合ってあったりする?』

『陛下からの勅令は仕事ではありませんよ』

『マジかよ…………』


 とりあえずは話を聞くために、建物内へとシャーナを入れる。

 心なしか扉の閉まる音がいつも以上に軋んで聞こえてきた。




 

 


 









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