招待状
ただ過ぎていく毎日
今は過去になって未来が過去になるのをただ待っている日々
これを現代では「退屈」という
今は俺がいるこの日本は平和を掲げ、日々、成長している
しかしその平和は過去の人たちが望んだ世界
戦争ばかりしていた世界が望んだ世界だ
そして今、その願いが叶ってこの世界は実に平和だ
そう・・・退屈するほどに。
俺の名前は夢斗
これで「ゆめと」って読む
これも今の平和な日本だからつけられた名前だろ
名前に夢があるのに俺自身、なにかやりことなどなにもなかった
なにもしなくても生きていけるこの世界
何も目指さなくても人として権限をもてるこの世界
俺は・・・・「退屈」していた
「ゆめとー!」
「・・・・・」
「ゆめとー!!」
「・・・ん・・・」
ガチャッ
「あれ?ゆめと寝てたの?あんた手紙来てるわよ」
「母さん・・・服踏んでるぞ・・・」
「あら!ごめんごめん。でもあんたが片付け無いからでしょ!」
「しょうがないだろ!この部屋狭いし片付けるとこなんてないじゃないか!」
「なに生意気なこと言ってるの!屋根があるだけでもありがたいと思ってよね」
「・・・んー で?何のよう?」
「あー、そうそうあんた宛てに手紙来てるわよ!」
「手紙?」
「はい。あと今から買い物行くけど晩御飯なにが良い?」
「なんでもいいよ」
「なんでもいいって料理はありません!」
「じゃあステーキで」
「ステーキなんて食べれるわけ無いでしょう!」
「じゃあ何がいけるんだよ」
「なんでもいいわよ」
「・・・・じゃあなんでもいいよ・・・」
「じゃあ母さんが好きなものかって来るわね♪」
「・・・行ってらっしゃい・・・」
ガチャ
「・・・ふぅ」
母さんはとても元気だ
正直、うっとうしいけどまぁ元気の無い親より元気一杯の母さんのほうがいいから別にいいんだけど
今は夏休みだ
大学の夏休みというものは長いもので2ヶ月ほどある
そして今はまだ夏休みが始まって3日目
まだまだ夏休みがある
普通ならここで友達と海に行ったりどこか旅行しに行ったりするだろうが生憎俺には
友達はいない
1人好きというのもあるがなぜか他の人とはウマが合わない
人は俺をマイペースというが俺は別にその性格が間違っているとは思わないし
むしろあっていると思う
猫のようにマイペースで自分の生きたいように生きる
それが俺のモットーだ。
「・・・そういえばこの手紙なんだろ?」
母さんから渡された手紙
俺には文通などをしている相手はいないし
なにかに応募した覚えも無い
「差出人は・・・」
ない
「とりあえず開けてみるか」